推しの「乗換案内アプリ」はこれだ! ムダなく乗り換えたい俺たちの座談会
ライター: 井上マサキ
ライター&路線図研究家。宮城県生まれの二児の父。好きな路線図はロンドンと横浜市営地下鉄。著書に『たのしい路線図』(グラフィック社)。
ライター&路線図研究家。宮城県生まれの二児の父。好きな路線図はロンドンと横浜市営地下鉄。著書に『たのしい路線図』(グラフィック社)。
皆さんの心の中にある、「推し乗換案内アプリ」はなんですか?
偶然の出会いなのか熟考の末に選んだのか、経緯はそれぞれでも、「電車の乗り換えを調べるときはいつもこれ」というアプリがあるでしょう。そうでしょう。
乗換案内アプリはさまざまな企業から提供され、それをどう使っているかも人それぞれ。仕事内容や移動手段で利用シーンも変わるはず。そう思うと、他の人はどんな使い方をしているのか、もっと便利なアプリがあるのか……気になりませんか?
そこで今回は、「推し乗換案内アプリ座談会」と題し、それぞれの乗換案内アプリへの愛を語ってもらいました。参加メンバーはこちらです。
宮脇 淳
編集プロダクション・ノオトの代表取締役。経営者として取引先を訪れるために、都内をタイトなスケジュールで回ることも。推し乗換案内アプリは「Googleマップ」&「ジョルダン」。
編集プロダクション・ノオトの代表取締役。経営者として取引先を訪れるために、都内をタイトなスケジュールで回ることも。推し乗換案内アプリは「Googleマップ」&「ジョルダン」。
岡田 悠
会計ソフト開発企業・freeeの会社員。ライターとして個人でも活動している。旅好き。今まで訪れた国は60カ国以上。最近は新婚旅行で南極に行った。推し乗換案内アプリは「Googleマップ」&「駅すぱあと」。
会計ソフト開発企業・freeeの会社員。ライターとして個人でも活動している。旅好き。今まで訪れた国は60カ国以上。最近は新婚旅行で南極に行った。推し乗換案内アプリは「Googleマップ」&「駅すぱあと」。
井上マサキ
ライター。「路線図マニア」として書籍やイベントに携わる。乗換案内アプリの検索結果だって「路線図」だと思っている。推し乗換案内アプリは「Yahoo!乗換案内」。
ライター。「路線図マニア」として書籍やイベントに携わる。乗換案内アプリの検索結果だって「路線図」だと思っている。推し乗換案内アプリは「Yahoo!乗換案内」。
今日はお集まりいただきありがとうございます。僕含め全員iPhoneですね……って宮脇さん、「ナビ」ってフォルダにめちゃめちゃアプリが入ってるじゃないですか。
一時期、どのアプリがいいのかすごく調べたんですよね。どこかに移動するときはこのフォルダを見るようにしています。
僕はGoogleマップを画面下の「一等地」(Dock)に置いてます。一番押しやすいところ。
え! そこって自由にアプリを入れ替えられるんですか!? 標準のままにしてた……。
えっ……!?
Googleマップは地図機能ならよく使いますけど、お2人ともメインの乗換案内アプリとして使っているんですね。
そうですね。会社と自宅を登録して、取引先との打合せのたびにピンを打って検索しています。スポットからスポットへ、徒歩ルートも含めて検索できるので、移動時間の目安になるんですよ。
Googleマップは当初に比べて乗換案内の精度がすごく上がりましたよね。以前は「バス3本も乗り継ぐ!?」みたいなルートが出ることもありましたが……。今は「ジョルダン」の乗換案内データをベースにしてるようですね。
そうなんですか? 僕「ジョルダン」も使うんですよ。
Googleマップと使い分けてるんですか?
駅にいるときとか、電車に乗ってるときに使うんです。出先でパッと調べるなら、やっぱり地図アプリより乗換案内に特化したアプリのほうが便利なんですよ。例えば、渋谷駅で山手線から東急線に乗り換えるとき、ちょっと歩くじゃないですか。
山手線は地上、東急線は地下にホームがあって、すごく離れてますからね。
Googleマップで乗り換えにかかる時間が5分と出たとする。でも、「どうしても、もうすこし早く着きたい」ということもあるじゃないですか。その時は山手線内で「ジョルダン」を使って、Googleマップで出た時刻より1本早い電車を調べます。「東急線ホームまで3分で移動できれば、前の電車にも乗れるんじゃないか?」って。
Googleマップをちょっと疑うわけじゃないですが、「俺の歩く速さを知らねぇな?」みたいな感じでしょうか。
そうそう(笑)。たまに乗換口が近くにあって、時間を短縮できたりするんですよ。
最近は乗換案内で「何号車に乗るのがオススメ」と出ますよね。Googleマップにも「乗車位置」とか「混む時間帯」が出てますよ。
あとは「ドアの位置」まで出たら完璧ですね。電車のドアが開いたら目の前に階段がある、みたいな……。
最短距離へのパッションがすごい。
乗換案内じゃないですけど、たまに「駅.Locky」も使いますよ。あと何分で最寄り駅から電車が出るか、延々とカウントダウンしてくれるアプリ。これを見て会社から猛ダッシュするかどうか決める。
発車時間が「14時37分」とあっても、今が14時35分5秒なのか、14時35分58秒なのかわかんないじゃないですか。これは秒単位でカウントダウンしてくれるんで油断しなくて済む。
宮脇さん、基本的に「行ける」「行けない」の判断がギリギリ過ぎませんか?
