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AIを活用したサービスが次々と生まれる現代。最近では「AIによる故人再現サービス」が登場しています。簡単にいうと、故人の写真や動画データをAIに学習させて、まるで故人が復活して話しているかのような動画を制作するサービスです。
なかでも話題となっているのが、葬祭サービス「さがみ典礼」を運営するアルファクラブ武蔵野のバーチャルAI故人サービス「Revibot(レビボ)」です。葬祭事業を手掛ける会社がなぜこのようなサービスを始めたのか? どんな人が、どんな理由で依頼するのか? 同社の広報担当・石井記恵さんにお聞きしました。
——はじめに、バーチャルAI故人サービス「Revibot」の概要について教えてください。
生前のホームビデオや写真、音声データなどをAIに学習させ、故人様の人相や声の特徴、話し方のクセを再現し、まるで故人様が話しているかのような動画を作成するサービスです。
ご遺族様に「もし生きていたら、きっとこんな話をするだろうな……」と想像してもらい、話す内容を考えていただきます。その原稿に沿って「AI故人」がしゃべる映像を作成します。
——なぜ、このようなサービスを始めたのでしょうか?
世の中の動きをみると、核家族化や長寿化、人口減少などにより、葬儀の規模が縮小しています。いまは家族葬がメインであり、さらに「墓じまい」や「仏壇じまい」も進んでいる状況です。これまでは、手を合わせれば故人様を思い出せる場所が身近にありましたが、その場所自体が失われつつあるのです。
しかし、そういう時代にあっても故人様をしのぶ思いは普遍的なものです。であれば、テクノロジーを活用することで、新しい弔いのサービスが提供できるのではないか。そんな考えのもと、先端技術を活用したサービスを幅広く展開しています。その中の1つがRevibotです。
——ほかにもテクノロジーを使ったサービスがあるのでしょうか?
はい。Revibotより前に、メタバース霊園「風の霊」というサービスを開始しました。お墓がない方や、距離が離れていてなかなかお墓参りに行けない方でも、メタバース上で故人様を供養できるというサービスです。そこからRevibotの構想も生まれました。
——バーチャル墓参りのサービスから、「AI故人」へと展開していったんですね。AI故人の動画制作は、どのように進めるのでしょうか?
技術面は、株式会社FLATBOYSの「NOW ON "AI"R(ナウオンエア)」というサービスを活用しています。
故人様1人が1分程度話している映像が残っていれば、AIに学習させることで動画を作れます。ただ、素材がVHSに残っている古いアナログデータしかなく、ご希望に沿う動画にできなかったケースもありました。現在は改良を進めており、写真と数秒の音声だけでも完成度の高い映像を提供できるようになってきています。
「Revibot」で生成した実際の動画
https://www.youtube.com/watch?v=b87eYRKQfvo
——制作にかかる期間や費用はどれくらいですか?
期間は基本的には3日程度としています。ただ、「告別式に間に合わせたい」「1分半程度の映像でOK」ということであれば、翌日のご用意も可能です。20~30分話す動画を作りたいとなると、もう少しお時間をいただきます。
制作費は、初期費用が9万9,800円~となっています。元素材の状態によってはノイズキャンセリングの作業が必要になりますし、長尺をご希望の場合には少し費用が加算されます。加えて、データ保管費が月980円かかります。
——保管費用というのは?
告別式用に作った動画を、メタバース霊園上で何度も見ることができます。また、「お盆に合わせてこんなメッセージを新たに作ってほしい」といったご要望にもお応えできます。そのためのデータ保管費用ですね。初期費用をいただいているので、2回目以降の新しい動画については、もっと安い金額での作成を予定しています。
——AI故人の動画は、どのように活用されているのでしょうか?
想定していた活用方法は主に3つです。1つめが告別式で、遺影を映しているサイネージのお写真が映像に切り替わり、AI故人から会葬者の方々にメッセージを伝えるケース。2つめは、納骨堂の参拝台にもサイネージが搭載されつつあるので、お墓参りに来た方に「よく来てくれたね」といったメッセージを流すという使い方です。3つめはメタバース霊園「風の霊」で、登録すればいつでもAI故人の映像が見られます。
ただ、サービスを開始してみると、想定していなかった要望が寄せられました。
——葬儀以外の使い道もある、ということですか?
