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火災防止のために定期的に見直したい! コンセントのつなぎ方の危険な例・正しい例

火災防止のために定期的に見直したい! コンセントのつなぎ方の危険な例・正しい例

神田匠
ライター: 神田匠
気さくで明るいライター・編集者。サンリオなどかわいいものが好き。

スマホやPC、タブレットなど電子機器と切っても切れない関係のコンセント。いくら家電やITガジェットが進化しても、充電・給電ブラグをつなぐコンセントは昔からずっと変わりません。

そこでついついやってしまいがちなのがタコ足配線。ひとつのタップに多くのプラグを差すと過電流で火災につながるなど、思わぬ事故が起こるおそれも。

「タコ足配線ってどういう状態のことを言うの?」「事故が起きないためにはどういうことに気をつけたらいい?」「コンセント周りで役立つガジェットは?」など疑問はつきません。

そこで今回は三角タップやコーナータップなど、コンセント周りのサプライ用品を製造・販売しているサンワサプライの広報担当に、コンセントを使うときに知っておきたいことについてお話を伺いました。

そもそもタコ足配線ってどういう状態?

——タコ足配線は危ないと言いますが、なんとなく「コンセントにたくさん差さっていると危ない」というぼんやりとした認識です。どの状態がタコ足配線になるのでしょうか。

サンワサプライ広報
まず、1つのコンセント(壁などに埋め込まれた差込口)に、差込口を増やす三角タップなどを1つ付けている状態は、タコ足配線とは呼びません。

この状態は、タコ足配線ではない

タコ足配線とは、同じコンセントから三角タップや電源タップを複数使用する状態のことを指します。三角タップの上にさらに三角タップを付けている状態もタコ足配線になります。

タコ足配線の例(コンセント → 電源タップ → 三角タップと、複数使用している)

タコ足配線の例(三角タップの上に三角タップをつけている)

——デスク周りのコンセントに電源タップをつないで複数の電子機器を接続しているのですが、その場合は大丈夫でしょうか?

サンワサプライ広報
プラグが抜けかかっていたり、家庭の定格電流を超える使い方をしたりしなければ大丈夫でしょう。電源タップにもコンセント口数が多い製品がありますが、その全てにプラグを差して使っている場合でもタコ足配線とは呼びません。ただ、電源タップを2つ連結するとタコ足配線になります。

タコ足配線の例(電源タップを連結している)

——じゃあ家のほうは大丈夫でした……。タコ足配線をしてしまうとどのような危険があるのでしょう。

サンワサプライ広報
大きく2つあります。1つ目は「過電流」です。

一般的な家庭のコンセントの定格電流は15A(アンペア)です。タコ足配線をすると、使用している機器の合計使用電流がわかりにくくなり、15Aを超えて使用してしまうおそれがあります。そのような過電流の状態で使用を続けると、コードやプラグ、タップの絶縁物が熱くなり、樹脂の耐熱温度を超えて発火に至る危険性があります。発熱量は流れる電気の2乗なので、電流が多く流れるほどそのぶん熱を持つのです。

また、電源タップや三角タップには、15Aではなく10Aや12Aなど定格電流が小さい製品もあります。そのような製品を組み合わせて使っていると定格を超えていることに気づきにくくなります。そのため、使用しているタップや機器の定格電流の容量を確認することが大切です。

一般的なコンセントの定格電流は「15A」

——タコ足配線が招く危険、2つ目は何でしょうか?

サンワサプライ広報
2つ目は「電気接続部の増加」です。

1つのコンセントの口に三角タップを介して多くのプラグが差し込まれた状態になると、コードの重みなどによりプラグが少し抜けかかった状態になりやすくなります。そのような状態で使い続けると、むき出しの接続部を触って感電したり、ほこりなどが接続部に触れて発火したりと予期せぬ事故が起こる危険があります。タコ足配線が危ないのはもちろんですが、使っているプラグがちゃんと奥まで差さっているか確認するようにしましょう。

