若者がアナログレコードを買っている? 再注目の理由をレコードプレーヤーメーカーに聞いた
大阪府出身。日々エッジの効いたネタを探し続けるフリーライター。得意ジャンルはサブカル、テレビ、音楽、現代アートなど。デイリーポータルZ 新人賞2017で佳作。自称・無料イベントマニア。
近年、アナログレコードが再注目されています。日本レコード協会の調査によると、2018年のアナログレコードの生産枚数は112万枚と、2009年の10倍以上。2018年には、ソニー・ミュージックがアナログレコードの自社一貫生産を29年ぶりに再開するという発表もありました。
レコード人気が復活している背景には、何かあるのでしょうか。「ION AUDIO(アイオンオーディオ)」ブランドで人気のレコードプレーヤーを数多く販売しているメーカー「inMusic Japan(インミュージックジャパン)」の、マーケティング担当・岩尾住則さん、鈴木励一さんに詳しく聞きました。
懐古趣味ではない レコードプレーヤーが再注目される理由
——ION AUDIOのレコードプレーヤーは、Amazonのカテゴリ別人気ランキングで上位に位置していますよね(2019年8月現在)。プレーヤーは、いつ頃から販売しているのでしょうか?
岩尾住則さん(以下、岩尾):「ION AUDIO」は、当社が2014年に立ち上げたオーディオブランドです。我々はもともと、DJ機器、ドラムやキーボード、DTM用機材などの楽器メーカーでして。レコードプレーヤーは市場的に後発ですが、おかげさまで順調に売上を伸ばしていますね。
——どういったプレーヤーが人気ですか?
岩尾:一番人気は「Max LP」です。スピーカーを搭載しているオールインワンのプレーヤーなので、これだけあればレコードを聴くことができます。
岩尾:次に人気なのが、持ち運べるタイプの「Vinyl Motion(バイナルモーション)」。かつてアメリカで流行ったデザインのような、レトロなイメージにしています。若い方からは、もちろん懐古趣味的ではなく、「新しいガジェット」として受け入れられているようですね。
——最近では、データをダウンロードしたり、Spotifyなどの定額ストリーミングサービスを利用したりと、音楽データをスマホなどで聴くのが主流です。そんななか、アナログレコードが再注目されているのは、どういった理由があると思いますか?
鈴木励一さん(以下、鈴木):たしかに音楽聴く際、CDなどモノを持たない人は増えました。一方で、あえて「モノを所有する」ことを求める人も一定数いる。その動きが広がっているのではないでしょうか。例えば、ジャケットを並べてアート作品のようにコレクションしている人がいると聞きます。
岩尾:色のついたレコード盤(カラーヴァイナル)を集めている人もいますね。
鈴木:レコードを聴く行為自体も、いつもの音楽体験と違い、特別なものと感じてもらっているのだと思います。若者は、アナログレコードを新鮮なものとして捉えているようですね。
岩尾:アナログ回帰の動きと、「レコード」というモノ自体の面白さ。その両面で受け入れられているんじゃないかな、と。
▲オーディオレコード/アナログディスクの生産実績(2009~2018年) 一般社団法人 日本レコード協会の公式サイト(https://www.riaj.or.jp/f/data/annual/ar_anlg.html)より引用
岩尾:日本レコード協会が発表しているように、アナログレコード生産枚数は2014年以降伸び続けています。当社はレコードプレーヤーを2014年に発売しており、この流れにうまく乗れたんですよ。
——本格的なブームの前に「アナログレコードが来る」と予測していたわけですね。
岩尾:先にアメリカでブームが始まっていたので。
鈴木:ブームが来るまで、レコードプレーヤーを買っていたのは、DJやオーディオマニアなど一部の人だけでした。でも、2012年ごろから急に売れ始めた。どうやら一般の人も買っているんじゃないか……と気づいたんです。
岩尾:別の理由として、アーティストとのコラボレーションモデルも、売り上げを後押ししてくれました。最近の例だと、ロックバンドのLUNA SEAが結成30周年を記念して、特製ポータブルレコードプレーヤーを発売しました。これは、当社のレコードプレーヤーを加工して作った限定グッズなんです。
アーティストは、アナログレコードを発売したい。でもファンは、プレーヤーを持っていない人が多い。じゃあ、レコードと一緒に限定モデルのプレーヤーを販売しよう、と。そんな流れですね。
——近年では、サカナクションや星野源、Perfumeなど、アナログレコードを発売するアーティストも増えています。彼らはどんな点に魅力を感じているのでしょうか?
