高級機材の集合体であって携帯電話でもスマートフォンでもない
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総合評価
カメラやスピーカーやディスプレイや45度以上発熱しないよう調整された高性能SoCなど見どころは沢山あるはずのスマホ。薄型軽量でSDもeSIMもイヤホンジャックもハイレゾBluetoothもfelicaも入ってる2024年の大本命かと思われたが、その実情はあんまり良くないと感じた。
正直イヤホンジャックの音質を目当てに買ったのだが、「良くなった」のは過去機種のXPERIAと比較して、だなと思った。出力が低すぎて痩せた音にしかならない。果たしてSONYはこれに自社のどのイヤホン・ヘッドホンを挿すと良いといえる商品を持っているのだろうか。いや、あったら一緒に勧めているはずだと思う。
ディスプレイも普通に綺麗…を超えない。が、ソニーが用意している映画配信アプリを試したらやりたいことが理解できた。ドルビーだとかHDRだとか色々並んだ配信ラインナップを視聴すると、確かに凄い画質に音響だ。
でも、それって他はどこで体感できる?ここだけでは?
おまけに用意されているラインナップはマイナーな洋画とマーベルだけで少ないし、UIも最悪。
カメラは地味目な写りに加え補正がまだ足りないので難しい。ズームレンズはボヤボヤ色薄でアガらない。
推奨品のネクストレージ製SDを買ったが書き込みが遅くて次の撮影にすぐ移れないのもストレス。
そして一番問題なのがソフト面が不親切なこと。
例えばレコーダーアプリが標準搭載されていないとか、ギャラリーアプリが無いのでGoogleフォト頼りだとか、ランチャーアプリのXPERIAホームはアプリ整理が使いにくいとか、なんかもうほんときりがない。
一番謎なのが写真編集アプリを用意していないこと。動画編集アプリがあって何で無い?色々フィルターをカメラアプリに搭載しといて何で無い?フィルター、撮影後でもかけられるでしょうに。なので撮った写真も手軽に良い編集が出来ないのも不便で不親切に感じる。
それからイヤホンジャックの位置。物理ボタンが全て本体右側面に配されているのだから左向きに倒して横持ちするだろうに、あろうことかイヤホンジャックの位置は頑なに左上部についている。普通に不便だし不格好に感じる。右倒しにして持つと必ず右手の指がカメラにかかるので指紋が付く。
あと、ワイヤレス充電端子の位置が少し下に付いているので平置き方の充電器と相性が悪い。正位置に置こうとすると重心がずれてずり落ちてしまう。不便。
それとリバースワイヤレスチャージは一分以上使えた試しがない。本体が高温になるのを極端に嫌がる為だ。不便。
またいたわり充電と銘打っているが、一定の割合までで充電を止める機能しか付いていないのでそこまでの充電は問答無用で最大出力になる。ので、端末が高温に晒されることになる。いたわりはどこへ?他社製品では入力電力の加減機能が何世代も前のモデルから付いている。この高温を見せられて「いたわり」と言われても……わざわざ古い低出力の充電器を使った方が低電力で発熱を抑えられる。
宣伝で言っていることと実際にやっていることに乖離が見られて期待を裏切られた気分になる。それと、開発者がどのような使用を想定して作っているのかが微妙に分からない。もしかすると色んな部署が自分の担当するモジュールだけを向いて作ったものの集合体にしかなっていないのではないか。それぞれのモジュールが連動しておらず、複数の機能がそれぞれ単体でしか動くことを想定していないのではないか。とにかく、使いづらい。少なくともカメラアプリはビューワーアプリと連動して撮影編集閲覧までシームレスに動いて欲しい。そういう連動がないので総評が「使いづらい」に収束する。
そういえば本体カラーは赤なんてチャレンジングな色を出したのはいいが他の色は地味で抑えめで凄くオジサン臭い。おじさんが好きそう。白なんて何このくすんだ色。もっと発色して欲しかったし、緑はもっと濃い緑が良かった。
バッテリー持ちも良くなったのはディスプレイだけでSoCを動かせば普通に減るし、充電も遅くて物足りない。リバースワイヤレスチャージは文字通り使えないし、電池周りの機能は特に期待外れで残念だった。
反面、ソフトウェア面のケアが充実すれば途端に「使える」スマホになると思う。アプリ同士の連携がしっかり出来、充電周りの制御が出来るようになり、ある程度の温度上昇を許容できる様になれば良い機種になるのではないか。
ひとつひとつ単体の機能は光るものがあるだけに、それを統率出来ていないバラバラ加減が非常に残念なスマートフォン。全てがバラバラの方向を向いていて、閉塞感を感じる。日本のサラリーマンらしいと言えばそれまでだが…。
少なくとも他の方は従来比でスピーカー・イヤホンの音質共に向上、カメラも画質や使い勝手が良くなったと絶賛しています。
因みにXperiaのスピーカーは、他社と異なりステレオ感よりも音の広がりや深みといったサラウンド感を重視したチューニングをしているので、確かに音は控えめかもしれません。
しかし、「出力が低すぎて痩せた音にしかならない」というのが意味が分からず、それってあなたの感想ですよね?という印象です。
それならば、始めからGalaxy S24 Ultraでも良かったのでは?
こちらの方が恐らくあなたの期待通りの製品だと思いますし、実際各レビューを見ても世界シェアトップらしい文句なしの仕上がりです。
そもそも、Xperia 1 VI自体こうして態々文句ばかり書くような人が態々19万円も出して買うべきスマホではありません。
因みに1 VIIの文鎮化に関しては、自社製造ではなく中国の製造工場に委託した事が原因と言われているので、SONYだけが悪い訳ではないです。
長文になってしまいましたし、私はSONY信者でもなく純粋にXperiaが好きな人間ですが、当時からあまりに酷い言い様をされていると思ったのでコメントさせていただきました。
ただ、あくまでも個人の感想なので批判は構いませんが、今のハイエンドは安くないですから、自分の満足の行く製品を買うべきと思います。