はい。例えば、お父さまやお母さまが早く亡くなられており、結婚式で流す用途として動画メッセージを作りたい、とか。他にも、約20年前にお子さまを亡くされた方から「家族だけで見るメモリアルムービーとして作りたい」というお問い合わせもありました。
最近は法人さまから「会社の周年記念に、亡くなった創業者や先輩方のメッセージを作りたい」といったご相談も増えています。
——依頼者とのやりとりで気を付けていることはありますか?
当社は今年64周年を迎えました。長年にわたり葬儀に携わってきたからこそ、Revibotについても依頼者の思いに寄り添った提案を心がけています。
例えば、天寿を全うされた方の再現は、少し本人と違うところがあってもご納得されることが多いんです。一方で、「お子さまが病気や事故で亡くなられた」というケースでは、ご遺族の心の中に在りし日の姿が強く残っているので、ちょっとした違和感が気になってしまうようです。そうなると、せっかくグリーフケアの観点で行っているサービスにもかかわらず、余計に傷つけてしまうことになりかねません。
——「グリーフケア」というのは?
簡単にいうと、死別の悲しみを抱えるご遺族をケアしたりサポートしたりすることです。両親やお子さまなど近しい人を亡くされた場合、生前と同じような生活に戻るまでには5年ぐらいの期間がかかると言われています。
——心が立ち直るまでに時間がかかる、と。
そうですね。従来の葬儀では、職場の同僚やご近所の方が集まって、「こういう人だったよ」「こんなことをしてもらったんだ」といった話を聞いたり、葬儀後もまわりの方がケアしてくれたりする機会がありました。ところがいまは家族葬が中心で、場合によっては喪失感を1人で抱えていかなければなりません。Revibotは、そういったご遺族をサポートする意味合いもあるんです。
——完成したAI故人の動画を見た方の反応や感想はどうでしたか?
AIで作った動画とは気づかない方がほとんどですね。「生前にこんな動画を撮っていたのか」と思うくらい、完成度が高かったというご意見をいただきます。また、自分たちが考えた原稿をAI故人が読んでいるにも関わらず、ほぼすべての依頼者が涙を流していました。
ある方からは、「おじいちゃんなら、きっとこんなことを話すよね」と家族で意見を出して考えたことが、故人様を想う時間につながった、という声もいただきました。「動画の完成度だけでなく、メッセージを考える過程も大事なんだな」というのは気づかされましたね。
——Revibotのサイトに「社内倫理委員会」を設置している、と書いてありました。具体的にどういう活動をされているんでしょうか?
某大学との共同研究や、AIリスクおよびグリーフケアを研究されている大学教授など有識者をお招きした議論を進めています。
例えば、ご遺族様とAI故人で双方向の会話をする、といったシステムも技術的には可能です。ただ実際には、1人の人間であっても「家族に見せる顔」「職場で見せる顔」など、相手によって少し人格が異なることもありますよね。それを1つのAIに学習させてしまうと、ご遺族の記憶と異なる別の人格が生み出されてしまう懸念があります。
倫理委員会で議論を重ねたことで、「対話型ではなく、ご遺族様が考えた原稿を読み上げるほうがよい」と、サービスの輪郭ができていきました。当社は技術の背比べをするつもりはなく、グリーフケアや心の支えにつながることを目的としているので、そのような判断に至りました。
——ネット上では「遺族がAI故人に依存してしまうんじゃないか?」といった意見が見られます。
倫理委員会でも議論にあがり、グリーフケアの専門家から「忘れることも大事なこと」と教わりました。だからこそ、永久的に残るものにはせず、「もう大丈夫だ」「立ち直ったよ」というタイミングでいつでも削除できる状態にしています。動画データを納品するのではなく、データ保管費をいただき当社側で管理しているのは、そういった理由もあるんです。
あとは改変の問題もあります。映像データを納品する場合、改変して「遺産はすべて○○に……」といったメッセージを捏造されてしまうリスクも考えられます。そのため、ご遺族様であってもデータはお渡しせず、サイネージやメタバース霊園内に限定して映像を見られるようにしています。
——その他にも、「死者への冒涜だ」といった意見もあるようですね。
ご遺族様が許可しているかどうかが大きなポイントだと思います。Revibotはご遺族様や、法人であれば責任者の許可を得たうえで故人様のコメントを用意するので、今のところ「冒涜」といったご意見は当社には寄せられていません。ただ今後は、生前に許可を取れるようにしていきたいです。
