30分練習すれば飛ばせる!? 熟練者に初心者向けドローンの選び方・使い方を聞いてみた
大阪府出身。日々エッジの効いたネタを探し続けるフリーライター。得意ジャンルはサブカル、テレビ、音楽、現代アートなど。デイリーポータルZ 新人賞2017で佳作。自称・無料イベントマニア。
いまや一般レベルまで普及したドローン。最近はスマホで操作でき、素人でも気軽に楽しめる機種が増えているようです。しかし、未経験者からは「操作が難しそう」「どこで飛ばしていいのか分からない」といった声も。
「最初はコワいかもしれませんが、うまい人なら30分ほど練習すれば飛ばせるようになりますよ」と話すのは、社会 に向けてドローンの魅力を積極的に発信する女性チーム「ドローンジョプラス」の梅澤裕佳さん。
「そもそもドローンに免許は必要なの?」「近所の公園で飛ばしてもOK?」といった疑問や、いま人気のドローン、飛行の注意点などをお聞きしました。
自撮りの延長線上でドローン撮影にハマる女性は多い
——「ドローンジョプラス」は、どのような活動をしている集まりなのでしょうか?
私たちは、社会に向けてドローンの魅力を発信することを目的とし、幅広い年齢層の女性で構成されたチームです。「ドローン=男性が扱うもの」というイメージを少しでも払拭して、女性にもドローンを手軽に楽しんでもらうべく、4年前から活動を始めました。
主な活動は、初心者向けのドローン勉強会や空撮の練習会などイベントの企画・運営、映画やテレビ局へ提供する映像の撮影、地域活性化を促進するための映像撮影業務を行っています。ありがたいことに依頼が年々増加しており、小学校や商業施設での操縦体験会、ドローンを使ったプログラミング教育など活動範囲が広がっていますね。最近では、映画のラストシーンを撮影するオペレーター業務を担当しました。
また、私たちの活動に興味を持ったメディアからの取材依頼も増えています。「スッキリ」や「ヒルナンデス!」などテレビ番組でもドローンジョプラスを紹介していただきました。
——ドローン勉強会 では、どのようなことを学ぶのですか?
勉強会(座学)と体験会(実践)をセットで行っています。まず行うのは、ドローンを正しく飛ばすために必要な知識(航空法や電波法など)を学ぶ座学形式の勉強会。その後の体験会では、インストラクターに教わりながら実際に操作することで、「ドローン=操作が難しい」というイメージを払拭してもらいます。
——どれくらい練習すれば、1人で飛ばせるようになるのでしょうか?
ドローンは、飛ばし方によって2種類に分かれます。空中で静止する「ホバリング」ができるタイプと、高さの調節が必要なタイプ。前者は簡単なので、早い人なら30分くらい練習すれば操縦できるでしょう。後者の場合も、1日10分ほどの練習を1~2週間くらい続ければ飛ばせるようになると思います。
——体験会に参加する方は、どういう目的なのでしょうか?
一番多いのは、趣味でドローンを操縦してみたい人ですね。旅行に行った際に、自撮りの延長線上で「自分だけでなく、きれいな風景も一緒に写したい」という動機から興味を持つケースが多いようです。私も元々カメラが好きで、3年前に初めて操縦したのがきっかけでドローンにハマりました。
最近はテレビ番組でドローンが取り上げられる機会も多く、「楽しそう」「やってみたい」と興味を持つ女性が増えていますよ。
点検や物流などビジネス面から「ドローンサッカー」までさまざまな場面で活躍
——最近はビジネス面でドローンが注目されることも増えました。
おっしゃる通り、ドローンは農業や測量、物流など利用分野が広がっています。農薬の散布や、人命救助を目的とした海岸のチェック、屋根や下水道の点検などに使われるようになりました。
また、有線で操作する「水中ドローン」も活用されています。海には海底ケーブル、ダムの中だと流木や配管のコケなど、水中で点検しなければならないポイントがたくさんあるんです。
実際の点検は潜水士さんが行いますが、トラブルが発生して浮上できないケースを想定して、点検作業の様子をドローンで撮影します。その画像を地上からチェックし、異常があったときにすぐヘルプが出せるようにする。つまり、安全確保に使っています。実は私も、水中ドローンのオペレーターの仕事を しているんですよ。
——なるほど。点検自体をドローンで行うわけではなく、あくまで人の補助的な役割を担っているんですね。
そういう使い方もありますね。あとビジネス以外の活用では、スポーツエンターテイメント系のドローン競技が2種類あります。いかに速く、正確に操れるかを競う「ドローンレース」と、球状の専用ドローンボールを使い5対5で戦う「ドローンサッカー」。まだ知名度は低いかもしれませんが、国内大会が行われるなど、徐々に広がっています。
飛ばす前に「飛行禁止区域」の確認を
——ドローンの操縦に免許は必要なのでしょうか?
