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退職届ほど出しにくいものはないと思っている。
以前、バイト先の会社を辞めるとき、退職届を出しにくくて退職時期を逃しまくっていたことがあった。
退職届を出すのは、単にすごく気まずい。気まずすぎる。インターネット世代の私からしたら、対面で手紙を渡すなんてハードルがめちゃくちゃ高いのだ。
今は会社には勤めていないけれど、知人が「会社に不満があるけど、辞めにくい」と話しているのを聞くと、気持ちが分かる。
気軽に素早く退職届を出せるシステムがあれば、こんな悩みも一発で解決できるはずだ。
今はテクノロジーの時代である。私は、自分の持つ全技術力を結集させて、「退職届を素早く出せるマシーン」を作ろうと考えた。
まずは設計図を書いた。遊戯王のデュエルディスクのように「腕に装着するタイプ」を考えている。なぜそうしたかというと、かっこいいからに決まっています。
ボタンを押すと2つのモーターが回転し、その間に挟まれた退職届が押し出され、退職届がスピード感をもって飛んでいく。そんな仕組みを考えた。上司に退職届を出す気まずさは、そのスピード感で解消される。と、私は考えている。
まずはモーターとスイッチをつなげる。モーターの回転する軸の部分にはラジコンのタイヤをつけた。タイヤがそれぞれ逆方向に回転し、間に挟まれた退職届を押し出す。たぶん、ピッチングマシーンからボールが飛び出すのと同じ要領だ。しらんけど。
スイッチはちょっと危険そうなデザインのものをチョイスした。このスイッチと先ほどのモーターを電線と電池につないでいく。
あとはひたすら木を切って、筐体を作る。
一応、自分の中ではビジネスグッズとしてこのマシーンを作っているため、デキるビジネスマンが装着しても違和感のないように、かっこいい黒色に塗ることにした。
はい、かっこいい黒色です。
あとは、板とモーターを組み合わせたら完成だ。
これが、「退職届を素早く出せるマシーン」だ。腕に装着することで、ファッショングッズとしても使える優れものだ。優れものなのだ。
しかし、これを持って街を歩いていたら、絶対に職務質問をされる自信がある。そんな見た目になってしまった。ビジネスグッズを目指して作ったのに……。
ただ、このボタンはめちゃくちゃかっこいい。絶対に押したらいけない感じが漂っている。
このタイヤの間に退職届を挟んでおくだけで、いつでも素早く上司に退職届を発射できる。
これを持ちながら仕事をすると、「俺はいつでも会社を辞められるんだぞ」と、メンタルが強くなる側面もあるかもしれない。
ボタンを押すと、このように退職届が吹っ飛ぶ。かっこいい。
さて完成したので、実際に会社で使ってみることにした。
冒頭でも触れたけれど、私には勤めている会社なんてない。なので今回は、いつも仕事でお世話になっている会社の社長に向けて使うことにした。
「お世話になっている、勤めていない会社の社長に退職届をぶっ放す」
勤めている会社で普通に退職届を出す以上に気まずいことになりそうだけど、ひとまず会社員になったテイで使ってみよう。
このマシーンを使って、社長に退職届を突きつけてやるぜ。
「あの、話があります」と、忙しいであろう社長を呼び止めた。
完全に、私の腕に注目しているけれど、ここで沈黙が生まれてはダメだ。何も考えずにスイッチを押して、素早く退職届をつきつけるのだ……! そしてスピード退職をするのだ。
ヴイーンというモーターの音がオフィスに鳴り響いた。
勢いよく退職届が飛び出していく。
ああ、こんなことして大丈夫だろうか。
いや、まあ、仕事はやりたくないし。
辞めるときくらい、好きに辞めさせてくれ。という気持ちもあるし。
退職届が社長まで届かずに床に落ちた。それを何も言わずに拾ってくれているのをただ傍観する。
「退職ですか」
「お世話になりました」
退職届を一回床に落として、それを社長に拾わせるという社会人的に最悪なことをしてしまった。というか、床に落ちた退職届を何も言わずに拾ってくれる社長がいる会社、絶対に辞めないほうがいい。
別の気まずさが生じた気がするけれど、これでスピード感をもって退職できる。すごい発明をしてしまった。
マシーンをもっとパワーアップさせようと思った。
会社を辞めた喜びをみんなに知ってほしい。そうだ、このマシーンに「会社を辞めた喜びを自動でツイートしてくれる機能」を追加しよう。
使うのはMESHというデバイス。この四角いものは、MESHの振動センサーだ。
これを使えば、モーターの激しい振動をしっかり感知してくれる。
「モーターが動いて振動を感知したら、アプリを通してTwitterで指定した文言がツイートされる仕組み」を作ってみた。
これを使えば、単に退職届を発射するだけでなく、その喜びをみんなにシェアできるのだ。
それでは、スイッチを押してみよう。
ヴイーンという音が部屋に鳴り響く。ツイッターを見てみると、
「平日の昼の風は気持ちいい」
そう、仕事を辞めて、みんなが働いている平日の昼間にぶらぶらすると、風が気持ちいいのだ。そんな気持ちを12文字にまとめてみました。いかがでしょうか。
我ながら情緒あふれるツイートだと思う。お〜いお茶のラベルの裏に書いてあってもおかしくないほどだ。これで、退職した喜びをインターネットの海原に放つことができる。だから何だというツッコミは心の中にしまっておいてください。
今回は、退職届を素早く出せるマシーンを作ってみた。
これできっと、日本社会に蔓延している「退職届が出しづらい問題」は解決へと向かうはずだ。はずなのだ。
退職届をなかなか出せずに困っている方がいたら、作ってみてはいかがだろうか。きっと、めちゃくちゃ怒られると思います。
(編集:ノオト )
しばらく頑張れそう。
遊戯王のように、自分の手でドローして、上司には手渡ししてほしいですが。
素晴らしいですが、マイネ王のスタッフブログでやる必要はないと思いました。
(他の企画のように、スマホとか自撮りとか、何らか関係があるものなら許容範囲ですが。)
電車で読んでたら吹き出した🤣
今月末退職でまだ退職届出してない私にはホットな話題笑
いつもYoutubeで笑いと元気をもらってます
まさかここで見られるとは 笑
ナイスです。
怒っていたらNGだと思います。
マイネオとマイネ王の違いも分からない
ユーザーですが
緑色の退職届けを作成するマニュアル回を
そちらで作成していただければ
一度、勉強させていただきます。
今後も面白い企画よろしくお願いしますm(_ _)m