岩尾:アーティストによって理由は異なると思いますが、音にこだわった結果、アナログでも自分の音楽を聴いてほしい、と考える人が多いのでしょう。ベテランになるほど、その傾向は強いと思います。
——音へのこだわりでいうと、「アナログレコードは、デジタルデータに比べて音が良い」と言われることがあります。実際のところ、どうなんでしょうか?
鈴木:CDの場合、人が耳で聞き分けることができる20Hz~20,000Hzの音(可聴域)以外をカットしていますが、アナログレコードはそれらもカットされず収録されています。もしかしたら、それらが何らかの影響を及ぼしているのかもしれません。
岩尾:音自体よりも、聴く雰囲気が大きな要素になっているような気がしますね。
鈴木:「行為に重きを置く」というか。自分でアナログ盤をのせて、針をおいて聴くのと、スマホでピッと操作して音楽を聴くのとでは、やっぱり気持ちも変わってくる。1曲が特別なものになるし、それを「良い音だ」と感じる人も多いのではないでしょうか。
——一方で、グッズとしての魅力もありそうです。
鈴木:たしかに、コラボモデル製作の依頼は増えていますね。アイドルやアニメ系のレコードも出てきているので、アニメキャラをあしらったレコードプレーヤーを発売したい、という話もありますよ。
岩尾:アーティストは「音楽をしっかり聴いてほしい」と思う一方で、アイドルやアニメ系は「レアなアイテム」としてプレミア的なグッズを世に出したい意識もあるかもしれません。
若者が新たに触れる音楽体験 レコードのこれから
——レコードプレーヤーは現在、どういった層が購入しているのでしょうか?
岩尾:カスタマーサポートへの問い合わせから考えると、当社の場合は、従来のレコードファンに加え初心者の方、若者層も多い印象です。いただく内容も「針の落とし方が分からない」など、初めてレコードを聴く時に疑問に思うような初歩的な質問も寄せられています。
鈴木:僕らからすると、当たり前すぎて想定していなかった質問も来ていて。ただそれだけに、新しい層へリーチできている手応えがあります。
——ION AUDIOのプレーヤーは、レコードに触れたことのない人が購入を検討する機種として認識されているんですね。
岩尾:当社のプレーヤーは、安いものだと7~8千円で、高校生でもがんばれば買える価格にしています。また、スピーカーにつなげる必要がなく、プレーヤーだけあれば聴けるのも大きい。そういった点が若い層にウケているのかなと。
オーディオは、なんとなく男性向けの趣味というイメージがありますよね。でも、当社のレコードプレーヤーは、女性がブログやSNSに写真を載せてくれることも多いですよ。
——その投稿を見た人が、また「欲しい」と思うわけですね。気になったのは、ひと昔前と最近のプレーヤーの違いです。新しく追加された機能などはありますか?
