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帰宅ラッシュで混み合い始めた駅の階段。大きな荷物を抱え、1歩ずつ階段を登るおばあさんがいた。
何人ものサラリーマンが、その横を急ぎ足で通り過ぎていく。私もその1人だ。
すると後ろから、大きな声が聞こえた。

「おばあちゃん大丈夫？！荷物持つよ！」

ハッと振り返るとそこには、おばあさんの荷物を抱えニコニコと笑いながら階段を登ってくる2人の少女がいた。
明らかに校則違反であろう、茶色に染めた髪と短いスカート、真っ赤な口紅の少女だ。

その光景を見た時、私は自分の偏見と器の小ささを恥じ、また同時に日本の将来に希望を感じた。
「今時の若者」も、日本の美徳をしっかりと受け継いでいる。
大切な事を忘れてしまったのは、「昔の若者」である私達なのかもしれない。

「令和」という新しい時代へ、大きなエネルギーをもらえた気がした。