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iPhone全機種を使ったマニアに、歴代iPhoneを100点満点で採点してもらった

辰井裕紀

ライター:辰井裕紀

ローカルネタ・卓球・競馬などが得意のライター。過去に番組リサーチャーとして秘密のケンミンSHOWなどを担当。

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2008年に登場したiPhone 3G 。そこからiPhoneの快進撃は始まりました。

もはや日本では「スマホ=iPhone」と言えるほど圧倒的な人気で、知名度No.1スマートフォンとして君臨し続けています。

そのiPhone、これまで登場してきた歴代機種たちは、果たしてどれぐらいのデキだったのでしょうか。

そこで、歴代iPhoneを「発売当時で見た完成度」を基準に、100点満点で採点していただきました。なお、あくまでも独断による採点ということであしからず。

自他共に認める、アップル製品マニアのライター・松山茂さん

今回お話を聞く松山茂さん(@smatsuyama )は、最初期のMacintoshからアップル製品を愛用し、それに関する著述活動を中心に活動してきたライター。iPhoneはこれまで、国内で販売された中では最初の3Gから全機種を使用し、iPhoneに関する多数の著書を残しています。

そしてこちらが、松山さんの採点結果。先にお見せします。

最低点数はiPhone 6の65点、そして最高得点は、2020年に発売された第2世代のiPhone SE(以下、iPhone SE2)で90点という結果になりました。はたして、その理由は……!?

それでは発売順に、評価内容を聞いていきましょう!

iPhone 3G(70点)

松山さん
どの機種も当時は買えたうれしさで「100点」なんですけれども、冷静に見ると最初のiPhoneなんか、機能的にもひどかったですね。

記念すべき日本初登場モデル、iPhone 3G

——採点は70点ですが、マイナスポイントはどのあたりでしょうか?

松山さん
当初はコピーアンドペーストさえできなくて、機能があまりにも貧弱でした。あと当時のキャリアメール代わりの「Eメール(i)」【※1】が完全なプッシュ配信【※2】に対応していなかったり、ガラケーの人へ送ってもPCメール扱いになって届かなかったりしましたね。
※1 iPhone、iPad専用のメールサービス
※2 メールサーバーに到着したメールを即座に送受信できる配信方法

——実用性は、まだまだと。

松山さん
でもデザイン的には曲線がきれいで一番美しいと思うんですよ。ガラケーと2台持ちして弱点を補う人が、アップルファン界隈でも多かったです。

手のひらになじむ曲線は3Gならでは

iPhone 3Gs(80点)

iPhone 3Gs

——見た目は3Gと同じですが、10点アップしていますね。

松山さん
プロセッサ性能がアップして、3Gがめちゃくちゃ遅く感じるほどにパフォーマンスがアップしました。カメラ性能もオートフォーカスやホワイトバランス、ビデオ録画に対応してグッと強化されましたね。

iPhone 4(75点)

iPhone 4

——実用性が増してきた3Gsに続く、4はいかがですか?

松山さん
さらに安定してきました。Retinaディスプレイもキレイだし、カメラも良くなってきて。当時は何で前面カメラが必要なんだろうと思ったんですけど、先取りしていたんですね。

——今では自撮りやビデオ通話、顔認証にも前面カメラが使われていますね。

松山さん
ただ角があるデザインが当初は「ごつごつしてていやだ」という人が多かったですね。

iPhone 4s(75点)

iPhone 4s Photo by Ken Yamaguchi

——4sは75点ですが、当時はどんな感じでしたか?

松山さん
ガラケーとの2台持ちを卒業する人が増える完成度でした。グラフィックや背面カメラの性能もよくなりましたし。あと当時の完成度は微妙でしたが、Siriが登場しましたね。ちなみに4sの「s」は、Siriの「s」といわれています。

——へえ!

松山さん
当時はジョブズが見届けた最後のiPhoneだった4sで「完成形なのでは」と思っていました。だいたいなんでもできましたし。

——当時考えられる機能は備わっていたと。

iPhone 5(70点)

iPhone 5 Photo by Aitor Perez Serena

——5はいかがでしたか?

松山さん
画面が3.5→4インチになって、縦に伸びたことをみんな嫌がっていて。いま考えればそう違和感はないんですけれども。

——慣れなかったですか?

松山さん
しばらくは。あと幅広のDockコネクタから小さなLightningコネクタになったのが貧弱に見えて。ジョブズ亡き後のモデルでもあったので、今後迷走しないか不安でした。

iPhone 5s(80点)

iPhone 5s Photo by John Karakatsanis

——5sは80点。5から10点アップしたのはなぜでしょう?

