iPhone、Xperia、Galaxy。有名スマホの日本初の機種をいま使うとどうなる?
ローカルネタ・ガジェット・卓球が好きなライター。過去に番組リサーチャーとして秘密のケンミンSHOWなどを担当。
日本のスマートフォン時代の幕開けを告げたiPhone 3Gが発売されて12年。それからスマホは飛躍的な進化を遂げました。
でも実際のところ、どれくらい進歩したんでしょうか。それは使い比べてみてこそハッキリわかるはず。
日本のスマホシーンでずっと使われてきた3ブランドの、日本初登場時のスマホを手に入れて使ってみました。
※OSのサポートが終了した古いスマホはセキュリティの脆弱性があり、ウイルスに狙われやすいため使用は控えましょう。今回は細心の注意を払いながら検証しています。
当時の名機3台を起動させるうれしさ
今回はそれぞれ日本初登場となった、以下の3台を手に入れました。
● iPhone 3G(アップル、2008年7月発売)
● Xperia SO-01B(ソニー・エリクソン、2010年4月発売)
● Galaxy S SC-02B(サムスン電子、2010年10月発売)
安い中古品を探してお店で買ったら、ぜんぶで1万円ほど。当時の最先端機器もここまで安くなったんだなぁ……と感慨に浸りました。
さっそく、同時に電源を入れてみましょう。
▲電源を入れて少し経ったところ
▲Xperia SO-01B(画像左)は早くも起動完了!
▲次にGalaxy S(画像中央)、最後にiPhone 3G(画像右)が起動を終える
iPhone 3Gはほかより2年古い機種なので、遅いのは当然と言えば当然ですが、マシンパワーの評価が高いGalaxy SをXperia SO-01Bが上回ったのは個人的に予想外でした。
3つとも起動してディスプレイが輝く様子は、いちスマホ好きとして気持ちが高まります。
では、1つずつ見ていきましょう。
3機種の外観とスペックをおさらい
●iPhone 3G
日本のスマホ時代の幕開けを告げた、iPhone 3G。2008年7月11日に日本を含む22カ国で同時発売されました。
先駆けゆえに、この中では最も古いスマホです。
丸みを帯びていて、手にスッとフィットします。「さすがジョブズがGOサインを出した機種だな」と気持ちが高まりました。
そして小さい。なにせ3.5インチディスプレイ。ですがこれでも、当時のガラケーの2.8~3.3インチほどの画面サイズと比べると、特筆すべき大きさでした。
そしてコンパクトな割に重量は133g。そこそこ重いです。
ちなみにiPhone 3Gの充電にはライトニングケーブルではなく、現在ちょっと入手がむずかしいDockコネクタと呼ばれる専用ケーブルを使います。なつかしいですね。
ほかの2台はMicroUSBです。
●Xperia SO-01B
iPhone 3Gよりちょっと大きい4インチですが、こちらも手におさまるコンパクトさ。ソニーらしい工業的デザインが未来を感じさせてくれます。
iPhone 3Gのディスプレイ解像度は320×480でしたが、こちらのXperia SO-01Bは、480×854の高解像度でした。
そして当時最高クラスの810万画素のカメラを搭載。
●Galaxy S SC-02B
発色がよく視野角の広い有機EL4インチディスプレイをいち早く搭載。解像度は800×480ありました。
そして軽い。同じ4インチ画面のXperia SO-01Bが139gなのに対し、こちらは118gです。
新しいスマホ時代に各社が社運をかけて投入した3台には、時代の最前線に立つ意気込みが伝わってきます。精鋭たちがそろいました。
ちなみにバッテリー容量はiPhone 3Gが1150mAh、Xperia SO-01BとGalaxy Sが1500mAh。手持ちのGalaxy Note10+の4300mAhと比べると、たった3分の1ほどしかありません。
確かに、当時は電池のやりくりに苦労していた人が多かった気がする。
アプリはどこまで使えるのか?