「ドローン検定」など民間の資格はあるものの、2020年7月現在、公的な免許はありません。ただし、飛ばす場所によっては国土交通省や地方航空局へ申請する必要があります。
——飛ばしていい場所など、規制について教えてください。
まず、ドローンの重量が200グラム以上か200グラム未満かによって変わってきます。
200グラム未満は「トイドローン」と呼び、おもちゃ扱いになるため、基本的には規制がありません。ただし、たとえば渋谷のスクランブル交差点の上で飛ばすと、落下したときに事故が起きてしまう可能性が高いので、どこでも飛ばしていいわけではありません。都条例など各地域が規制しているケースもあるので、注意が必要です。
一方で、200グラム以上だと航空法に触れるため、規制がかかります。飛行が制限され許可が必要となる空域は、下記の3つです。
A. 空港等の周辺の空域……飛行機が離発着するので危険
B. 150m以上の空域……ドクターヘリや緊急物資を運ぶヘリとぶつかる可能性がある
C. 人口集中地区の上空……人や物に衝突するなど、事故につながる可能性がある
▲無人航空機の飛行の許可が必要となる空域について(出典:国土交通省https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000041.html)
——たとえば、家の近所の公園で飛ばしたい場合、どうすればいいのでしょうか?
まず、ドローンの飛行可能エリアかどうかチェックできるアプリがあるので、事前に確認しましょう。あとは、自治体など公園の管理者にも確認する必要があります。
場所に関わらず、ドローンを飛行させる場合は以下のルールを守ってください。
1. 飲酒時の飛行は禁止
2. 飛行前に点検する
3. 航空機や他のドローンとの衝突を予防する
4. 他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させない
5. 日中(日出から日没まで)に飛行させる
6. 目視の範囲内で、周囲を監視しながら飛行させる
7. 人や物との間に30m以上の距離を保つ
8. 多数の人が集まるイベントの上空で飛行させない
9. 爆発物など危険物を輸送しない
10. ドローンから物を投下しない
これらのルールは、国土交通省のホームページ に詳しく記載されているので、必ず目を通しておいてください。
——ドローンの価格は、いくらくらいでしょうか? 初心者におすすめのドローンを教えてください。
200グラム未満のドローンは、だいたい2~3万円で購入できますね。初心者向けだと、1万円前後で購入できる「Tello」がおすすめです。
「LUCIDA」は1万5,000円くらい。手のひらサイズの小型機ですが、動画・静止画ともにフルHD画質で撮影できますよ。あと最近売れているのは「Mavic Mini」で、200グラム未満のドローンの中では5万円前後と値段はやや高めですが、かなり高画質な映像を撮影できます。
200グラム以上のドローンだと「Mavic 2 Pro」が人気です。値段は、パーツや専用ケースなどすべてそろえると30万円くらい。最近は、趣味で使う場合でも20~25万円くらいのドローンを買う方が増えていますね。
リーズナブルな価格帯のドローンでも、4KやフルHDで撮影可能
——スマホの画面で操縦するタイプと、コントローラーを使って操縦するタイプがあるとお聞きしたのですが、どう違うのでしょうか?
簡単にいうと、操縦しやすいか、しにくいかの違いです。精度の高い映像を撮る場合はプロポ(コントローラー)を使って、スティックさばきを覚えたほうがいいと思いますよ。ちなみにプロポで操縦するドローンも、スマホを装着して画面を確認しつつ操作します。なので、ドローンにスマホは必須だと覚えておいてください。
プロポの操縦モードは2種類あります。「モード1」は右側のスティックで上昇・下降を操作、「モード2」は右側のスティックで前後左右に動かします。ラジコンの操縦経験がある方はモード1を使いますが、初心者はモード2のほうが扱いやすいでしょう。
——ドローンの耐久性は? 初心者からすると「落としたら壊れるのでは?」という不安があります。
確かに、落とし方によっては壊れてしまう可能性がありますね。なので、初心者はまず家の中で、じゅうたんなど柔らかい物の上で練習してください。周囲の壁とプロペラを守る役割がある「プロペラガード」は必ずつけましょう。もし落とした場合も、機体へのダメージが小さくなります。
また、屋外で飛ばすときに気をつけなければならないのが「風」です。ドローンは風の影響を受けやすく、海岸などで飛ばしていると操縦がきかなくなってしまう可能性もあるのでご注意ください。
——遠くにいってしまうと、操縦がきかなくなるのでしょうか?