——「死後にAIで復活させることを許可しますか?」といった同意を生前にとっておく、ということですね。
亡くなったあとも、尊厳は残ると考えています。例えば、故人様の日記をAIに学習させれば、人格を作ることができます。でも本人としては、「この日記は誰にも見せたくなかった」ということもあるかもしれません。「死後どこまで開示するのか?」「どこまでAIに学習させるのか?」など、終活の土台を作っていく点も課題だと感じています。
——最後に、今後の予定などあればお聞かせください。
いま開発を進めているのが、デジタル仏壇です。仏壇の前で手を合わせるとカメラで顔が認識され、「ご家族向け」「会社の同僚向け」「お友だち向け」など、その人に合わせたメッセージをAI故人がしゃべるというシステムです。
新しい技術やサービスの導入に関しては、社会的影響やリスク、倫理観などを慎重に評価しなければなりません。倫理委員会で引き続き議論をしていきます。
長年にわたり葬祭事業を手掛けており、ご遺族に寄り添っている会社だからこその深い話が聞けました。とくに印象的だったのは、家族葬や墓じまいによって、故人をしのぶ場所や機会が失われつつあるという点です。
「AI故人」と聞くと、やはりまだネガティブな印象を持つ人が多いかもしれません。しかしテクノロジーが進化すれば、人々の弔いの形や倫理観もまた変化していくのではないでしょうか。あなたはどう思いますか?
取材協力・画像提供:アルファクラブ武蔵野/バーチャルAI故人サービス「Revibot」
編集:ノオト
(例えばYoutube作っておいて、遺言にURL書けば良いので…)
ただこう言ったサービスは考え方の一つであって、否定する気はありません。
利用したい人は利用する機会があるとそれなりに便利だと思いますが、個人の考え方によると思います。
スマホもそうでしょうけど……。
あと、身も蓋もない話になりますが、結局は初期費用を出せるか……ですよね……。
AIは、え〜会い〜!今のご時世ですね🏳
死は眠りなので起きて来るまではそっと寝かせて寝😴🐾
わたしは、この手のことへのAI利用、興味がありません。
そもそも それぞれの心の中のこと。
はっきりいえば、私には余計な話。
盛り上がっている方々は、どうぞそちらで。
歴史上の人物をAIで、、再現したかのように、、が良いところ。
一時的な流行でしかなさそうにも感じるけど、
宗教関連にもAIが進出してるのね!
私は、生きている今がすべてで、だからこそ大切にしないといけないと思っています。なので、このようなサービスは利用しないと思います。
AIは、似たようなそれっぽいものを作っているにすぎません。
死別の悲しみを癒してくれるのは、時間だけです。
必要とすれば利用すればよい
私には不用ですね
命を頂いてから 、皆
日々、
死に向かって歩みつづけているんですよ…ね
そこそこの費用ですね、ご遺族にずっと見守って頂くのには残したいものですね?
直接の遺族が居ないので、、、、、
私的にはAIは不要です。
非常にAIは便利ですが、
歴史上の人物で
パビリオン的な物なら良いかな?
そのうち脳を取り出して繋いだりするのかな
人生には必ず区切りが必要な時が来る。😇
自分が旅立つ側になった時は、引き際をしっかりとしたい。
送る立場の時は、過去を思い出すきっかけとなる写真や遺品が最低限あればいい。
映画やアニメで作品テーマとなる時同様に、『人生は限りがあって輝くもの、価値が有るもの』と考えます。
AIで作成された動画が心の拠り所になる点は確かにあると思います。
ただ、人間は年を重ねると記憶が曖昧になっていく。
本当の記憶が全ていい思い出とは限らないが、都合のいい記憶に置き替わってしまって、本来の故人や思い出を忘れてしまう事が幸せなのかとも思います。
話は逸れますが、この手のサービスを利用する場合は然るべき関係者にそのことを連絡して、専門家を通して法的効力のある遺言を確実に残して置くのが必要だと感じました。親族間のトラブル防止と、データが流出して悪意ある第三者に利用されない為にも・・・
話が重くなってしまったので最後は軽めにいきます。
AIを上手く、面白く活用すればネタによくある『故人の感想です』が実現できるんですね。
城や武将にまつわる博物館で歴史の再現とか、ifのドラマが観られるといいかな。
例:信長が本能寺から生き延びていたら...とか、関ヶ原の戦いで東軍が敗北していたら...なんてどうでしょう?