でも最近は落ち着いたほうですよ。昔ホントに忙しかったときはこればっかり使って……。もうちょっと余裕を持って仕事できるようになりたいなと思いますね。
「検索結果にかかわらず、早めに出よう」ということですね。
この記事の結論が「とにかく時間に余裕をもって行動しよう」になりそうなので、僕の乗換案内アプリの話も聞いてもらえますか?
Yahoo!乗換案内のイチオシは「乗り過ごし防止」と「共有」
僕が使ってるのは「Yahoo!乗換案内」です。好きなポイントは、一覧性が高いところ。検索結果は「早い」「乗り換えが少ない」「安い」がタブになっていて、複数のルートがパッとわかる。
あとよく使うのが、乗り過ごし防止のアラームですね。設定すると降車1分前にアラームを鳴らして教えてくれるんです。
「駅すぱあと」だとアラームは有料機能ですね。
他のアプリでは有料でも、「Yahoo!乗換案内」だと無料で使える機能は結構ありますよ。定期券を考慮したルートとか、運休を避ける迂回検索も無料です。「ここから先は有料」ってのが全然ない。
言われてみればGoogleマップも全く課金ないですよね。
無料であれだけ使えるって、無茶苦茶なアプリですよ。
「Yahoo!乗換案内」に話を戻すと……共有機能もよく使います。検索結果から「共有」ボタンでiOSカレンダーに送って、Googleカレンダーと連携しているんです。Googleマップにも同様の機能がありますけど、「Yahoo!乗換案内」のほうが乗換駅や運賃など項目が細かい。経費精算にも便利だと思います。
あと、検索したルートをスクショに残せる機能もあるので、家に帰る時間の目安としてカミさんにLINEで送ったりもしますね。
え、毎日そんな厳密な報告をしないといけないんですか!?
帰宅時間に整合性を求められる……?
鬼嫁?
いやいや、そんな圧はないですよ! 家族で出かけるときにルートを共有するとか、そういう感じの使い方ですから……!
そんなに焦らなくても。
乗り換えに特化したアプリは「それ以外」の機能に個性が出る
ちなみに、「Yahoo!乗換案内」も徒歩ルートや時間は出せますか?
いけますよ! 住所やスポットで検索できて、徒歩ルートはYahoo!マップで表示されます。ちなみにジョルダンや他のアプリでも、スポット検索や徒歩ルートを備えているものもあるんですよ。
あ、ホントだ。「ジョルダン」も住所で検索できますね。
乗換案内の機能としては、もうほとんど網羅されて横並びになっているのかもしれませんね。あとは見た目とか、課金の有無とかの違いで。
そうですね。機能面で特徴があるものだと、「NAVITIME」は自転車ルートが検索できたりしますし、「東急バスナビ」みたいに事業者に特化したものもあります。見た目だと、「JR東日本アプリ」なんかはかなり異質ですよ。「乗換案内」というゴールがハッキリしているぶん、差別化も考えないといけないんでしょうね。
そうなるとやっぱりGoogleマップはちょっと異質な存在ですね。地図をベースに、乗換案内やレビューなどを内包した、総合プラットフォームになっている。
最近Googleマップのアイコンが「地図」から「ピン」に変わったのも、もはや「地図アプリ」ではない、というメッセージなんでしょうね。
どうしてもGoogleマップに話が戻ってきちゃいますね。Google恐るべし……。
他サービスとの連携が可能な「駅すぱあと」 交通費の自動精算も
岡田さんはどの乗換案内アプリを使っているんですか?
僕は国内では「駅すぱあと」ですね。デザインがシンプルで気に入ってるんです。機能自体は他のものとほぼ一緒ですが……。
「駅すぱあと」が開発した経路・運賃を探索するエンジンを、「Yahoo!乗換案内」でも使っているんですよ。なので基本機能は同じはずです。
あと、今までの目線とちょっと違う理由なんですけど、「駅すぱあと」はAPIで他のサービスと連携ができるんですよ。うちの会社が使っているサービスと駅すぱあとが連携しているので、そのご縁でアプリも使っている、という感じです。
どんなサービスと連携されてるんですか?
