"喫茶もふもふダンジョン" ㉒

クロハナさん

マスター

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んあ？ とゴンが阿呆のような顔つきでコマに「別に鼻おはぎでもいいZE？」とキレの良いレスラーのポーズをしてみせた。
ゴンの心無い中傷に、クロハナは瞳に涙を浮かべた。そして前足で顔面を覆うと、そのまま崩れるように絨毯に突っ伏した。
「うっ…うううう！ 酷い、酷過ぎるわ！ いくらなんでも、鼻饅頭だなんて！」
クロハナは全身を震わせながら泣きじゃくった。
「クロハナさん。クロハナさん」
茶々丸が慰めるようにクロハナの背中を擦ると、ゴンに向けて蔑みの視線を送った。コマはどうすればいいのか分からず、その場に固まっていた。
するとそこに、先ほどの全身が黒一色の猫が姿を現した。
「あっ。やっぱりチャチャだ」
その猫は茶々丸に声を掛けたが、当の茶々丸は一瞬誰なのか判断がつかなかった。
「え？ーーアナタ？」
そう。その猫は、茶々丸の旦那である白丸だった。チャームポイントである鼻が黒かったものだから、すぐに気が付かなかったのだ。どうもブラックコーヒーをマズルごと浸けながら飲んでいたらしい。茶々丸はバッグからハンカチを取り出すと、白丸の鼻周りをゴシゴシと拭いてあげた。
（続く）

これ以上ありません。