AQUOS sense6 4GB/64GBのレビュー

色々と注意点も多く手がかかる新たな愛機

レビューする 端末

AQUOS sense6 4GB/64GB
SHARP
AQUOS sense6 4GB/64GB

通信キャリア

mineo(au)

総合評価

3.0

自身の愛機としては初の 5G 端末です。それ迄使っていた AQUOS sense plus SH-M07 のストレージが限界に近かった(買い替え時には残り 5GB を切っていた)事と OS のセキュリティアップデートの提供が切れそうな気配だった事を受けて機種変更しました。
実際使ってみるとこれ単体で見ても結構一長一短有って、加えて前世代に当たる AQUOS sense5G SH-M17 と CPU/RAM/ROM が全て据え置きという事や RAM6GB/ROM128GB の強化版、或いは CPU をスナドラ 690 から 695 に強化した AQUOS sense6s が後出しで出てきた事も有り、自分の様に 3 年以上前の機種から移る場合や、最近のミドルレンジ以上の機種からの買い替えの双方に結構注意すべきポイントが有ります。

スペックの面ですが、自分の様に 3 年以上前の機種からの買い替えやローエンド・エントリーモデルからのステップアップであればベースモデルの RAM4GB/ROM64GB でも余程アプリを沢山入れたりしなければ十分でしょうが、CPU が AQUOS sense4 系のスナドラ 720G から(5G モデムを内蔵するとはいえ)690 になる事も有り、過去 2 年以内のミドルレンジ以上の機種から移る場合には物足りなさを感じるかも知れません。(特にグラフィックスの重いゲームプレイがメインの場合は CPU の内蔵グラフィックス能力がスナドラ 7xx と比べて若干弱いのでそう感じるかも)
その様な方は、予算の余裕は有って待つ余裕が無ければ RAM6GB/ROM128GB の強化版、或いは CPU を強化した AQUOS sense6s を選択するか(とは言っても、強化版は CPU か RAM/ROM のいずれか一方の強化のみと一長一短)、そうで無ければスナドラ 7xx 搭載モデルの中から検討するかした方が良いと思われます。
また、本機に限らず AQUOS sense シリーズは伝統的に内蔵スピーカー(本体下部右側に有る)がモノラルなのに加え、AQUOS 系スマホは内蔵スピーカーでバリバリに音楽を聴いたりゲームをしたりする事を想定した音作りはしていない傾向が有る為、そういう使い方をする予定の場合は外付けのスピーカーやイヤホン、ヘッドセットは必須のつもりでいましょう。
加えて、AQUOS sense5G/sense4 系以前と違って本機ではイヤホンジャックの配置が下になった事で有線イヤホン・ヘッドセット等と一部のスタンドが干渉する様になった為、スタンドに乗せて音楽を聴いたりしている人は Bluetooth イヤホン・ヘッドセットに乗り換える事も検討した方が良いでしょう。

ディスプレイですが、AQUOS sense シリーズ初の有機 EL ディスプレイ(IGZO OLED と呼ばれる)採用機となっており、日向でも sense plus と比べて(特にダークテーマ時の)視認性が向上しています。
ただ、有機 EL の宿命として焼き付きのリスクが有る為、スリープ迄の時間はあまり長くしない方が良いでしょう。
加えて、採用実績がまだ少ない技術という事も有りディスプレイ周りのトラブルが各所で多数報告されており、自分の個体では軽度ですがスリープを解除する時に一瞬だけモザイク状になる事が有ります。

後、周辺機器やアクセサリーについては余計なコストが掛かるかも知れません。
指紋センサーがディスプレイ内蔵型の為、ディスプレイの保護フィルムを使う場合は指紋認証対応を明記している事と購入者の評判をきちんと確認してから選びましょう。中には指紋認証機能とは併用出来ませんと明記された製品が有ったり、対応を謳っていても精度が著しく低下する製品も有ります。(顔認証しか使わないとかであれば良いが、そうで無い場合は確認しないで買うと後で買い直す事になる場合も・・・)
また、ケースについても物によってはスタンドに置く時に干渉する場合が有る為、ケースを付けたままスタンドに置きたい場合は、本機用のケースであれば AQUOS 系スマホ用純正オプションのスタンド「ロボクル」に対応しているか否かの表記を一つの目安として下さい。

