最大50％の節約！ スマホのデータ転送量をなるべく減らすには

Chromeの「データ使用量を節約」をオンにして転送量を減らす

ウェブブラウザのChromeには、「データ使用量を節約」という、データの転送量を減らすにはうってつけの機能がある。これはデータを転送する際にGoogleのサーバを経由することによってデータを圧縮し、転送量を削減してくれるというものだ。Googleのサーバを経由することで、悪意のあるページヘのアクセスをブロックしてくれる効果もある。

設定方法は簡単で、設定画面を開いて「データ使用量を節約」をオンにするだけ。具体的にどれくらいデータが圧縮されたかはグラフで表示されるので、効果のほどがわかりやすい。筆者が試した限りでは、ニュースサイトなどを巡回する限りでは、概ね3～4割程度の転送量が削減できるようだ。ただしSSL対応のサイト、つまりURLが「http://」ではなく「https://」で始まるサイトには適用されない。

ちなみにこの機能をオンにしても、体感的に速度が落ちるということはない。仕組み上は少なからず遅くなっていてもおかしくないはずだが、少なくとも露骨な変化は感じないので、データ転送量が減ったのはよいが使い勝手まで悪くなってしまった……という心配をする必要はなさそうだ。バッテリーの減りも、とくに変化があるようには感じられない。

ただし画像や動画は画質が若干落ちる場合もあるので、必要に応じて機能をオフにするか、あるいは本機能を使わずに後述の「Opera Max」を使って圧縮率を設定するなど、運用方法で工夫するとよい。なおここではAndroidを前提に紹介しているが、iPhoneアプリのChromeでも同様の機能があるので、iPhoneユーザーもこの機能の恩恵を被ることができる。

まずはChromeのアイコンをタップして起動

右上のアイコンをタップしてオプションを開き「設定」をタップする

「データ使用量を節約」をタップして開く

右上のボタンをオンにする。どの程度の転送量が節約できたかはグラフで表示されるのでわかりやすい

データ圧縮ツール「Opera Max」を使ってあらゆるデータを圧縮する

上記のChromeを使う方法はウェブブラウズにしか効果はないが、あらゆるインターネットアクセスに対してデータ圧縮を行ってくれるアプリが「Opera Max」だ。言わずと知れたウェブブラウザ「Opera」の開発元であるノルウェーのOpera Software社によるアプリだが、ブラウザではなくさまざまなアプリと組み合わせが可能なデータ圧縮ツールとして提供されており、最大で50％ものデータ容量の削減が可能とされている。

使い方は、Google Playからアプリをダウンロードしてインストールしたのち、アプリを起動して「データ圧縮」をオンにするだけ。あとは普通にさまざまなアプリを使うだけで、発生するデータ通信に対して自動的に圧縮が行われ、データ転送量が節約できる。

効果はアプリの種類によってさまざまだが、Chromeによるブラウジングでは、データの削減量は4～5割ほど、さきほど紹介したChrome自身の「データ使用量を節約」をオンにしていても、さらに1割ほどの削減が確認できた。SSL対応のサイトに適用されない点はさきほどのChromeと同様だが、画像や動画の圧縮についてはそれぞれ「高/中/低/OFF」の4段階から選べるので、例えば画像は高にして動画はOFFにするなど、きめ細かな設定ができる。

こちらのアプリもさきほどのChromeと同様、速度について体感的な差は特になく、ステータスバーに表示されるアイコンがなければ、機能が有効化されていることに気づかないほどだ。このアプリ自体がVPNのプログラムとみなされるため、法人でよく使われるVPN通信に対応しない点は注意する必要があるが、利用することによって大きなリスクは見当たらず、格安SIMユーザー必携のアプリと言えるだろう。

まずはGoogle Playから「Opera Max」をダウンロードする

インストールが終わったら起動し、メイン画面で右上の「データ圧縮」ボタンをタップする

Androidの警告画面が表示されるので「このアプリケーションを信頼できるものとみなします」にチェックを入れてOKをタップする

アプリごとの転送量および削減量はわかりやすく表示される。なおもともと圧縮されているデータや低画質のデータ、さらにアプリのアップデートプログラムなどには適用されない

画像および動画については圧縮率を指定できるので、画質の粗さが気になるようであれば調整も自在だ