——ちなみに、最近は「USB扇風機」などUSBコネクタに差し込んで使う周辺機器も増えています。USBもコンセントと同様でしょうか。

サンワサプライ広報
そうですね。USB充電機能付きタップにUSB給電の周辺機器(USB扇風機や充電バッテリーやスマホ充電器など)を差した時、電源タップのUSB出力がオーバーしていると、過電流が原因でタップからの出力がストップしたり(過電流保護機能があるタップの場合)、発熱による不具合が起こる可能性があります。ですので、USBについても電源タップに記載された出力以下で使用してください。

コンセントから出火する理由と対応策

——発火の話が出ましたが、出張などで家を空けるとき、「家にいない間にコンセントから出火して火事になったら」といつも不安になります。コンセントから出火するのはどのようなときなのでしょう。

サンワサプライ広報
タコ足配線のほかに、コンセントが出火の原因となるケースをいくつかお伝えします。

まず1つ目に、「コンセント部のほこり」です。コンセントにプラグを長期間差していると、隙間にホコリや髪の毛などのゴミが溜まってしまいます。そこに湿気が加わり漏電することで出火の原因となります。これを「トラッキング現象」と呼びます。電気製品を使用していなくても、コンセントにプラグが差さっているだけで発生します。

具体的にはプラグが炭化することで火花が生じるケースが考えられます。ですので、コンセントやプラグのほこり掃除を定期的におこなうようにしましょう。特に湿気が多い季節は気をつけたほうがいいですね。また、使わないコンセントをふさぐことも事故防止につながります。プラグと刃の根元を覆ってほこりや湿気から守る「安全カバー 」やコンセントにフタをする「コンセントキャップ」など便利なアイテムもあるのでぜひ活用してください。

安全カバーとコンセントタップ

2つ目に、「差込口の火花」。家電や電子機器のスイッチがオンになった状態でコンセントを差すと、多量の電力が一気に流れて火花が出ることがあります。飛び散った火花が周りに引火するおそれがあるので、コンセント周りには燃えやすいものは置かないようにすべきです。コンセントにプラグを差すときは必ず電源をオフにしてからにしてください。

3つ目はまれなケースですが「落雷」です。雷が落ちると瞬間的に高電圧となり、過剰な電流が流れることで火花が出てしまうのです。雷サージ対応のコンセントを利用したり、雷が鳴ったときはプラグをコンセントから外したりすると安心です。使わない家電や電子機器はコンセントにつながないことが予防策となります。

——怖い……。もしコンセントから出火したときはどうしたらいいですか?

サンワサプライ広報
コンセントから火花が出た時には、まず室内のブレーカーを落とし、次にコンセントからプラグを抜きます。しかし、ブレーカーを落としたあとも焦ってすぐに素手でプラグを抜くのは危険なので、少し時間をおいて抜くようにしてください。その後は、専門の電気工事会社にしっかり点検してもらうようにしましょう。

——肝に銘じます。その他に気をつけたほうがいいことはありますか?

サンワサプライ広報
古いタップを使い続けていると、内部劣化により事故が起こる危険性が高まるので、定期的な買い替えを推奨します。電源プラグは消耗品です。見た目に異常がなくても内部が劣化しているおそれがあります。取り替え時期のチェックポイントは次の5つです。

もし、どれか1つでも当てはまるようであれば、トラッキング現象による火災を防ぐためにお早めの買い替えをおすすめします。目安としては3〜5年使用しているものは買い替えたほうが無難です。

——すぐ家の電源タップをチェックします!

節電需要に備えた最新電源タップも

——電源タップはとにかく使えればいいやとテキトーに選んでしまっていました。サンワサプライさんのおすすめ電源タップを教えてください。

サンワサプライ広報
電源タップは、機器をたくさんつなげるよう差込口が多いタイプのものや、トラッキング火災や雷被害を防ぐようなものなど、用途に応じてさまざまな種類があります。最近注目されているのは、環境に配慮し、節電に役立つ機能を備えた電源タップです。

タイマー設定が可能なタイマーパネル付きの電源タップ

こちらの「コンセントタイマー」は、差込口ごとにタイマーで通電時間をコントロールすることができます。指定した曜日のみタイマー設定したり、土日は電源を切ったりと、省エネにも役立つ電源タップです。

