スマホから簡単に設定＆アクセスできるNAS「ポケドラクラウド」

ポケドラクラウドはスマホでの使い勝手を第一に考えたNAS

三角柱の外観が非常に特徴的。個人的にはロータリーエンジンのローターを思い出させる


スマホのためのNASという、特徴を持つ製品ですが、その外観も非常に個性的です。膨らんだ三角柱のような形状をしており、サイズの手に平に乗るほどコンパクトです。手に持った感覚では、350mlのドリンク缶の様な印象です。NASというと、大型だとPCの様な形状をしたものから、小型だと外付けHDDのような形状をしたものを思い浮かべる人が多いでしょうが、そのどれとも違ったスタイルが新鮮です。

mineoのセット端末「DIGNO M KYL22」と比べたところ。高さはほとんど同じ


また、外側にはスイッチやコネクタなども最小限となっており、Gigabit対応のイーサネット、電源コネクタ、電源スイッチの3つだけ。状態を示すインジケーターも、前下部にLEDで控えめに表示されます。

背面のコネクタ群。左からGigabit対応イーサネット、電源、リセットスイッチ、電源ボタン


設置ですが、スマホ向けとうたうだけあって、セッティングもとても簡単です。本体をお使いのWi-FiルーターのLANポートやネットワークハブにイーサネットケーブルで繋ぎ、ACアダプターを繋げば自動的に起動して、ネットワークに接続しに行きます。

フロント下部のLEDが緑色に点灯したら正常に起動しています。そうしたら、スマホで付属のセッティングカードに記載されたQRコードからアプリのダウンロードサイトに飛んで『Remote Link Files』をインストールします。iOS6.0以上、Android4.1以上に対応しているので、mineoのセット端末ならどれでも問題なく動きます。

『Remote Link Files』がインストールされたら、アプリを立ち上げると、今度はセッティングカードの裏面の機器登録用QRコードを読み込み、しばらくするとポケドラクラウドにつながります。特に手動で設定する必要は無く、ほぼ全自動で設定が完了するので、驚くほど簡単です。

仕組みとしては、アイ・オー・データが運営する専用のウェブサービスがバックグラウンドで動いており、ポケドラクラウドが起動するとその専用サーバーに自動的に自分のIPアドレスなどを登録し、ポケドラクラウドの1台ごとの固有IDで管理されます。機器登録用のQRコードに、このIDが含まれており、アプリがそれを読み取り、専用サーバーと通信して、ネットワークの設定を自動的に読み取るという流れです。

ファイルへのアクセスはすべて『Remote Link Files』で行い、ポケドラクラウドとスマホが同じLAN内にいる場合はWi-Fiで通信し、スマホがLANの外にいる場合はインターネット経由の通信に自動的に切り替わります。

ファイルのやり取りも、シンプルなインターフェイスなので、ほとんどの人は迷うことはないでしょう。Remote Link Filesでファイルのアップロード／ダウンロードだけでなく、ファイルの削除、フォルダーを作成、ポケドラクラウド内でファイルを移動やコピーといったことができます。

Remote Link Filesのメイン画面。写真などはサムネイルも表示される。フォルダーやファイル名に日本語が使える


ポケドラクラウドは、最近のNASで増えているメディアサーバー機能にも対応しています。ポケドラクラウド写真や動画を保存すると、DLNAに対応したTVやスマホのメディアプレイヤーで、再生することができます。

ポケドラクラウドのスマホ用設定画面。スマホからすべての機能について設定できる

これまでスマホでの使い勝手を強調してきましたが、NASというだけあってWindowsやMacとのファイル共有もできます。また、面白い機能としては、外部のクラウドストレージサービスや、他のポケドラクラウドとの連携です。好きなフォルダーをDropboxなどのクラウドストレージや2台目のポケドラクラウドと、自動的に同期させることができます。1台目のバックアップとして、またすでにDropboxを使っている場合は、ポケドラクラウドへのデータ移行などの使い方ができます。

スマホではあまり馴染みがなかったNASを劇的に使いやすくしたポケドラクラウド。クラウドサービスよりも大容量で、かつWi-Fi接続時の転送速度も速いというメリットを活かすために、バックアップは自宅でWi-Fi接続時に行い、「どうしてもあのファイルが必要」という時だけインターネット経由でアクセスするという使い方がピッタリでしょう。データ通信容量が限られているmineoを賢く使いたいユーザーにオススメです。

ポケドラクラウド（HLS-Cシリーズ）仕様

インターフェイス
転送規格：1000BASE-T／100BASE-TX／10BASE-T
コネクター：RJ-45x1（Auto-MDI／MDI-X対応）

ネットワーク
対応プロトコル：TCP／IP（IPv4）
IPアドレス設定：自動取得（DHCP クライアント機能）、手動設定

一般仕様
定格：DC12V
消費電力：9.5W（最大）、8.0W（平均）
外形寸法：約85（W）×79（D）×130（H）mm （突起部除く）
質量（本体のみ）：約340g
質量（梱包時）：約610ｇ
設置方向：縦置き
使用温度範囲：5～35℃
使用湿度範囲：20～85％（結露無きこと）
保証期間：1年
各種取得規格・法規制：電気用品安全法（ACアダプター）、RoHS指令、VCCI ClassA

価格（税抜）
HLS-C500（500GB）：￥16,500
HLS-C1.0（1.0TB）：￥22,100
HLS-C2.0（2.0TB）：￥28,800