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環境音アプリより「リアルな波の音」のほうが快眠できる? 海岸で一晩寝てみた

環境音アプリより「リアルな波の音」のほうが快眠できる? 海岸で一晩寝てみた

たかや
ライター: たかや
1993年生まれ。ライター。記事の撮影はスマホのカメラを使うことが多いので、スマホがないと生きていけない。

こんにちは。ライターのたかやです。

僕はやたらと寝つきが浅く、やっとこさ眠りにつけても数時間後には目が覚めてしまうという、中々に悲惨な睡眠スタイルを送ってまして…。そのため、寝る前にはスマホで環境音を再生しています。「波の音」は定番ながらも外せませんね。

そんな日々を繰り返しているうちに、ふと、こんなことを思うようになりました。

スマホで環境音を流すよりも、直接「波の音」を聴けば、もっと眠れるんじゃない???

オーケストラの演奏然り、バンドのライブ然り…。いくら録音技術やオーディオの品質が向上している現代とは言え、「生音」に勝るものはありません。

スマホのスピーカーから聴くだけでもあれだけ落ち着く環境音。それを生で、ダイレクトに耳に入れたら、睡眠の質にどのような変化をもたらすのでしょうか。

夜の海岸で寝る僕

そこで、「海岸で一晩眠ってみたら、いつも以上に眠りにつきやすいのか?」を検証しました。

※事前に海岸管理者に連絡した上で撮影を行いました。

逗子海岸に来ました

そんなわけで神奈川県の逗子駅に到着。

三浦半島の付け根に位置する逗子市。都心部から電車で約1時間半とアクセスも良好…。

そして、逗子駅から程近い場所にあるのが、今回の舞台(寝床)となる「逗子海岸」。

毎年夏には多くの観光客で賑わい、関東でも人気の高い海水浴場です。

また、ウィンドサーフィンなどのマリンスポーツが盛んな海岸でもあり、多くのサーファーに愛されているんだとか。撮影は9月中旬に行ったのでシーズンは若干過ぎていますが、それでも、ウィンドサーフィンを楽しむ人が何人もいました。

海…

気持ちいい~!

「灼熱」という程でもなく心地の良い気温。そして、肌をなでる潮風。

久しぶりの「海」に問答無用で心が躍ります。

綺麗な貝殻、見つけちゃった♡

ひとしきり海岸を堪能したあとは、腹ごしらえ。

海に来たけど、あえての肉。それこそが、“真の贅沢”ってぇヤツだと…思うんすわ。

入眠の準備

いきなり心霊写真みたいになってすみません。

時間が一気に進んで、時刻は夜7時過ぎ。いよいよ、今回の本題である「海岸で一晩寝てみる」の検証に移ります。

まずは、布団の準備。

なお、今回は「いつもの睡眠環境との比較」が目的のため、寝具は私物を使用します。先ほど「都心部からのアクセスも良好」と書きましたが、敷布団・掛け布団・枕を抱えながらの電車移動は、良好どころか最悪なので気を付けてください。

敷いて数秒で布団が汚れた。もう嫌だ。

寝間着も私服のスウェットで

そして、「夕食」「漫画を読む」「歯磨き」「化粧水を塗る(スキンケア)」と、いつも通りの睡眠前のルーティーンも。限りなく普段の睡眠と近い状態に近づけます。

波打ち際と枕元の距離は約2m。しっかり安全を保ちながらも、可能な限り波音を近くで聴けるギリギリの間隔となっています。

ちなみに、腕には「スマートバンド」も着用。このスマ−トバンドで「自宅での睡眠状態」と「海岸での睡眠状態」の比較をしたいと思います。

スマートバンドで計測した普段の睡眠状態

スマホから環境音を流して眠っている普段はこんな感じ。リアルな波の音でどれだけ改善されるのか!?

さぁ、いよいよ調査開始!

21時

時刻は21時過ぎ。カメラマンとして同行していた担当編集は駅近くの宿に戻ったので(ざけんな)、ここからは完全な一人の状態でお送りします。

ザザーン………。ザザーン……。

ザザーン………。ザザーン……。

ドッパーン!!!

怖(こ)っわ

枕元から波打ち際までの距離、約2m。波音がダイレクトに鼓膜に響きます。ハイレゾとかのレベルじゃねぇぞこれ。 

また、環境音アプリの波の音は「ザザーン…ザザーン…」と平坦なリズムで心が落ち着きますが…。リアルの波の音は「ザザーン…ザザーン…ドッパーン!!!」と、破裂音にも似た波の音もやってくるので、まっっったく落ち着かない。なんていうか、数秒ごとに怒声を浴びせられる感覚。

そもそも夜の海、あまりにも恐ろしすぎる。海というよりも、とてつもないほどに大きな黒い生き物って感じがある。昼間はあんなにも優しかった顔が、夜になると途端に豹変。その姿は、容赦なく「死」を連想させます。