まず何よりも、大昔のスマホたちはアプリをどれだけ使えるのでしょうか。
●iPhone 3G
結論から言いますが、ほとんど使えるアプリはありませんでした。
その中でも動いたのは、まず株価アプリ。
上に株価が表示され、下にニュースヘッドラインが出ていますが、ニュースのリンクを開くことはできませんでした。
ほかには、地図アプリも使えます。
さて、肝心要はApp Storeです。これが使えるか使えないかで、運命は大きく分かれますが、一応開くことはできました。
ポケモンGOにNAVITIMEなど、おなじみのアプリたちがいっぱい。「これはまさか、そのまま使えるのか?」と、一瞬夢を見ました。
しかし現実はそう甘くはありませんでした。iOSのバージョンが古すぎて、ことごとくアプリを入れられません。
さらにFacebookをインストールしようと思って途中まで進んでも、「このアプリケーションにはiOS10.0が必要です」などと非情な宣告が下されます。iPhone 3GのiOSは4.2.1が限界なのに……!
なおSafariでは、Webブラウジング自体はできます。しかし、めちゃくちゃ遅いです。さらに開けないページが多く、WikipediaやTwitterなどを開こうと思えば、エラー表示が出てしまいます。
残念。
ただし……Facebookにはログインできました。しかしトップ画面は謎の表示です。
おそるおそる数字を押してみると、ちゃんとリンク先のページに飛べるようです。でも画像が出ないし、妙に縦長に表示されるし、実用性は皆無でした。
ちなみにiPodアプリは普通に動きました。PCとの連携もスムーズです。
8~16GBのストレージ容量があるので、iPodの代わりとして使うのが現実的かもしれません。
●Xperia SO-01B
こちらはAndroidのバージョンが古くてGoogle Playストアがインストールできないため、ストア内のアプリを入れられません。しかし元々入っているいくつかのアプリがまだ使えました。
▲ぷよぷよっぽいゲーム「Quadrapop」は、初見だと操作に戸惑う
あとは周辺のレストランやカフェ、ホテルなどの施設を現在地から探してくれるアプリ「プレイス」も動きました。これは普通に使えそう。
なおブラウザアプリからなら、Facebookも使えます。
●Galaxy S SC-02B
強みは、Google Playストアが使える点です。
もっともTwitterやLINE、Google Chromeなどはインストールできず、使えるアプリは少ないですが、iPhone 3Gよりはまだマシでした。
たとえばOpera mini、Kindle、Facebookなどがインストールできたのには歓喜です。
▲Facebookの軽量版「Facebook Lite」はすぐ立ち上がり、サクサク動く
Facebook Liteは限られたデータプランしか利用できない発展途上国のユーザーを主に対象としていて、低スペックスマホでは非常に貴重な“普通に使える”メジャーアプリです。
ちなみにYouTubeは、再生ボタンを押すとその場で再生するのではなく、ダウンロードしてスマホ側で再生できる謎仕様でした。これってYouTube的にアリなのでしょうか。
▲保存を押すとダウンロード開始
▲スマホ側で動画が見られる
逆に言うとダウンロードさえすれば、ネットがつながらないときでも(あくまで個人的に)楽しむことができます。Galaxy Sはちょっと使い道がありそうです。
三者三様のカメラ撮影機能
続いてはスマホの華、カメラ機能を見てみましょう。
●iPhone 3G
良く言えばシンプル、悪く言えば何もない。オートフォーカス機能はおろか、フラッシュやデジタルズームすらなく、ただ単に撮影ボタンを押すだけの仕様です。
では撮影してみましょう。
全体的に暗めに写り、固定フォーカスなのでピントも甘めになりがちです。ただし発売された2008年当時のガラケーと比べると、これでも写りはマシかもしれません。
●Xperia SO-01B
オートフォーカス機能があり、タッチシャッターへの切り替えや画像サイズの選択などもできました。
