【小ネタ】リアル脱出ゲーム😰

【画像は参考です】
数年前の事件を面白おかしく書いてみました😨

悲劇は突然起きた。
駅間がやたらと長い通勤電車。
途中で催したらどうする。
駅で用を足すか。
否。降りたところでお手洗いがあるとは限らない。
（近年、整備はされている）
で言うか降りてしまったら、次の電車が来るのは最長で30～40分後。
そんなに長い時間、何もないホームで待ってられないよ。
というワケで重宝するのが車内のお手洗い。

いつものように機嫌よく用事を済ませ、開ボタンを押忍！

アレ？

あきまへん。
あかんがな。

そう、何をやっても開かないんだ。
鍵を開けたり閉めたり、ボタンをバチバチ連打したり。しかし扉はビクともしない。
スマフォの脱出ゲームみたいに辺りを見渡しても、隠しスイッチや便利アイテムみたいなもんは見当たらない。
鞄をごそごそすると、作業着の中に数本のドライバーがある。
こじ開けるか？
いや、後で壊したとか言われるとウザい。ふつうの扉でも幾らするか知らないけど、電車の扉なんか恐ろしい価格のハズだ。
他に何かないか？
あった。同僚に旅行のお土産で戴いた地酒のワンカップ。
役に立たない。酒飲んでお手洗いに行きたくなったら……って、ここはお手洗いか。

あっさりと策は尽きた。
仕方ない。騒ぎは起こしたくないんだけど……

非常用のブザを鳴らすと、車掌さんが飛んできた。
「お客さま、如何なさいましたか？ご気分でも……」
閉じ込められて気分が悪いのは間違いないけど……
『ロックを解除しても扉が開かないんだ』
「すみません、すぐこちらから解除しますんで…って…あれっ？」
ガチャガチャ音がするものの、開く気配は一向にない。
「お客さまっ！落ち着いてくださいっ！」

オマエが落ち着けっ！
「つ、次の駅で人を手配しますから、暫しご辛抱を！」

次の駅に着いた途端、周りが急に騒がしくなる。
ロックを破壊するかこじ開けるのかは知らねど、不測の事態に手間取っている様子が伝わってくる。
「もう少しの辛抱ですよ！」
その少しが長えよ。
「頑張ってください！」
お前が頑張れ。

こりゃ当分無理そうだ。
仕方ない。運が悪かったと思って諦めよう。

軽い溜息とともに、鞄から例のモノを取り出したその瞬間……

ぷしゅっ（ワンカップの蓋が開いた音）
ばんっ！（扉がこじ開けられた音）

「大丈夫ですか、お客さまっ！」
『あ😰』


気まずいったらありゃしない😱