🍑コマ太郎③🍑

クロハナさん

マスター

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「アタシなのよ、コマさん」
引き戸からそっと現れたのは、三毛猫の色合いをした猿姿のミイコだった。
「これまたずんぐりむっくりね。まあいいわ。そんなら出発しましょうか。なんでキジだけ固有名詞なの、なんて言ったらありきたりで怒られそうだからね。おばあさん、桃太郎の服は？ あるの？」
おばあさんはコマに桃太郎の服と旗を渡した。
コマの桃太郎はとてもサマになっていた。
「いいわね、コマさんだけマトモで。アタシたちなんかまるで妖怪一族じゃないの」
クロハナ（キジ）がぼやいた。
「あんたたち、ちゃんときびだんごとか持ってるの？ ワープに惑わされたりしたらシャレにならないわよ」
「コマさんが持ってなきゃおかしいのよ。はい、コレ」
茶々丸（犬）がきびだんごをコマの腰に括った。
「さあ！ 行くわよトンチンカン三匹組！ いざ鬼ケ島！」
コマが勇ましく旗を突き上げた。
「誰がトンチンカンなの。失礼しちゃうわ」
最後にミイコがため息をついたのであった。
（つづく）

これ以上ありません。