岩尾:いちばん大きな差は、USB端子やBluetoothですね。USBを使ってレコードからパソコンやスマホに音楽を取り込むことができますし、Bluetooth対応のスピーカーやヘッドホンにつなぐことも可能です。
鈴木:最新モデルの「PRO200BT」は、自動で針をのせる「フルオート」機能と、レコードの再生が終わってしばらくすると自動的に針が元の位置に戻る「オートストップ」機能が搭載されています。フルオート機能が付くプレーヤーは、いままでもあったのですが、かなり高価格の製品でした。当製品は、想定売価2万2,000円と、機能の割には価格を抑えています。
——レコードプレーヤーってもっと高いイメージがあったのですが、安くなっているのですね。
岩尾:もちろん、市場には高級プレーヤーも存在します。ただそれは、オーディオマニア向けの商品ですよね。オーディオや楽器はパーツにこだわって音を良くしていく趣向もありますが、ION AUDIOで販売しているプレーヤーは、逆にシンプルさにこだわっているんです。
鈴木:簡素化したとしても、レコードを聴く体験はひと通りできるようにしているので、初めて触れる方に十分満足いただけるプレーヤーにはなれているのかなと。
——2014年以降、生産枚数を伸ばしているアナログレコードですが、今後も残ると思いますか?
岩尾:現在の流れでいうと、アナログレコードの需要はもう少し広がっていく気がしています。もちろんストリーミングサービスもありますが、レコードはまた違った音楽の楽しみ方がありますからね。
鈴木:デジタルネイティブな若者が、「本当にこんな板で音が鳴るのかよ」と思いながら針を乗っけて、実際に音が鳴り、感動する。そういった、一連の体験こそが貴重なのではないでしょうか。あとはコレクションしたり、ジャケットをアートとして飾ったり……。そういう欲求はなくならないと思いますよ。
今回の取材で、若い層はデジタルとアナログの音楽体験をうまく使い分けていることがわかりました。レコードを含めたアナログ回帰の動きには、「モノ消費からコト消費」と言われるような、体験に重きを置く流れが影響していそうです。
高齢者にとっては懐かしく、若者にとっては新鮮に映る。アナログレコードには普遍的な魅力があるのかもしれません。
<取材協力>
inMusic Japan
http://www.inmusicbrands.jp/
「ION AUDIO」ブランドサイト
http://ionaudio.jp/
(編集:ノオト )
テレビでも、まだまだレコードの需要はあると言っていました。
我が家にもどこかにレコードが眠っていたような?
でも残念ながらプレーヤーはないので、もう聴くことはないと思います。
レコード針が物凄く高価だった様な気がします😅
ちょっと欲しくなったかも(●´ω`●)
うむ、すぱらし!
私が学生の頃は、アナログ衰退していた時代だったので、今の状況は驚きです。
昔、CDジャケ買いやってましたが、レコードもジャケ買いしてみたくなりました。
「ながら」でBGM的に聴くときはダビングしたカセットで。
最近のホコリ取りや静電気対策はどうしてるのかが気になります。
年齢がわかってしまう・・・。
ソノシートって言うのは大人になってからしりました。
ジャズをレコードで聞くと凄く良いですよね。
コーヒーを飲みながレコードでジャズを流してくれる喫茶店が、もう、何年も前に潰れてしまったorz
3年ほど前、本体側の再起不能な故障により、一体型やった故に廃品となってしまいました。
しかし、プレーヤーだけは元気やったので、ヤフオクで入手したミニコンに接続して楽しんでます。
CDを探すより、アナログ盤しか発売されてない様なアルバムを探す方が楽しいですね〜。(^_^)
私はレコード盤は見たことがありますが、プレイヤーで聴いたことはありません。
ですので、私も針の落とし方を知りません。
紹介されていた会社のレコードプレイヤーの値段が控えめで、少し意外でした。
中古のプレーヤーを探してみると、スピーカーなど接続が必要なタイプのもの、交換用のレコード針が出回っていないものなどがあり、予備知識が必要だと実感しました。
新しく出回っているオールインワンのプレーヤーなら初心者でも安心して扱えそうですね。
早速、調べてみようと思います。
駄文失礼しました。
パカっと開いてレコードを挟むハンバーガータイプで、USBとSDカードへのmp3出力もできます。スピーカーも内蔵されています。33、45、78回転に対応しています。小さいので書棚に立てて収納なんていう荒技もできます。
ただ回転が安定しない時もあります。それにターンテーブルが小さいのでレコード全体を平らに押さえることができません。なので、たわんでいるレコードはそれなりに音もたわんで聞こえるというレトロ風味を味わえます! ←ホントは味わいたくないんですけど。
ていないと思います。
一体型プレーヤーでレコードの良さがわかる訳がありません。
良いターンテーブルとアンプとスピーカーの組み合わせで良い音楽を楽しんでいる若者が多いかと思います。
ライターさんの懐古趣味ではないと言われるなら尚更です。
次はレコード針ですか、真空管ですか、蓄音機ですか、楽しみです。もう出てますか?