そして、それ以上に問題となったのが、充電環境です。
sense plus で対応していた急速充電規格の Quick Charge(QC)3.0 が AQUOS sense2 系以降では(R3 以降と zero シリーズも)非対応となっており、 本機で急速充電するには USB Power Delivery(PD)3.0 対応で 18W 以上の出力が可能な充電器が必要になった事で、USB PD の制約により充電器・ケーブル・スタンドを総入れ替えする羽目になり、むしろそちらの方にコストが掛かるんじゃね?という状況になりました。
本機に限らず 4000mAh を超える大容量バッテリーを内蔵する機種になると、急速充電無しでは充電時間が 3 時間近く(もっと大容量の機種だとそれ以上)になる為、寝る前にきっちりバッテリーが切れる様な使い方でもしないととてもやっていられないだけに急速充電の有無は重要です。
特にスタンドは前述の純正オプション「ロボクル」が急速充電に一切対応しておらず、また USB PD への対応を公式に謳う汎用の製品は選択肢が殆ど無い為に試行錯誤していますので、テーブル直置きが嫌という人はここを参考にして見て下さい。

USB Power Delivery 対応の充電スタンド | 掲示板 | マイネ王
https://king.mineo.jp/reports/172648

USB PD がスマホでも急速充電規格の主流になって来ていた 2020 年以降に発売された機種から移る場合はこの様な事態に遭遇する事は少ないのでは無いかと思いますが(その場合、急速充電が必要なら PD 対応の充電環境を既に整えている筈で、追加投資は必要無い場合が殆どだと思われる)、自分の様にそれよりも前のモデルから機種変更する場合は注意が必要です。

ちなみに、純正の AC アダプタ(SH-AC05)は USB PD にも対応していますが、前世代の AQUOS sense5G/sense4 系以前と違って別売りになっている上に高く付く場合が多く、しかもケーブル一体型の為に融通が利かないので、家でしか充電しないとか他に充電する機器は無いとかどうしても純正品でとか言う方以外は汎用性の面でもコスパの面でも他社製品をあたった方が良いと思われます。(sense4 lite の様な充電器との相性問題は今の所聞きませんし)

◆お勧め出来る人
・ローエンド・エントリーモデルからステップアップしたい人(ミドルレンジモデル入門用)
・2020 年より前のミドルレンジモデルから 5G 対応機に乗り換えたい人
・手ごろな価格の SIM フリースマホで eSIM によるデュアル SIM も有機 EL ディスプレイもおサイフケータイもある程度高性能なカメラ機能も複数の生体認証の選択肢も MIL-STD-810H 準拠の頑丈さもみんな欲しい欲張りな人
・簡単操作で扱える SIM フリースマホが欲しい人(AQUOS かんたんホームで対応)
・あまりゲームをプレイしない、してもあまり重いゲームはプレイしたりする予定は無い人(ビジネスライクな利用がメイン)
・音に拘りが無い人
・音楽や動画、ゲーム等のコンテンツは外付け機器で楽しむ予定である人(スピーカーやイヤホン、ヘッドセット等を持っている)
・ワンセグ・フルセグは必要無い、若しくは既に搭載機器は別に所有している人
・手が大きい人
・指紋認証は使う予定が無い人(顔認証で十分、等)
・新技術・採用実績の少ない技術に不安を感じない、むしろ興味をそそられる人
・USB PD に対応した急速充電が可能な環境を既にお持ちの人
・周辺機器・アクセサリーの出費を痛くも痒くも感じない人(まあ、そういう人はミドルハイモデルも選択肢に入って来るが・・・)

◆あまりお勧めしない人
・ミドルハイクラス以上、或いは 2020 年以降に発売されたミドルレンジ以上の機種の操作感に慣れきっている人
・生活圏・商圏が 5G エリア外の人(特にドコモやその回線を使っている場合は今後の動向に注意)
・メモリの消費量やグラフィックスの重いゲームを沢山プレイする、若しくはする予定が有る人
・音楽や動画、ゲーム等のコンテンツを内蔵スピーカーで楽しむ予定である人(ニッチなニーズではあるが、内蔵スピーカーの音に拘りが有る場合は避けた方が良い)
・ワンセグ・フルセグが欲しい人(と言っても最近の新製品では選択肢が非常に少ないが)
・スマホのカメラにあまり高性能を求めない人
・手が小さい人
・ディスプレイ内蔵型指紋センサーで酷い目に遭った事の有る人
・新技術・採用実績の少ない技術に何と無く不安を感じる人
・QC に対応していたモデルから機種変更する人(その場合は相応の追加投資が必要となる場合が有る為)
・周辺機器・アクセサリーの出費を抑えたい人