状態としてはこれ以上ないほどの「オーシャンビュー」なのに、オーシャンビューもクソもない。

もう家に帰りたくなってきた。

海の反対側

海の反対側が国道なのが、まだ救いになってる。この時間帯なら、車も人もたくさん行き交ってるから、孤独感もそこまで感じません。

……いや、違ぇわ。こっちから見えてるってことは、向こうからも見えてるんだわ。クソ恥ずかしいんですけど。

っていうか、僕からそこそこ近い場所で家族が花火もしてるし。あと、この時間の夜の海岸って犬を散歩してる人とか、カップルとか、人がそこそこ歩いてる。さっきなんか、僕の枕元をデッカイ犬が横切りましたからね。この寝室、オープン過ぎる。

快眠空間とは程遠い環境。これ、ほんとに寝れるのかな…。

0時

寝れた。

気づけば、なんかふつうに寝てた。22時ぐらいまでスマホを見てた記憶があるので、約2時間ほど寝ていたようです。俺、こんな状況でも寝れるんだ…。

まぁ、気候自体はめちゃくちゃ良かったんですよね。熱すぎもせず寒すぎもせず、心地の良い秋の夜長。案外、スッと眠りに入れる状況でもあったわけです。
っていうか、いつも六畳一間しかないクソ狭アパートで寝てるし、解放感があるって、けっこう快眠の上では大切なのかもしれない。

深夜0時の星空

うわ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。

感動。正直、海といっても関東だし星は見えないと思ってた。これは予想外のサプライズ。起きてすぐ、満点の星空が見れる。海岸で寝てみたからこそできた経験です。

………ん?

波、近くなってね?

………あっ。満ち潮が近づいてるんだ。

0時30分

深夜0時過ぎ。満ち潮の怖さで一気に目が覚めてしまったので、海岸付近を散歩することに。

こういう、地元にしかないささやかなスポットを発見できたときって、なんか嬉しくなりますよね。

ピクルスの自販機。オシャレ

真夜中に知らない街を手ぶらで散歩。

これこそが旅の醍醐味だと思うわけです。昼間に人がごった返す場所を観光するのも良いけどさ…。案外、こういう瞬間が、旅の一番の記憶に残るかもしれない。

…まぁ、今回、旅じゃないんだけど。ふつうに旅行で来たかったな…。

1時

ふたたび、我が家(砂浜)に戻ってきました。

街中を散策したから多少の疲れもあるし、コレ、もう一度眠るのもけっこう簡単かもしれないな。

2時

雨降ってきました。

ふざけんな。

3時

小雨になりましたが、まったく眠れません。

波の音には慣れてきたんですが…。この時間帯になると、今度は海岸対面の道路からトラックの走行音が気になってくる。「こんな早朝から働いているトラックの運転手さん、本当にお疲れ様です」と畏敬の念を抱きながら、僕の目もどんどん冴えていく。

あと、これだけ海岸にいると、身体中がベタついてくるから、不快感が半端ない。髪も顔も腕もベタベタする。服も汗臭いし…。

シャワーを浴びたい…。新品のジェラートピケみたいなモコッモコのパジャマに着替えたい…。クーラーのきいた自宅に戻りたい…。

4時

段々と空が白んできた

嘘嘘嘘……。あれから一睡もできてないんだけど…。

そして……

5時

おはようございます

時刻は朝5時。完全に太陽が出てきたました。遮光カーテンでもあればまだここから眠ることもできるんでしょうが、海岸なので当然カーテンなんて存在しません。おはようございます。

6時

朝焼け

この朝焼け、マジで感動した。写真では伝わり切らないかもですが、今回、一番「自然ってすげぇ」ってなった。

……徹夜じゃなければもっと感動したけど。

もうヤケクソ

イエーイ

7時

朝7時になると地元の人やサーファーの人が海岸にやって来たので、検証もここで終了となります。

8時

朝8時。宿で一晩グッスリと眠ったであろう担当編集と合流。

このときほど担当編集に怒りを感じた瞬間はない。

検証結果

さて、そんなわけで検証は、(一応)無事に終了できました。

海岸で一晩過ごしてみた、僕の素直な感想がコチラ。

  • リアルな波の音は、ヒーリング効果よりも恐怖のほうが勝る。
  • 環境音アプリで聴く波の音と違って、定期的に「ドッパーン!!」と、怒声にも似た大きな音がやって来るから心がマジで落ち着かない。
  • そもそも、夜の海、クソほど怖い。簡単に「死」を連想させる。
  • 海が黒いって怖い。
  • 海岸で寝ると他の人の目も気になる。恥ずかしい。
  • 目の前をカップルが通ったときは本当に惨めになる。
  • 潮風が原因なのか、顔と髪がすぐベタベタしてくる。
  • 満潮が気になってなかなか眠れない。
  • 寝返りを打つと布団の中に砂が入ってくるから最悪。
  • 解放感は半端ない。
  • 解放感があると、眠りやすいのはある(個人差はあるだろうけど)。
  • 9月の夜の海、気候がちょうどよくてすごく気持ちいい。
  • 夜の海岸沿いの散歩、最高。
  • 星空に感動。
  • 明け方になると、トラックの走行音も気になってくる。
  • 朝焼けに感動。

そして、肝心のスマートバンドで「睡眠状態」を計測した結果ですが…

睡眠時間が短すぎたのか、正確なデータを計測できませんでした。寝てない時間も寝たことになってる…。

申し訳ありません…。

いかがでしたか?