——タイマーつき!? 最近はそんな便利な機能がついたものがあるんですね。

サンワサプライ広報
他にも、消費電力や電気料金が計測できる「ワットモニター」もおすすめしています。

ワットモニター使用の様子

消費電力や積算電力量、積算時間、積算電力料金、CO2排出量など5種類の計測データが表示されます。近年では電気料金が高騰しており今後もますます上がっていく見込みです。そんな状況では、節電は不可欠。ですので、ただ電源タップを使うのではなく、節電を意識したものを使うと家計にもいい効果があるのではないでしょうか。

——料金まで可視化できるんですね。節電が楽しくなりそう。

サンワサプライ広報
電源タップはこの他にもたくさんの種類があるので、ぜひ自分のライフスタイルにあったものを選んでいただきたいですね。タコ足配線は使用する機器の数にコンセントの数が見合っていないことが理由としてあります。そのため、困っている方はコンセント口が多い電源タップに買い替えるか、専門の業者に問い合わせてコンセントの増設を検討するのもいいでしょう。いまやコンセントは生活に不可欠なものですし、毎日使うものだからこそ、こまめに確認をすることをおすすめします。

まとめ

最後に、電気火災を防ぐ7つのポイントを教えていただきました。

タコ足配線の定義や、火災の予防策、電源タップの買い替えなど、コンセント周りについてサンワサプライさんにいろいろ伺いました。毎日使うコンセントだからこそ、もしもの危険がないかしっかり確認したいですね。

私も家のコンセント周りがどうなってるかすぐ確認します。それではこのへんで!


取材協力・画像提供:サンワサプライ
https://www.sanwa.co.jp/index.html

編集:ノオト


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205 件のコメント
56 - 105 / 205
抜けかかってることが火災の原因になること、よーくわかりました。大したことがないと思いこんでました😅
トラッキング、半断線、素人工事は火災の原因として有名ですよね
コンセント周りはスッキリとキレイにしておくのが一番ですね
フォトにあるUSB電源3個が密に刺してあるのは、別の意味で危険。
互いに間隔が空いていないと過熱して寿命が縮み、最悪の場合溶けて発煙発火する。
家の中を見回したらタコ配線してる。
でもピークでタコ配線は100Wぐらいかな。
機器の最大電力は把握していないとね。
高騰で契約を10Aにしたから1kWで遮断される。
火事を思い出しました。日頃から注意したいと思います。
タコ足配線に定義があるのを初めて知りました。いいね!
点検しましょう。
タコ足はやっぱり危険ですね。
埃も注意します。
勉強になりました。
ありがとうございます。
う、とても気になるタコ足配線っ(-_-;)
気軽につなげたくなっちゃいますもん。
ホント気をつけよう、それとホコリのお掃除もしなくちゃ☆
情報ありがとうございました
テレビの後ろの🔌全然見てませんでした。火事にならないよう、休みに見てみます。
うちの実家は昔ながらの古い建物なのでコンセントが少なく、どうしてもタコ足配線に成らざるをえません。タコ足というよりはイカ足配線が適切かも🤣
もっとも15A越えするような電化製品はぶら下げてませんね。と自分を正当化しています😅
どうしても同じ場所に集中してしる〜😥
気をつけます😔😥
ウチにも会社にもタコいっぱいいる〜。まずは家にどれだけタコがいるか調べるのが先かな?
家に着くとスマホケース、タブレット、ペン、充電器…と一気につなぐの止めよー
コンセント危険なつなぎ方していました。これは知らない人も多いと思います。誰にでも当てはまる可能性があるので大切なことです。火災の元ですからね。
タコ足配線を見ると、関西電気保安協会のCMを思い出した。
なるほど!!(ノζ ◊ Ô ; ξ)
ありがとう御座いました。
コンセント口数が多い電源タップはいろんなメーカーが売ってるけど、これはタコ足じゃないの?じゃあタコ足って何?…とずっと思っていましたが、そういうことだったのですね。

電源タップは消耗品だと、ずいぶん前によそのメーカーからも聞いていましたし、ちょうど買い替えようと思っていましたが、口数のことが気になっていた(とはいえ調べてもいなかった)ので、良かったです。

もともと、ドライヤーとオーブントースター同時使用でブレーカーが落ちる家だったので、そうではなくなった今でも、別のコンセントに差した電気ポットとオーブントースターも同時に使わないぐらい気をつけています。
ただコンセントやプラグの掃除はどうしても忘れがちです。