しかし、MicroSDカードを使わなければ撮影できないのが、玉にきずではあります。
では撮影してみましょう。
色合いに少しクセがありますが、鮮やかです。10年前の機種であることを考慮すれば「よく写るぞ」と感銘を受けました。
さらに当時としては高倍率な、最大16倍のデジタルズームを内蔵していました。しかし最新スマホのような光学技術を合わせたハイブリッドズームではなく、基本は「ただの引き延ばし」なので、ズームすればするほど画像は粗くなります。
この画像はデジタルズームの最大16倍でマスクの箱を撮ったものですが、何が写っているかどうにか判別できる程度でした。
●Galaxy S SC-02B
美肌モードやアクション撮影モードなど、多彩な撮影モードがあり、まばたき検出なども可能。タイマー撮影にも対応していました。
こちらで撮影した画像を見てみましょう。
食事の写真はもう一つでしたが、10年前ならGalaxy Sも十分及第点は取れている気がします。
3つ試した結果、Xperiaの写りが一番いいと感じましたが、どうでしょうか。
ビデオ撮影機能は恐怖の手ぶれ地獄
続いては、動画撮影性能をチェック。ビデオを撮るカギは手ブレ補正機能ですが、その差がわかりやすい、歩きながらの撮影をしてみましょう。
●Xperia SO-01B
とてつもなくブレまくっています。
▲まるで大地が怒っているような揺らぎ方
●Galaxy S SC-02B
こちらも大変なブレっぷりです。
強いて言えばGalaxy Sのほうがちょっとマシでしょうか。ただどちらも動きながらの撮影は「不可」のらく印を押さざるを得ないようです。
ちなみにiPhone 3Gには、ビデオ撮影機能自体が付いていません。
なおGalaxy Note10+でも撮影したので、見比べてみましょう。
▲アクションカメラレベルでバッチリ手ブレ補正が効く
「スーパー手ぶれ補正」機能のおかげで、ほぼブレていません。9年もの歳月がここまでの技術を実現したのです。スマホ、進化しているなあ。
これほどに手ブレに弱い当時のビデオカメラ機能ですが、カメラを静止させての動画であれば、何とかイケる感じ。
▲Xperia SO-01Bによる動画。手でしっかり保持しながらの動画であればイケる
Galaxy Sはまだギリギリ使える、iPhone 3Gも健闘
日本のスマホシーンの黎明期を彩った3台。それに触れている時間はとにかく楽しい時間でした。
この中で今使うのであれば、Google Playストアが動いて、比較的サクサク動き、ストレージも16GBあり、カメラ機能も悪くないGalaxy Sでしょう。
しかし他より発売が2年も早く絶対的不利なiPhone 3Gは思ったよりがんばってくれた印象です。動きはそれなりにサクサクだし、iPodの代わりとしてならまだ使えそう。
ちょっと中途半端だったのが、Xperia SO-01Bです。ただあくまで現在の評価であって、Android マーケットが使えた当時なら、選択肢としてはアリだったのでしょう。
さすがに3台ともいま積極的に使おうとは思えませんが、それでも共通して感動したのが、サイズ感です。手のひらに完全にすっぽり収まる心地よさ。
指が画面のどこへでもすぐ届く。それが快感でした。日ごろ大きなスマホを使っていると、知らず知らずのうちに小さなストレスを溜めているのかもしれません。
古いスマホの思わぬ良さと、最新スマホならではの便利さを改めて実感できました。
(編集:ノオト )
やはり最新スマホが良いと思います。
知らないうちにスマホに、財産も人生も、託しています。
10年前、IS-01を購入しようか迷っていた事を思い出しました。当時はまだ、画面を直接触る事に抵抗があり、ミニキーボード搭載機種ばかりを探していたものです。今となっては、触りまくり撫でまくりですけどね。。。
復活してほしい!
ランニングで持ち歩くにはあの小ささが良かった!
新しい機種は出ないかな
スタイリッシュなデザインが今見てもカッコいいですね。
wi-fiにはなんとか繋がるみたいです。