電波状況によってはスマホの画面がブラックアウトすることがあり、さらに遠く離れてしまうことで操縦不能になる可能性もあります。離れた場所に飛ばしたい場合は、映像伝送やドローンの挙動に問題がないかどうか必ず確認しながら、慎重に飛行させてください。ちなみにドローンとの通信は、スマホと同じ周波数帯を使っています。
また、飛行時間は限度があるので、その点も注意してください。搭載されているバッテリーによりますが、小さい機種で10分前後、大きい機種で20~30分くらいです。
——写真や動画のクオリティーは? やはり値段の高いドローンのほうが、画質もよくなるのでしょうか?
そうですね。搭載しているカメラが良ければ、より高画質で撮影できます。ただ、最近は200グラム未満の比較的安くて手軽なドローンでも、4KやフルHDで撮れるようになってきました。趣味のレベルであれば、十分キレイな画質だと思いますよ。
——最後に、「ドローンを始めてみたい」という初心者に向けてアドバイスをお願いします。
はじめてドローンを扱う人は、「誰かにぶつけてしまったらどうしよう」「事故を起こしてしまうかも?」という恐怖心があるかもしれません。
楽しく安全に飛ばすためには、操縦方法はもちろん、飛行のルールなど知識が必要です。まずは国土交通省のホームページなどで調べた上で、家の中の安全なスペースを使って練習してみてください。
ドローンジョプラスでは、東京と大阪で定期的に勉強会&体験会 を開催しています。女性であれば誰でも参加できるので、ぜひ一度お越しください。
女性も気後れせずにチャレンジしてみては?
女性も気後れせずにチャレンジしてみては?
「ドローン=男性が使うもの」という印象はまだまだ強く、ここまで女性に広がっているというのは意外でした。たしかに、「自撮りの延長線上でドローンに」と言われると納得感がありますね。
今回は取材ということで、筆者も特別に勉強会&体験会を見学させていただいたのですが、みなさん和気あいあいとドローンを操縦していて、楽しそうな雰囲気でした。「やってみたい!」と思った方は、ドローンジョプラスのホームページをチェックしてみてください。
(編集:ノオト )
取材協力: ドローンジョプラス(運営元:株式会社Kanatta)
https://drone-girls.com/
最近は女性も参加出来るドローンって楽しそうですね。
元々、男性はこう行った事が好きな人が多いような気がします。
私もその一人です。
今のものはホバリング機能があり、安定して操縦できるようなのでかなり楽しめそうですね。
こういう記事は大好きやねん
テレビの番組でもドローンからの映像って最近多いですけど、すごくきれいですよね^ ^広大な景色とか絶対を撮るのに向いてるのかなぁ^ ^
でも、誰にでも使える気軽さから他人のプライバシーを脅かすような使い方をする人が出ないことを願います。
やってみたい❗️
(開けた場所でも観光客は多いので)
山で飛ばすと墜落した場合取りに行けないのでないのか等々考えてしまいます。
家で使うにしてもマンションの上の階だとベランダから外に行ってしまうと問題になりそう……
楽しそうでやってみたいけれど安全に迷惑をかけずに飛ばすとなると可能性はぐっと狭まりますね。
実用的なのは家の中で飛ばして天井付近の点検に使うとかジオラマの上を飛ばして臨場感を出した映像を作るとか?
文中で気になったのはやたら「「ドローン=男性が使うもの」との前提が出てくるところ。
そうなのですか?
普段あまり性差を感じないで生活しているので感覚が古臭いというかIT企業の記事なのに?と違和感が凄かったです。
でも楽しそうなので興味はあります。
実際は、条例が厳しくて練習する場所すら確保が難しいと聞いた事があります。
ゲレンデで滑走時のドローン撮影許可が出やすければ、ドローン操縦してみたいですが…^_^;
ウケました🤣
女性は しないだろうけど
そのうち 望遠レンズを付けて
マンション上階を 盗撮するヤツが
出るかも…💧
でも必ず悪い事を考える人っているので、盗撮に使用したりする人がいそうで怖い!
皆さんの賛否両論のコメントも参考になりました。
ドローン以外のガジェツト関連についても解説の記事があると読んでみたいです。(^_^)
こういう記事を読むと、また飛ばしたくなってきますね。断念した操作も日々の練習なんでしょうね
飛ばしてみたいなぁ
ありがとうございます😊
私はドクロべー💀の声が大好きでした😘
私の持っているドローンは、簡単ですよ♪
おもちゃ感覚で楽しみましたがすぐに飽きてしまい、箱📦に入ってホコリ被ってます(笑)残念
チャレンジしてみたいな〜