このような役に立つ記事を今後もよろしくお願いします。
貴重な情報ありがとうございます。早速TV裏のコンセント掃除します。今まで大丈夫だから…では、いけませんね!
勉強になりました!
タコ足注意喚起ありがたいです
コンセントの掃除は間違っても水拭きは避けましょうね
ちなみに、プラグ側の金属部分に付いてる[穴]って、しっかり挿された感触確認と抜け止め用なんです。これ付いてない製品は危険です。
最後に別な意味で恐怖‼
中古や貰い物のテーブルタップは盗聴器が仕込まれている可能性があるので要注意です 人の善意は信じたい
勉強になりました。ありがとうございます。
最近、チェックできてないな。腰痛から解放されたらやるか。
改めて確認すると自分のところも危険でした。
何も気にせず便利な場所で使用してますが気をつけます!
忘れがちだからこの記事は助かるね!
防火管理業務に携わっている者として、こういう記事が出て、読んでいただけると大変ありがたいです。
とても勉強になる記事をありがとうございます。
うちでも古い延長コードを使っているところがあるので、
付け替えるようにしたいと思います。
とても参考になりました。古い家だとコンセント自体が少なく、電気製品の増加と相まってどうしてもたこ足に近い状態になってしまいます。気を付けます。
大変勉強になりました。改めて点検してみます。今まで気になっていた実家の母や兄にこれを読んでもらって危険を理解してもらって、先ずは新しくしてもらってタコ足配線しないように言いたいと思います。ありがとうございました。
勉強になりました!
ここ数日で急に秋になり、乾燥が気になるので最適なタイミングですね👍🏻
冬に向けて、記事の通り気をつけていきたいですね
タコ脚地獄だった我が家。
タコ足配線で一度、漏電遮断器を動作させてしまった子供時代、今はテーブルタップを自力で作れるようになりました(圧着端子を使う本格的なもの)。
火災はもちろん、感電リスクは40Vを越えた時点で危険だと聞きますので、きをつけたいところです。
これ注意しないとですね!
コンセントからの出火怖いですね。。火の用心ですね!!
有用な情報ありがとうございました(^o^)/

普段から気を付けているのですが、あたらめて気を付けていきたいと思います。
有益な情報を分かり易くご説明していただきありがとうございました。
何となく分かっていたつもりでしたが、改めて認識した次第です。
コンセント部のほこりが原因で、火災になったケースをニュースで観たことがありますね。
留守中に火災が起こることを考えますと、本当に怖いですので一度点検を行いたいと思います。
コンセント火災の話、ありがとうございました。
この話を素に火災防止に努めたいと思います。
電源タップって、同時に接続できる消費電力が決まっている(OAタップだと1500Wが多いかな?)んですが、ついつい沢山つなげてしまいます。キッチンまわりは消費電力が大きい炊飯器やトースター、電子レンジ、電気ケトルなどがあり、同時に使用するとあっという間にオーバーしちゃいますね。
消費電力の大きい家電はコンセント直挿しを心がけてます。
コメントを読んで捉え方はいろいろだなぁと感じました。

電線自体は正しい使い方をしているのであれば極端に劣化しません。
ただし、被覆線はビニールであることが多く、どうしても劣化は避けられません。
また、保管時、無理に束ねると、断線のリスクもあります。
これからの時期、電気鍋を使う場合もあると思いますが、コードはねじらず、たたまず、丸めて保管する方が安全です。

古い家だと、天井裏の配線の容量が小さく、過剰に電流が流れることで、電線の劣化が進むこともあります。
電気容量オーバーで、ちょくちょくブレーカーが落ちているご家庭は、気を付けてくださいね。

30年使っていても、正しい使い方をすれば大丈夫ですし、どのメーカーであっても、間違った使い方をすれば、購入翌日に発火することもあるでしょう。
正しく使う、それに尽きるのだと思います。
この記事を読み私も一度確認してみようと思いました
火災には気を付けたいですね
電気容量オーバーで、ブレーカーが落ちないように工夫することは大切ですね。
火事にならないように、正しい使い方をしたいですね。
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