価格

4.0

今回、購入にあたっては 3 月まで行われていたセールの割引を適用しました。
MNP の場合程は割引が受けられなかったのは残念でしたが、5G 対応・オールキャリア対応・有機 EL ディスプレイ・eSIM・おサイフケータイ等ほぼ全部入りのミドルレンジという事を考えれば 4 万を切る価格なら悪く無いと思います。

ただ、RAM4GB/ROM64GB のベースモデルはスペックが前世代の AQUOS sense5G/sense4 系とほぼ変わらない為、比較的最近の機種から移る場合は可能であれば RAM6GB/ROM128GB の強化版、或いは CPU を強化した AQUOS sense6s にした方が(差額がそれ程大きく無いので)後悔しないと思います。

デザイン・大きさ

4.0

本体のサイズは 152×70×7.9mm、重量は 156g です。
AQUOS sense plus SH-M07 に有った上下の縁や物理的な指紋センサーが無くなった事で、6.1 インチに大型化した画面サイズとは裏腹に高さと幅はほぼ誤差程度ですが、厚みが薄くなり重さも金属筐体・バッテリー容量増加にも拘らず軽くなり、持ち易くなりました。
とは言え、AQUOS 系スマホの「片手モード」が画面垂直方向のスライドしか行えない(水平方向には縮小・スライドしない)事も有り、親指が反対側の端まで届くだけの長さが無い場合、余程器用で無いと片手では扱えないと思われます。
近年はコンテンツのリッチ化も有り、手が小さくても片手で扱い易いサイズ感の機種は絶滅危惧種となっているだけに、「片手モード」の機能については注意しましょう。

一方、sense plus では明らかに樹脂感丸出しの安っぽさが否めない筐体だったのに対し、本機は最近の機種では珍しいらしいアルミ合金製で、質感の面でも個人的には本機の方が好みです。
MIL-STD-810H 準拠の防水・耐熱・耐衝撃・その他諸々もこれなら納得がいきます。

賛否が割れそうなのはボタンの機能と配置、それにイヤホンジャックの配置でしょう。
本機に於いても左側に有るのは nanoSIM と microSD カードのトレイだけで、ボタンは右側に集約されており、上から順に音量ボタン、sense plus には無かったアシスタントボタン、電源スイッチの順です。USB Type-C 端子は下部中央に有り、その左側に sense plus(というより前世代の AQUOS sense5G/sense4 系以前)では上部に有ったイヤホンジャックが有ります。

アシスタントボタンは近年多くの機種で追加されているらしいボタンで、Google アシスタント(AQUOS 系スマホではエモパーに変更する事も可能)を呼び出すボタンなのですが、これが電源スイッチに近い場所に配置されていて、しかもその場所が sense plus 等一昔前のスマホでは電源スイッチの有った位置に近く、そういった機種から移って来る場合には誤操作しやすいので、各種アシスタントアプリを使わないのであれば AQUOS トリックから無効化しておきましょう。

操作性・使いやすさ

3.0

AQUOS sense plus SH-M07 ではプレインストールが Android 8.x だった為旧来の 3 ボタンナビゲーションでしたが、プレインストールが 11.x になった本機ではデフォルトがジェスチャーナビゲーションになり、これが思いの外使い辛かった為、速攻で 3 ボタンに戻しました。

また、sense plus(というより前世代の AQUOS sense5G/sense4 系以前)では物理的な指紋センサーが搭載されていたのに対し、本機では指紋センサーがディスプレイ内蔵型になった為、ディスプレイの保護フィルムを選び直す羽目になったり、普段はすんなり通っても屋外ではディスプレイが汚れたり指が乾燥したりすると何度やっても指紋を認識しない事が有ったり(普段は 8~9 割程度の認識率だったのが突然 5 割を切り、何回も失敗して生体認証でのロック解除が一定時間出来なくなる)といったトラブルが発生しました。
本機に限らずディスプレイ内蔵型の指紋センサーは結構この手のトラブルが多いらしいので、特に冬場の屋外では要注意です。
そして、sense plus にも有った 2 日程度連続稼働させていると突然生体認証(顔認証も含む)によるロック解除を受け付けなくなり(PIN やパスワードを入力しないとロックを解除出来ない)、その度に OS を再起動しなければならなくなる不具合は本機でも健在でした。(最早これは仕様なのか?)