「RODEM」というサービスです。Googleカレンダーにあらかじめ決められた書式で予定を入れると、自動的に経路を検索して移動予定を登録してくれるんですよ。さらに経費精算サービスと連携させれば、予定を入れるだけでそのまま交通費を経費精算できます。
交通費をごまかせないから、悔しがる社員さんがいるかもしれないですね。管理社会だ。
経営者らしからぬ発言だ……。
でも、いちいち精算しなくていいので、営業の人はかなり使ってるみたいですね。僕はあまり外に出る仕事ではないので、そんなに使う機会がないんですけど。
海外ではGoogleマップ一択 旅のスタイルが一変した
でも岡田さん、プライベートではめちゃめちゃ海外に行ってるじゃないですか。海外で使うとなると、Googleマップ一択ですか?
そうですね。ほとんどの国でルート検索できますから。この前イスラエルに行ったんですけど、バスの乗り換えも完璧に出ました。バス停の位置もちゃんと出るんですよ。
昔と旅行の仕方が全く変わったんじゃないですか?
以前は現地に着いたらまずインフォメーションセンターを探して、マップを一式もらって……って感じでしたからね。今はレストランを選ぶのもGoogleマップでレビューを見ますし、ビフォーGoogleマップとアフターGoogleマップでは、旅のスタイルが全く違う。
でも海外って、外でiPhoneを取り出すと危険って言うじゃないですか。ひったくられたりとか……。
治安が悪い地域に行かなければ大丈夫ですよ。たまにGoogleマップで、けもの道みたいな細い道を案内されることがありますけど。そういう道は怖いので行かないようにしています。
Googleマップも「最短経路だから!」と善意で出してるんでしょうけどね。
そういうときは徒歩ルートじゃなくて、車のルートで検索するといいですよ。大きな道を通るようになるので。
なるほどー!
経験則もミックスして、最適ルートを見つける
乗換案内アプリに追加してほしい機能はありますか? 僕は「各駅停車限定の検索」がほしいんですよ。車内で仮眠したいときとか、集中して作業したりしたいときに、各停でゆっくり行くと何時に着くのか知りたい。
確かに、早く着くルートばかり出てきますもんね。
車内の混み具合だけじゃなくて「駅の混み具合」も知りたいです。電車は時間通りでも駅が混んでいると、乗換案内の通りに着かないじゃないですか。混み具合を加味して「プラス5分」とか出してほしい。
電車がホームに入ってきたときに、咄嗟の判断でどっちかわからないので「右側!」とか言ってほしいかな。
逆方向に乗ったときも教えてほしいですね。「逆です」って。
カーナビで言う「ルートを外れました」ですね。
結構やっちゃうんですよ。どちらかと言えば方向音痴だし、乗り換えも間違えがちなので。
乗換案内に頼りすぎるのもよくないですよね。
とはいえ、もう乗換案内なしの生活には戻れないですからね……。
やっぱり経験則って大事だと思うんです。あの駅は乗り換えで歩く距離が長いとか、どの駅とどの駅が近いとか、実際に歩いたことを覚えておけば、乗換案内の結果が出ても「ちょっと待て、このルートは遠いぞ」とかわかる。経験則と乗換案内アプリを、いかにミックスして活用するかだと思います。
そして、家を早く出ること。
とにかく、時間に余裕をもって行動すべし。
やっぱり結論はそうなっちゃうんですね……。
まとめ
Googleマップのように、地図やナビ機能など広範囲までカバーしたアプリを使うもよし。時と場合によっては、乗り換えに特化した乗換案内アプリを使うもよし。それぞれに特徴や強みがあることが改めてわかりました。そして忘れてはならないのが、アプリを使う側である、我々の方向感覚を鈍らせないこと。
乗換案内アプリは、「目的地までのルートを検索する」という役割を果たすもの。そこにどんな付加価値が付いているのかが、そのアプリの「個性」だと言えるでしょう。あなたの「推し乗換案内アプリ」には、どんな個性があるでしょうか。
(編集:ノオト )
※座談会は2月13日に行いました。
254 件のコメント
コメントするには、ログインまたはメンバー登録(無料)が必要です。
昔はこんなの無くて、今は便利な時代になったなーといつも思います👍
私も使用しています。
高齢の親と位置情報共有してます。
それから、まだ入れてないアプリがあるので試してみようかなと思いました。
情報発信ありがとうございます。