柴犬型スマホ充電スタンドを作ってみたら…癒されるけどデカかった

何かこう、フワッとした、やさし～い物体の上に乗っているといいと思うのですよ。
私にとって「フワッとした、やさし～い」物体、そうそれは「犬」一択。

うちの犬です。こういう犬の形をしたものの上にスマホを置いて、やさし～く充電できれば、寝つきも良くなって、お部屋もやさし～い雰囲気になるのではないでしょうか。犬型スマホ充電スタンドです。では作ろう。

ただし、うちの犬をモデルにするのは手前味噌な気がいたしますし、夜にスマホを手探りで取らねばならない事態になったときに、黒いと見えにくいかもしれない。
そんなわけで、犬といえば誰もが一度はイメージする「柴犬」をモデルに、こういうラフを描きましだ。これを見ながら作っていきたいと思います。うちの犬には嫉妬されそうだ。

素材は、ぬいぐるみも検討したんですが、やわらかく作るとスマホを固定しづらく、だいいちぬいぐるみのパターンを起こす能力も私なかったわ。というわけでスタイロフォームという、断熱材やまさにこういったプロダクトのプロトタイプ作りに大いに活躍する素材を使って、おおよその柴犬の形にまずは切り刻んでいきましょう。

ラフ、そしてスマホの大きさを基準にしながら、素材に下書きをしていきます。

ざっくり切っていくときは、電熱式のスチロールカッターで。慣れると気持ちいい。でも気持ちいい時間は長くは続きません。そういうものです。

切り落とした断面にも、随時ラフを描き写して目安にしていきます。途中から割とどうでもよくなるがな。

サンルーフ付きのミニバン彫ってるわけじゃなくて、柴犬です。お気づきでしょうが、この充電スタンド、すごくでかいです。これでもラフ画よりは体長とか顔の長さとか切り詰めて省スペース化を図ったんですけど、耳やしっぽつけたら一体どうなってしまうんだ。

マイネ王の中の方々と事前の打ち合わせで「商品化できるものがどんどんできるといいですね！」「オーイェー！」なんて盛り上がってたんですけど、これを量産するとか考えると頭がクラクラしてきました。あまりその辺は考えずに最後まで走っていきましょう。

なんだか、生み出してはいけないものを生み出してしまった気がするのは気のせいでしょうか…。早く柴犬にしないと、別の何かに変化して仲間を異界からどんどん召喚しそうな、たたずまいですね☆

ここはきっちり作りましょう。スマホ置き場です。ここにはかわいさゼロで、機能重視で注力します。

画像だと、いじめてるようにも見えます。

彫刻と並行して、部品も仕上げていかねばなりません。今回、「首輪からリード紐に見せかけた充電ケーブルが出ている」という仕様でして、そのためには首輪とケーブルをおそろいの色にしたいのです。

染色スプレーで、家にあったケーブルと合皮布を赤く染めていきます（ケーブルの端子はもちろんマステでふさいで。写真の青いベルトは濃色なのでうまく染まりませんでした）。

それではさっきの物体Xをかわいい柴犬にしていきましょう。やり方としては「原毛フェルト」をひたすらぶっ刺していくという手荒いものですが、その前に。下地の日用品チックな水色を隠すため、柴犬の地肌を想像してアクリル絵の具で塗っていきましょう。

塗ったのがこちら。耳と後ろ足も密かに別パーツで作っていたのでした。

これで完成にしたい気もする。なぜならこれから、1本の針で全体に植毛しまくっていくんだぜ。私にもこれからどうなるかわからないぜ。

柴犬らしい色の原毛フェルトを集めてみました。これらフェルト糸を少しづつちぎっては投げ、じゃなくてちぎっては刺し、ちぎっては刺しの作業になります。

とにかく、刺すべし！

微妙な色の変化もあらわさんと、刺すべし！刺すべし！

柴犬のおケツ、通称「柴ケツ」も容赦なく刺すべし！プリケツを目指して刺すべし。

おぅ…なんか痛そうだ。すまん柴犬。

最初、野沢雅子さんを彷彿とさせるフェルトを使っていたんですが、柴犬っぽくなくなってしまって、引き剥がすところ。後から別の柴犬色を買い足しまして再スタートです。ちょっとトーンダウン。

刺してるとどうしても巻き毛みたいになってしまう…大丈夫だろうか？仕上がったらキャバリエとかになっていたりしないか。まあそれでもかまわないんだけども。

ここに何層か重ね、いっそう回数を多く針を入れることで、なんとか均一に近い（柴犬に近い）毛並みになっていきました。

機能面も充実させねばなりません、おお忙しい忙しい。
ここが一番やっかいでした。ケーブルをどうやって、柴犬と一体化させるか。

私いま何て言いました？「ケーブルをどうやって、柴犬と一体化させるか」って言ったね。

なんだそりゃ。

この辺で私の悪い癖、「いきあたりばったり」が登場してきましたよ。
すでに毛を埋めた箇所を大手術しなければなりません。

いったん、首元の組織を全切除です。

この中に空洞を作って、ケーブルを埋め込んじゃいます。

もしケーブルが将来断線したら…また大手術だな。ぼんやりと思いつつ、組織を元に戻して接着。

各パーツも、スチロール用接着剤で貼り付けていき、毛並みをなじませるためにまた植毛。

さてスマホを乗せる箇所ですが、ここは生体っぽくしないであくまでツール感を出そうと、フェルト布を敷くことにしました。自分で言うけど、ナイスジャッジに惚れぼれ。

おっと、鼻も別パーツだったんですよ。最初に体長を縮めたとき、鼻の存在を忘れてたんです。わはは。バッドジャッジにガッカリ。

ここは「おはなツヤツヤ！」（「いとしのムーコ」より）な感じを出すため、黒く絵の具で塗ったあとにアクリルニスでてからせます。

首輪は結局、染めた合皮を切って貼って、縫い目はペンで書きました。わはは。

微妙な濃淡は、ここも絵の具でズルしちゃいます。適材適所。

あのクルン！としたしっぽ、そこだけはどうしてもフェルトで表現できなかったので、家にあったボア布でぬいぐるみ的に縫って作ってしまいます。適材適所！

各パーツを組み合わせて、おお、ついに…あの物体が、ふわふわな柴犬に生まれ変わったのだった！！

寝てます。充電中はスマホともども、寝るのです。犬はとにかく寝るもんだ。

お顔。多少、寸詰まり感は否めませんが、幸せそうに寝ているぞこのやろう。

柴犬スマホスタンドの、プリケツだ！いや～ん♪

ベッド脇に置いてみました。おお、なんと癒されることよ…

本当は、充電完了！となったらこいつも目をパチッと開けるとか、立ち上がるとかいうギミックを付けられればいいなという夢はあるんですが、それは後世の若者に引き継ぐことにしましょう。

ケーブルで引いて散歩させることもできます（※断線するから本当はダメだよ！）。

うちの犬はじゃれるでもなく、固まってました。すまん、うちの犬。

というわけで、子犬とか豆柴くらいの実物大の勢いになってしまった「柴犬スマホスタンド」、ですが寝室の雰囲気作りにはピッタリかと思います。犬を飼えないというお宅にもぜひ。散歩もできます。

「柴犬型スマホ充電スタンド」を1名さまにプレゼント！

乙幡さん渾身の「柴犬型スマホ充電スタンド」を1名さまにプレゼントいたします！！

応募方法
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応募期間
2017年10月27日（金）～2017年11月8日（水）

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