意識の低い社会人に「効率よく二度寝ができるマシーン」のご提案

私は会社に属さずフリーで活動しているので、いつ何をするかはだいたい自由に決められる。それが裏目に出たのか、午前中に仕事が入ると、途端にやる気がなくなる最悪な人間となってしまった。だって、朝は眠たいから……。

例えば朝8時に起きなければ打ち合わせに間に合わない時、アラームによって無理やり目を覚ましているが、「人生がどうなってもいいから、夕方まで二度寝しようかな」と思うことがある。「思うことがある」というか、常に思っている。

しかし……。

そう。会社員が二度寝をするということはつまり、一度は無理やりにでも起きて、PCまたはスマホを使って仮病の理由を文面にして遅刻や欠勤の連絡をしなければいけないのだ。そのメールの文面を考える際、使えば使うほどなくなっていく「仮病のレパートリー」に頭を悩ませたり、毎回のように罪悪感を覚えたり、そもそも気持ちよく二度寝できない状況になったりするのは非常に効率が悪い。それが嫌で、「しゃーない。仕事行くか」となってしまう人は多いのではないだろうか？

それではダメだ。

仕事に効率化が求められるのであれば、二度寝にも効率を求めていいはず。

ということで、「効率よく二度寝ができるマシーン」を作った。

効率よく二度寝ができるマシーン

これがそのマシーン。「GO TO HEAVEN」と書いてある通り、このレバーを倒すと天国に行くことができる。

レバーを倒してみると……。

欠勤する旨のメールが上司に送信される。

これで、「もうどうなってもいいから、とりあえずもう一度寝たい」という希望をワンアクションで叶えることができるのだ。私は天才か。仕事の効率化を進めるより先に、二度寝の効率を上げるのが“デキる大人”の常識。『プレジデント』は今すぐ特集を組むべきだと思う。

マシーンの作り方

世のデキる大人に需要があるかと思うので、作り方を紹介したい。

まず、「ボタンを押したらメールが届く」という仕組みを作っていく。電子工作がめちゃくちゃ簡単にできるようになるツール「MESH（メッシュ）」と、Webサービス同士を連携させるサービス「IFTTT（イフト）」を使うことにした。

これがMESH。ブロック状の電子タグだ。MESHアプリと無線でつなげて使う。

MESHアプリ上でIFTTTと連携し、IFTTTアプリ上で「MESHのボタンを押すと、Gmailが送られる」という仕組みを作った。そう、IoTというやつである。

ボタンを指で押すだけだと味気ないし、どうせ社会を捨てるのであれば、もっと開放的な見た目にしたいと思ったので、レバーを作ることにした。

バネと棒を無理やりつなげて、レバーを完成させた。レバーを引くとボタンが押される。世界よ、これが日本の技術の集大成だ。

外箱を作るために、アルミボックスにレバーの稼働範囲となる穴を開けた。

アルミでは無機質すぎたので、瞬時にインクを硬化させることができる「UVプリンター」を使い、表面に空と太陽の写真をプリントする。

すると、一気に天国っぽさが出る。

　
レバーの取手になる雲を粘土で作った。雲に見えるのは私だけか？

不安になったので、これが何に見えるかSNSで質問をしたところ、「AKIRAのバイク」「汚い粘土」などの返答があったので、白く塗装することにした。

　
はい、雲。

そして、全てのパーツをがんばって組み立てたら完成だ。

使ってみる

チュンチュン……。

私、OLの藤原麻里菜。もう布団から出て準備しないと遅刻しちゃう。でも、寝たい。会社に行くよりも、このまま二度寝したほうが幸せ。日本の幸福度は年々下がってるって「ミヤネ屋」かなんかで言ってた。じゃあ、日本の幸福度向上に少しでも貢献できるように、ここはいっちょ私が二度寝をしておくか……。

　
そうと決まれば……。

　
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「ん？　藤原からメールだ」

「なるほど、仮病か」

今頃、上司がメールを見ているであろう。たぶんだけど、仮病ってこともバレてると思う。しかし、仮病でも気づかないふりをしてあげるのが、最も重要なビジネスマナーではないだろうか。

　
もしも上司が「仮病ですよね。会社に来なさい」と言ってきたら、それはとても重大なマナー違反だ。もらった名刺を目の前でシュレッダーにかけるレベルで失礼だ。そんな会社なんてこっちから辞めてやる。

そういうことを考えながら、私は効率的な二度寝によって幸福な1日を過ごすことができたのである。

おわりに

　
この「効率よく二度寝ができるマシーン」を使えば、眠い目をこすりながら仮病メールを書き起こしたり妙な罪悪感を覚えたりすることもなく、安らかに二度寝ができるようになるはずだ。

ぜひ、意識の低い社会人の皆さんには、使っていただきたい。そのうちクビになるかもしれないけど。

関係ないけど、二度寝して見る夢って、だいたい怖いよね。


（企画・編集：ノオト）