長文失礼しました。(*`・ω・´)ゞシュピ
肉親であっても、死んだ後まで世話をしないといけないのは、面倒だから_(:3」∠)_したくないんだよ
「墓じまい」や「仏壇じまい」をしても、自分の存在が、親や兄弟や祖父母などとの繋がりを証明しているから、嫌でもその縁は切れない。せめて、「墓じまい」くらいさせてもらって、放っといて欲しい。
そんな想いが「墓じまい」や「仏壇じまい」に繋がっているのではないだろうか?
何をするにしろ、生きている者の自己満足の為の所業だろう。
自分の死後に勝手にそんなものを創られていたら、化けて出てきて説教してやろう。(笑)
今創っている人達も、そうして出てきて欲しくて創っているのかな?
未来は、お化けが沢山いる世界になっていたりして!:;(∩º﹏º∩);:
www
技術の進歩がいままでできなかったことができるようになった。
それに伴い新たな問題ができた。
技術的には可能だが運用で制限をかけた。
とてもいいと思いました。
生きている人は、使っていると思って接している相手がAI ではなく、本物になっていたら、どんな物語が生まれるだろう?
いつ本物だと気がつくのか?
本物だと気がついたら、どうするのか?
永遠に死なないAI 家族と幸せに暮らせるのか?
電源切ってもクラウド上にコピーが沢山いて、電車に乗ったら広告が流れる所に出てきたり、コンビニ寄っても広告が流れる所に出てきたり、学校や会社に行ってもパソコン上に出てきたり、スマホを使うと「そんな物をつかっているんじゃない」と言いに出てきたり、
どこへ行ってもデジタル機器上にネットワークが繋いであれば、どこからだって出て来れるという悲劇。
ウルサイ母や父が四六時中付きまとってきたら、、、
究極のストーカーだね。迷惑な話です。(笑)
そんな世の中になりませんように。
心の中だけで生きていてほしい
思い出を美化するためにも
時間は優しくもあり厳しくもあり
いつまでも思うことは良いと思うが、孫やひ孫・・・・まで残ってとは迷惑ではと。
🐚:死んだ後の事は分からないので見られようが、どうされようが故人には分からない。
遺族しだいかなと思います。
最近では葬儀を家族だけで行うケースも増えているようですし、最終的には故人と家族が納得しているかどうかが大切なのかもしれません。
AI技術の進歩は素晴らしいと思いますが、故人の画像を残すのは考えものかも?です。
何処かで見たのですが、短い音声だけをぬいぐるみに埋め込んでいて、たまに聞き懐かしんでいる位で良いのかなと思います。
(^thank^)/♪🦉
AIの活用は時代の流れとは思うのですが、個人的には心の中で思い浮かべる程度で良いのではないかと思います。
葬儀の場でも、遺影で十分故人を偲ぶ役割を果たしていますのでAIまでは必要がないかな。
人は死ぬからこそ美しく、人の出会いは一期一会なはずです。
そういう意味で私はそこまでしてほしくはありません。
私は「死んだら終わり」で良いのではないかと思います。
生きている方々には思い出としてその後も生きて行くわけですし…。
15年も早まってしまいました。
故人を偲ぶために名を残す文化ができ、姿や声を残す技術が利用されてきた歴史があるわけで、当然ありうる流れかなと思います。
少し前に美空ひばりの声と姿を再現して新曲が歌われたときには「当人が言ってもいない発言をしているかのような絵が作られる」と懸念する人が出てきたものですが、もはやトランプさんやプーチンさんあたりのそういう映像が作られてもおかしくない世の中になりました。
故人の動画を見ると、当時に引き戻され涙が溢れます。私達家族は、日常を取り戻すために、今は見れません。見ません。
年月が経ち、本当の意味で気持ちが落ち着いたら見られるかもしれません。
AI故人サービス、賛否両論だと思いますが、私は静かに去りたいです。
自身ならと考えましたが、今はまだどうしたいか分かりません、第三者があれこれ言うべきではないと思います
やるのも自由。
やらないのも自由。
いけないのは、相手を批判する事ではないだろうか。まして故人を尊ぶか否かなんて…
映画より小説(本)で読んだ方が作品が生きているそんな気がするのと同じでしょうか。
これが正解と言った答えは、無い問題だと思います。但、個人的には、具体的な映像がなくとも、折に触れ、想い起こすことが供養になるのではないかと。