アナログ回帰は大好きです。
ちなみに、レコード盤をターンテーブルに密着させるための真空ポンプつきのプレーヤーもありましたね。
録音~再生の過程が全て
「振動を電気に変え、電気を振動に変えるの繰り返し」
で成り立っていますので
「音楽」との相性が良いのでは?と感じます~。
レコードだと高機能機種を除いてスキップしずらいのでアルバム全曲を聴くのには
いいと思います。
賛否両論あると思いますがアイドルのジャケット欲しさでもレコードが普及するきっかけ
になればもっとブレイクする可能性を秘めているかと
まずはハードが普及すればソフト部分のレコードの市場は広がる訳ですから
きっかけはともかく何がブレイクスルーになるかが重要かと思います。
緊張しすぎて、大好きなレコードなのに針を戻すときギーって傷を付けてしまった悲しみも、思い出しました。
懐かしいなー。
沢山集めたレコードまだ持ってます。
プレーヤーを買いたくなりました。
CDが可聴域以外を切ってあり、アナログレコードはそいうことはせずにしてあるという事実は初めて知りました!それを聞いてなるほどなぁと思いあたる感じがあるのは私だけではないのでは?と思いました。今の若者がレコードに魅力を感じる一因になってるかもしれませんね。
レコードに針を置いてから曲が始まるまでの間のちょっとした雑音も懐かしいです。
ピンクレディーやキャンディーズ、沢田研二に始まり、初めて買った外国人歌手のレコードはアバでした。それらがまだ実家に眠っていて、近々処分しようかと思っていましたが、また針を置いてみたくなりました…
あ、レコードプレーヤーがなかった!笑
規格が決められていて
現在ではほぼ限界に、
来ているそうです。
(デジタル放送よりも
規格的には下になります)
アナログはまだ限界に
到達していないのでは
無いかと。
理想の再生装置と言うのが
動かなくてはいけないけど
動いては困る、
みたいな
いろんな矛盾をクリアしないと
りけないので、
レコードてもCDでも
収録された本当の音を
聞いたのことある人は
ごく少ないのかも知れません。
浪漫ですね😅
でも最安で7〜8千円でびっくり!
ちょっと考えようかな…
レコード自体は親が置いているのがあるみたいではありますが(^^ゞ
80年代前後の懐かしいレコードが沢山あり
ジャケットを見ているだけでも楽しかったです。
サンスイ「SMC-300BT」真空管とデジタルのハイブリッドアンプ搭載CDステレオです。(ネット通販で2万数千円)💿
レコードプレーヤーはないのでMaxLP をつなげて聴きたくなりました。🔊
あっ!レコードは処分して持って無かったわ(^o^;)
たしかに、ただ聞くだけならオールインワンの方が楽でいいかもしれませんね。
カートリッジを取り替えたりする楽しみもありますが、便利すぎる今、そういうめんどいことは敢えてしなくて良くなりましたからね
私は平日の夜帰宅後、中島みゆきをかけるのが好きです。
疲れたときは世情、そうでもないときは時代を流してます。
敢えてレコードを選択します。
音の厚みから違いますから
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#マイネ王5周年おめでとう!
ありがとうございました。
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#マイネ王6周年おめでとう!
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#マイネ王7周年おめでとう!
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#マイネ王9周年おめでとう!
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. #mineo10周年おめでとう!