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経済小話「1万ドルの罠」

世界経済のお話を一つ投稿します。
と言っても、それ程難しい話ではありません。

「1万ドルの罠」って聞いたことはありますか?
「中所得の罠」とも呼ばれているらしいです。

国民の平均所得が「年収1万ドル」になると、なぜか経済成長しなくなる。・・・という、一種の「病気」にかかる現象の事です。

1万ドルというのは一つの目安で、理論的な根拠はありませんが、この辺が先進国の仲間入りなのだそうです。
その代わり、国民は余暇を求め、働かなくなる。

1977年にスウェーデン、続いてスイス、アメリカ、旧西ドイツ。

日本は1万ドルに届かずに低下しました。
これにはカラクリもあって、ドル換算なので、円高が進んで所得が低くなった影響もあると思います。

今、中国がその過渡期に差し掛かっています。
既に頭をもたげつつありますが、中国は国が為替を操作する「管理為替レート制」。
今後、どうなるのか? 興味があります。

参考資料を下に貼ります。
長いですが、内閣府が出している資料です。
興味がある方はご一読ください。
https://www5.cao.go.jp/j-j/sekai_chouryuu/sa13-02/html/s2_13_2_1.html


4 件のコメント
1 - 4 / 4
他にも中国では、少子高齢化の危機が訪れていますね。
1975年でも300円/ドルですから、1万ドルって300万円ですね
https://www.komazawa-u.ac.jp/~kobamasa/reference/gazou/yenrate/yenrate1.pdf
高度経済成長期の終焉だから、このあたりですね

国別比較だと時間軸もありますよね
インフレで毎年数%で貨幣の価値は下落してるので、1万ドルといっても、今の貨幣価値は40年前から大分目減りしてるはずですね
1万ドルの罠
中所得国の罠

発展途上国の工業化がすすむのと同時に国内の人件費が上がって、それが輸出商品に転嫁された結果、国際競争力を失って、そこで経済成長が止まってしまう事ですね。

過去、この罠から脱出できたのは、
日本
韓国 
シンガポール
香港
くらいですね。

中国は、その安価で豊富な労働力を背景に
世界の工場
としてその地位を築き、今では、個人一人当たりのGDP が1万ドルを超えたので、中所得国の罠には、陥らなかった、と言えるでしょう。
中国もやはり、新興国の壁として労働賃金の上昇があり、これが一般的に1万ドルの罠ですが、実際に東南アジアへの生産工場の移転が行われたり、最初から東南アジア工場を選択をするケースもあります。
さらには、中国の政治や政策のリスクが他の民主主義国よりも高いため、上記のように東南アジアへ生産拠点を移すケースが増えています。
一方で、中国はその抱える人口が圧倒的で、膨大な内需により、支えることが出来、また海外からも巨大な市場であるため、中国から完全に撤退する選択肢は少ない。
さらには、貪欲に硬軟混ぜて技術の獲得に貪欲で、海外からに加えて自国でも研究や開発に力を入れて、世界有数の技術系企業も少なくなくなった。

おそらく、中国が1万ドル罠、労働賃金の上昇で大きく停滞することは無いでしょう。
幾つかの分野で、世界有数の最先端を走っており、新興国が陥りがちな、ただの安価な生産工場からは脱却しているといえるでしょう。

一番の問題は、ご存じの通り中国とその他の国との対立で、経済にも大きな懸念材料になります。
もう一つは、先に私が上げました、少子高齢化。長く「一人っ子政策」による弊害で、心理的にも二人以上を育てる意識が希薄なようで、今後、少子高齢化は巨大な国だけに、コントロールが難しいと考えられています。
今後、アメリカを経済力で抜くとも予測される中国ですが、べつの予測では人口増加の続く、インドに中国が抜かれるという見立てもあります。

個人的には、中国共産党には、崩壊してまっとうな民主主義国家に変わってほしいものなのですが……。(^^;
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