JavaScriptを有効にしてお使いください
JavaScriptの設定方法はこちらの検索結果を参考にしてください
数ふればわが身につもる年月を送り迎ふと何いそぐらん
一プラス一を二として生きてゆく淋しさ我に降る十二月
塵塚の 燃ゆる煙の 目に立ちて寒しこの頃 朝々の霜
もみぢ散る 音は時雨のここちしてこずゑの空はこもらざりけり
あかねさす 日は照らせれどぬばたまの 夜渡る月の隠らく惜しも
ひむがしの 野にかぎろひの 立つ見えてかへり見すれば 月かたぶきぬ
わが待ちし 秋は来りぬ三日月の 光しづけく かがやきにけり
秋きぬと 萩の葉風の つげしより思ひしことの ただならぬ暮
あまの河 あさ瀬しら波 たどりつつ渡りはてねば 明けぞしにける
ほととぎす鳴きつる方をながむればただ有明の月ぞ残れる
夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月宿るらむ
天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよをとめの姿 しばしとどめむ
葛の花 踏みしだかれて色あたらしこの山道を行きし人あり
朝あけて船より鳴れるふとぶえのこだまは長し なみよろう山
一日を泣いて過ごした世界一さみしい独立国家「布団」で谷川電話
暁の外の雪見んと人をして窓のガラスの露拭はしむ
人間へ 食べ物よりも君が好きな日もあるよ。 犬より
君がため春の野に出でて若菜つむ我が衣手に雪はふりつつ
その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな
いちはつの花咲きいでて我目には今年ばかりの春行かんとす