己の”インターネット”を見せつけられるTシャツを開発した
2013年から、YouTubeチャンネル『無駄づくり』を開始し、無駄なものを作り続ける。
スマホの画面を他人に見られたくない。電車の中で隣の人がスマホをのぞいてきたら、当たり前のように嫌な気持ちになるし、家族や友だちといった近しい人に見られるのも抵抗がある。
人に見せられないインターネットをしているわけではない。むしろ、私は自分のインターネットに自信を持っている。人にスマホの画面を見られるたびに嫌な気持ちになっていたけれど、よく考えてみると間違いに気づいた。私はスマホの画面を人に見せつけたい。
あと、人がスマホで何を見ているのかを知りたい。3人で喫茶店にいて、会話を回していた1人がトイレに立ち、残された私ともう1人の間に気まずい空気が流れたとき、だいたいお互いにスマホをいじってやり過ごすけれど、そのとき相手が何を見ているのかを知りたい。
そんな経験から、「スマホの画面を見せつけられるTシャツ」をひらめいた。
「スマホの画面を見せつけられるTシャツ」を作る
話は変わるが、イノベーションというのは、逆転の発想から生まれる。
雨に濡れた傘を室内に持ち込むと、傘から水滴が垂れて床がビショビショになる。それを解決したのが「GAX umbrella(ギャックス・アンブレラ) 」という商品で、傘が逆方向に閉じることで、水滴を床に垂らすことなく傘を持ち運べるのだ。
▲GAX umbrella
つまり、逆のことを考えれば、大ヒット商品を生み出せる。そう、「スマホの画面を見せつけられるTシャツ」は、イノベーションなのだ。ということで、作っていきましょう。
こちらは完成イメージ。
今回の工作をするにあたって必要なものは、「Tシャツ」と「モニター」だ。
作り方はとても単純で、スマホとモニターをHDMIケーブルでつなげる。そして、そのモニターをTシャツにいい感じにくっつけるだけだ。ちなみに、モニターの箱の前にある黒い物体は使おうと思って買ったけれど使わなかったやつです。
モニターを箱から出した。カーナビなどに使う用のモニターで、HDMIを含めていろいろな端子がついているすごいやつだ。スマホに専用のアクセサリーをつけると、スマホとモニターをHDMIでつなぐことができる。
これで、スマホとモニターの画面をミラーリングできる。ミラーリングはざっくり説明すると、同じ画面を表示させることだ。
スマホの画面をモニターの全画面に表示させるのが理想だったのだが、それはなんか技術的に難しそうだったので諦めます。工作は諦めが肝心です。
映っている画面の両端に合わせてマスキングテープを貼る。そしてこの上から両面テープを貼り、Tシャツとくっつけられるようにしていこうと思う。
ちなみに、スマホの壁紙に設定しているのは、「まりな」と私の名前が手書きされている画像だ。これは好きなアイドルの直筆日記から「ま」と「り」と「な」を抜き出してくっつけた。好きなアイドルが私の名前を書いてくれたのだと、そういう気分に浸りたくて作った。気持ち悪いでしょう。
そんな気持ちの悪い私ですが、工作を続けていきます。次に、モニターを出せるように、Tシャツをくりぬいていく。
画面の大きさに合わせてマスキングテープを貼り、内側を丁寧に切っていく。
そして、モニターとTシャツをくっつけたら完成だ。すごく簡単で、秒で完成してしまった。
これが「スマホの画面を見せつけられるTシャツ」だ。こう見ると、めちゃめちゃ最新のプロダクトのようだ。
自分が見ている画面をリアルタイムで人に見せつけられるし、モニターにはスピーカーが付いているので音も共有できる。80年代のアメリカあたりにいたラジカセを肩に担いだラッパーの最新版だ。
では、着用してみよう。
これは……。
なに……これ……。
なんだか、昭和に考えられたアンドロイドみたいな見た目になっており、私は混乱している。
モニターにスピーカーが内蔵されている分、厚さが増してしまったのだ。スピーカーがついていないものはもっと薄い。
いや、でもいいんだ……。なんか胸が大きく見えるし……。
昭和のロボットみたいだけれど、これを使えば自分のインターネットを人に見せつけることが可能になる。
左手に持っているのはモバイルバッテリー。野外でも使えるように工夫した。工夫したところで何って、感じだと思いますが……。
さあ、みんな、私の “インターネット”をしかと見てくれ。
これは、「越前リョーマってどんな感じだったっけ?」と急に思い出して調べているところだ。
そしてこれは、ただただTikTokをぼんやり見続けているところだ。
あれ、私、大したインターネットをしていない……。急に恥ずかしくなってきた……。
全く役に立たなさそうなこのデバイスだが、猫を映すのはどうだろう。
これは、私が最近YouTubeで見つけた、かわいい黒猫の動画だ。めっちゃめちゃかわいい。
この猫の動画をみんなに見せつけながら歩くことで、疲れた現代社会に癒やしを与えることができるだろう。そして、社会の生産性がなんやかんや上がって、経済効果も期待できます。
こんなにかわいくて面白い猫の画像も社会に向けて強くアピールできる。
また、私にとって最も、人にスマホの画面をのぞかれたいシチュエーションである「英文のニュースを読んでいるとき」だって、このTシャツを着ることで不特定多数にアピールすることができるのだ。「この人、賢い!」「すごい!」「天才がいる!」と、きっと思ってもらえるに違いない。それか、「うわあ……」と思われるかどっちかだ。
このTシャツを着ることで、己の“インターネット”を他人に見せつけながら歩くことができる。
人に見せたくないスマホの画面をあえて見せつけることで、社会に新しい風が吹くのではないだろうか。……そんなことないか。おとなしく家でインターネットしています。
(編集:ノオト )
いよっ❗日本一❗
いつも楽しく読ませて頂いてます!
紹介されてたハイテク傘、¥34,800(税抜)とかなりお高いですがそれだけの価値はありそうです。
わたしならgoogle翻訳の画面を表示して外国人との会話に役立てます。
あとは、
・スーツに組み込んで、取引先の初対面の方との会議で名札として表示しておくとか。プレゼンしながら顔と名前も覚えてもらえます。
・歌詞を表示してオリジナル曲のライブをしたら盛り上がれそう。
・電車に乗る人に着用を義務付け、どこで降りるかを表示してもらえば、満員電車の車内での動きがスムーズになるのでは?
…イメージしてみましたが、やっぱりいらないわ。
まいりました(ノ゚ο゚)ノ オオォォォ-
好きになりそうです、いやもう好きかも。
フィルム状のディスプレイがデフォな世の中になったら試作弐号機作って下さい♪
画面が小さくて見づらいだけですからね❗
私の好奇心が旺盛なだけですからねっ❗
キメ顔が素敵だな〜
コンパクトプリンタを縫い付けて、
紙で出力して”インターネット”を町を行く人々に配布する。
これは新たなビジネスのかほり!
いや~おもろい。
可愛かったからね…( 一一)
この発想はなかった。天才。
職場が羨ましい。
フィルム状のディスプレイに変えると
売れるかも