今回は、日頃から自宅で環境音を聞きながら眠っている僕が、海岸でリアル環境音を聴きながら一晩を過ごしてみました。

まぁ、おそらく読者の皆さんも予想していたでしょうが、環境音はスマホで聴くだけで充分ですね。環境音アプリとかすごくたくさんあるし、みなさんも活用してはいかがでしょうか(投げやりなまとめ方)。

余談

そう言えば、朝起きて気づいたんですが…。

僕が寝ていたすぐ近くで

フグが打ちあがってました。逗子、すご。

画像

編集:ノオト


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257 件のコメント
158 - 207 / 257
流石に寝れないでしょ 笑
いやー、もうこれは、お疲れ様でございましたとしか言いようがありませんね。よくやってみてくださいました。素晴らしい挑戦だと思います。読む前は、ひょっとして案外ぐっすりと眠れたりするのかななんて思っていたのですが、現実はやはりそんなに甘くなかったということですね。ほんとにご無事でよかった。
もう少しだけお金をかけて、高床式の寝床を作って、満潮に備えて・・・、やっぱり少しかわいそうですね。
眠れるのかな?不思議
面白かったよ〜
ぐっすり眠りたいなら、ヤクルト1000飲んだ方がいいですよ!
もっと人がいない場所選べばいいのに〜(笑)
満ちて流される落ちがあるのかなと
期待してしまいましたが・・
無事で何よりです。
私は隣家のエコキュートに悩まされ
土砂降りの日が一番安眠できた。
今では動画やラジオを垂れ流してると
いつの間にか寝ることができるようになった。
そりゃ~ 環境音より生活音のが大きくなるわな~
山の中の滝の近くなんてのはどうですか?
神奈川の海岸に住んでるホームレスいたけど、彼ら相当強いハートを持ってるんだな…検証お疲れ様でした!
発想が素晴らしい。真似したいです。
夜寝に行ったのに朝焼けが綺麗というのが面白かったです。
豆腐メンタルだから眠れなかったのかな。
夏場の海の家が建っていた場所に布団敷いたら波も怖くなかったかもしれない。あと潮風でのベタベタや砂がうざいのは海だし想定内🤣でも面白かったです。
海沿いの民宿に泊まった際、似たような感覚でした。環境音もボリュームに注意😅
別な日ですが、元朝参りの後、初日の出を見るため、海岸沿いの駐車場で待っていた時の、満天の星空に絶句して、頬がかじかむまで眺めたこともありました。
若い時の私の週末じゃん!
(昔は時々、海岸や湖畔でキャンプしてた)

ていうか、ライターさん、カメラマンと二人分+民宿代が賄えるぐらいの委託料?があるのとは!!!

意外とたくさんもらえるんですね。
(いっぱいもらえるぐらい続けてきた持続力もすごいです)
やってみたくてもなかなか行動には移せないので、羨ましいなあ。
波の音も良いけど焚き火の音や雨の音も良いですよ!すぐ寝ちゃいます😴
すごい行動力ですね
布団に砂がかからないよう大きなブルーシートでも敷ければその辺のストレスは減ったかもですね。
人の往来とかトラック走行音とかのストレスは同じ海でも場所を選べればクリア出来たかも。
夜の海は本当に怖いです。フェリーに泊まった時に甲板で夜の海を見たらあまりの怖さにすぐに室内に戻りました。
でも星空と朝焼けはとても羨ましい。
その時期の屋外は個人的に蚊問題があるので長時間外には居られないのが悲しいです😅
大変な企画お疲れ様でした👏
フグが打ちあがってる姿おもしろかったー
体を張った企画ですね。身の回りの安全も確保して体調に気をつけて!と思いました
実際、動画の音で寝てみたりしていたので興味深い記事でした。
夜の海って怖いですよね。
まさか本当に海の側で寝て検証されたとは、タイトルを見た時点では思いませんでした。お疲れ様でした。
リラックスできそうですね。
次に住むのは海の近くにします。
 身ぐるみ剥がされて、海に放り込まれなくてよかったですね。
(^thank^)/♪🦉
検証の仕方が危険過ぎませんか?事故か無くて良かったです。
お疲れさまでした😊
おもろい企画だね。
朝焼けすごく綺麗!意外と弊害が多くてびっくりしました笑
検証ご苦労さまでございます。
まさかの生布団とは草 許可済みなら、テントかせめて防水のサンシェード持ち込めば、通行人も気にならなかったと思います😊
でも大変面白かったです!
行動力素晴らしけど、くれぐれも安全第一にね!
波の音を聞くにも少し 海に近すぎたね
なかなかせめた内容でしたね…!!笑
体はってますねー(o^^o)
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