秘話…私の05IP電話利用に至るまで　(長文、ご容赦です…笑)

LaLaCallの通話品質確保について白熱した会話が為されていますが、これまで色々なIP電話サービスを利用/試用した経験から言って、たとえ低速時の200kbpsがそれなりに担保されても、IP電話を常用する上で音声品質(音質と遅延)に満足のいくようなものを確保するのは中々難しいように思えます。

通話がブツブツ切れるのは接続速度が音声データー量に追いつかない為で、それを改善するには帯域を確保するか、または音声データー量の圧縮率を上げて(コーデックによるデータ圧縮といいます=音質低下)通信することになります。結果、ブツブツ切れることは無くなっても今度はモサモサ、モゴモゴと実に歯切れの悪い、くぐもった聞き辛い通話音声になります。受信側にも嫌われます。それならと、圧縮率の低いコーデック(高品質)を利用したいわけですが、今度はそれなりのデータ通信速度、高速(帯域)の確保が必要になってくるわけです。

そんなわけで従来の3G接続時代や、LTE開始当初、私としてはIP電話は現実的な利用には時期尚早と判断し090電話との併用(オマケみたいな使い方)をしていました。概ね多くの方々は現在もそんな使い方なのかと想像します……が、徐々にLTE地域が広がり、私のiPhone5SでLTEバンド18(AU)、LTEバンド19(docomo)をしっかり使えることで安定して広域に渡り接続速度が、少なくとも1～3Mbps確保することが体感できた時から思い切って主回線090電話を解約し、050IP電話に乗り換えました。
最終的にはAcrobits Softphone社というチェコ共和国の会社のSIPアプリを採用したSMARTalkというIP電話サービスの利用に落ち着き、現在は家族4人全員090電話を解約し、050IP電話に切り替えて快適利用中です。

では私がSMARTalk (Acrobits Softphone)を選んだ理由は、というと…

技術的な面:(重要)
(1) アプリ起動しなくても、プッシュ着信通知が出来る。これ必須です。対応していないとリアルタイム着信しません。アプリ常時起動が必要ということは、バッテリーの消耗が速く、30%位イ消費が速かったデス(汗)　
(2) コーデックの選択肢があり、実際iLBC, G.722, G.711u等複数の選択肢が提供され、WiFi接続、LTE接続別に指定が出来ます => 私は WiFi, LTE接続ともに G.711uを使用してます(デフォルトのWiFi接続はG.711uになっていますが、3G/LTE接続はiLBSです。これでは高音質は望めません)
(3) パケット送信間隔に選択肢がある。これは遅延改善に効果があります=> 私の場合 10msを使用 (初期設定20ms)

経済的な面:
(4) 基本月額料金 0円　=> 気楽にお試しできますね
(5) 国内/世界一律　受信料:無料、送信料:8円/30秒 => 海外出張が多いので、高額ローミング料金の削減(シンプルな送信料金体系)　=> 相手国により通話料金が大きく異なるのは実際に使用する側としては不安です(LaLaCall、私の出張先のフィリピン/34円/分、タイ/44円/分)
(6) 基本的に長電話しないので、30秒課金は 1分課金より割安です

使い勝手から見た面:
(7) 着信音(曲)の選択で、スマホデで指定する着信音(曲)が選択可能
(8) 不在着信時のメッセージ録音、および指定メールへの転送機能あり (ウェブ設定)
(9) 着信時の呼び出し時間設定が可変(ウェブ設定)

等々、少し話がややこしくなりましたが、このややこしさが正に050IP電話が普及しない当面の課題になっているように思います。アプリをダウンロードしただけの初期設定(お任せ)アプリでは、そこそこの通話はできても、利用者環境にとって最適な通話設定にはなっていないと思うからです。
ただ、一旦、050IP電話に全面切り替えしてしまえれば、スマホデバイスの変更、回線(MNO, MVNO問わず)の変更、電話番号を気にせずに海外で現地購入するSIM選択の自由、等々、MNPやローミング送受信料金からの解放されることや、世界中どこに居ても安心して国内電話番号で送受信できる自由度等が確保されるので、いつでも、よりよいと思う通信環境へ、安価に、手軽に移動できるという自由が得られます。MVNOのデータSIM(通話オプション不要)だけで全て事足りるので何しろ安いです!　努力しても価値あるトライかと思います。

追) ところで誤解の無きよう…私はSMARTalkの回し者でなきこと、ここに宣誓しておきます!(印)