Android のメジャーバージョンアップは、プレインストールの 11.x から 13.x になっており、恐らくはこれで打ち止めと思われます。
途中、12.x で生体認証周りを中心に大幅な改悪が有り(これについてはコメント参照)、生体認証で利用する事が困難になったりもしましたが、現行の 13.x では使い勝手も改善され、11.x と同程度の感覚で扱える様になっています。
一方、セキュリティアップデートについては 2025 年迄サポート予定とされていますが、直近は 2023 年 11 月分を最後に半年程更新されておらず、滞りがちになっています。

バッテリー

3.0

第一印象としては、思った程は持たないかな、でした。
容量自体は AQUOS sense plus SH-M07 の約 1.5 倍になっていますが、感覚としては自分の使い方では 2 日程度持てばいいかな、といった感じです。
ただ、これは sense plus には無かったインテリジェントチャージ機能を有効にしている為に 90% でフル充電扱いになる事も有るのでしょうが。(ただしバッテリー性能を確認する為 1 か月に 1 回程度意図的に 100% 迄充電する様だが)
こればかりはバッテリーの寿命を犠牲にしてでも連続稼働時間を重視するか、稼働時間と引き換えでもバッテリーを長持ちさせる事を重視するかで変わって来るでしょう。

一方で、自動調整バッテリー機能に関しては注意が必要です。
デフォルトでは有効になっているのですが、この状態ではスマートウォッチ等の Bluetooth 機器とのペアリング・再接続に支障が出る為、機能をオフにしたり Bluetooth 関連プロセスを電池の最適化から除外する等の対策が必要です。
以下はドコモ版 AQUOS sense4 SH-41A でのものですが、本機でも有効なので参考にして下さい。

価格.com - 『Bluetoothがオンにならない』 シャープ AQUOS sense4 SH-41A docomo のクチコミ掲示板
https://bbs.kakaku.com/bbs/J0000034430/SortID=24059307/

後、Android 10.x 以降(本機のプレインストールは 11.x)ではもしかしたら改善されているかも知れませんが、自動調整バッテリー機能が有効だと却って消費電力が増大する場合が有るそうなので、もし 1~2 か月程度使ってみて電池持ちが改善されないと感じたら無効にして改善するか試してみて下さい。
これについては以下をご覧下さい。

XperiaやAQUOSでAndroid 9.0アプデ後にバッテリー異常消費、原因は「自動調整バッテリー」かも | スマホ評価・不具合ニュース
https://sumahoinfo.com/?p=31457


2 件のコメント
1 - 2 / 2
Seifer
Seiferさん・投稿者
エース
注意喚起です。

現在、Android 12 へのアップデータが配信されていますが、これを適用すると、画面ロックを解除しようとした時に「デバイスが手動でロックされました」と表示され PIN やパスワードの入力が求められるようになり、生体認証による画面ロックの解除がほぼ不可能になります。

また、Android 12 ではロック画面の時計表示がダブルラインになり、これによって指紋認証エリアが塞がりロック画面での指紋認証が不可能になりました。この仕様は他の Android 12 機種利用者の間でも賛否が分かれており、設定で元に戻せる機種も有るそうですが、現時点では本機種を含む SHARP 製品ではその設定は無く、端末リセットで Android 11 に戻すしか無い模様です。

Android 11 でお使いの皆様で、生体認証をフル活用されている方は、最悪端末のリセットが必要になる為、アップグレードは避けた方が良いでしょう。
Seifer
Seiferさん・投稿者
エース
もう一つ、Android 12 へのアップグレードに関連した注意喚起です。

2 日程度連続稼働させていると突然全ての生体認証によるロック解除を受け付けなくなり、「追加の確認のため PIN が必要です」と表示される問題ですが、Android 12 では半日程度連続稼働させるだけで「追加の確認のため PIN が~」と表示されて生体認証が機能しなくなると云う大改悪がされている事が分かりました。
Android 11 以前の仕様でも何の為の生体認証かと思える仕様でしたが、これでは生体認証の存在意義が壊滅する大改悪であり、生体認証をフル活用しているユーザーお断りの仕様です。

繰り返しになりますが、生体認証をフル活用しておられる方は最悪端末のリセットが必要になる為、アップグレードは避けて下さい。
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