松山さん
5sからTouch ID【※3】やTrue Toneフラッシュ【※4】が搭載されて、あとは自動手振れ補正に対応した写真撮影も可能になりました。4インチiPhoneの完成系とも言えますね。
※3 指紋認証センサー
※4 フラッシュ撮影補助用のLED照明機構。白色とアンバー(琥珀色)のLEDライトを搭載し、色と彩度を最適化するアルゴリズムが組み込まれている

——2013年発売モデルですが、もう指紋認証があったんですね。

松山さん
はい。次の バージョンの 6から画面が大型化するので、今となればこのボディデザインが3Gと並んで美しかったとも思います。この頃から、番号が上がったモデルは大きく変わり、番号そのままで「s」が付くモデルはマイナーバージョンアップという、暗黙の了解がハッキリし始めた感はありました。

iPhone 5c(80点)

松山さん所有のiPhone 5c。円い穴の空いたケースをつけていたので、日焼けの跡が残る

——5cは廉価版ですよね。なのに、これまでで最高得点ですね。

松山さん
プラスチック成形が尋常じゃない美しさなんですよ。プラスチックでここまで光沢をきれいに、ゆがみや凸凹なしにつくるって、すごく大変ですから。

——職人芸が見える、と。

松山さん
ポップなカラーバリエーションで、女性向けとか言われていたんですけれども。いままでiPhoneを使ってきた人はあまり手を出さなかった機種です。でもデザイン的にはすごくて、お気に入りのモデルだったんですよね。

純正ケースをつけるとドットから本体カラーがのぞく。本体は全5色、ケースは全6色で30通りの組み合わせを選べた

iPhone 6(65点)

iPhone 6(左)と、iPhone 6 Plus(右) Photo by Kārlis Dambrāns

——4.7インチになったiPhone 6は65点と、一番低い点数ですね。

松山さん
カメラ性能は上がったんですけど、「また画面がでかくなっちゃった」とみんな言っていて。画面の大型化をアピールしていた当時のAndroidのやり方に乗っかっちゃった……と、デザイン面ではガッカリ感がありました。

——特に横が太くなったのが目に付きますね。

松山さん
片手で操作がしづらいと言われていて。さらに大きい6 Plusまで出ましたから。Plusは論外だと思っていました。

——大きさで話題でした。

松山さん
でもうちのカミさんはちゃんと愛用していました。男性だとスマホはズボンのポケットに入れますが、女性はバッグの中に入れることが多いみたいで、大きくても持ち運びに問題がないようです。

iPhone 6s(75点)

iPhone 6s

——6と比べて10点上がりましたね。画面サイズは6と同じですが。

松山さん
慣れとは恐ろしいもので、6を使い始めて1カ月もすれば「この画面サイズがいいね」と周りもなっていって。一番悩んだのはカメラの光学手ブレ補正【※5】ですね。前バージョンの6でもPlusにしか搭載されていなくて、6sでは……と期待したんですが、結局6sもPlusのみ光学手ブレ補正搭載でした。これ目当てで6s Plusにしようか、ずいぶん迷いました。
※5 光学手ブレ補正と、光学じゃない手ブレ補正との違いが気になった方は、説明が難しいのでキヤノンさんのHP を参照してみてください。
松山さん
あとは3D Touchと言って、画面を強く押しこむと、軽くタップしたときとは異なる操作ができるようになりました。

——直感的操作だ。

松山さん
まだここに改良の余地があったのかと感心しましたね。思わぬ新機能が追加される、この時期がいちばん楽しかったと思います。いまだと新機能ってリークされちゃって、発表時に驚くことが少なくなってきました。

——発表会はリークの答え合わせみたいなものですからね。

松山さん
この当時は次が出るのが楽しみで。6sはカメラ部の出っ張りが気になる人もいましたが、モノとしてはキレイだと思うんですよね。

iPhone SE(80点)

iPhone SE

——SEで、4.7→4インチに戻りましたね。

松山さん
4インチ画面好きは手を出していました。でも内容的には廉価版で、進化の先頭にいるモデルではないですし、目新しい部分が少ないので位置づけが難しいんですよね。

——採点は高いですけれども。

松山さん
スペック的にも悪くないし、ボディデザインもエッジがきいていて良いので。

iPhone 7(80点)

iPhone 7

松山さん
7の大きな評価ポイントは、ホームボタンが物理ボタンから、ボタンを押したような感覚を振動で返す感圧センサーになったことですね。それまで物理ボタンが不具合を起こすことも多かったですから。

——感圧センサー、すごい技術ですよね。

松山さん
それと、やっとPlusじゃなくても光学手ブレ補正が搭載されました。耐水・防塵をうたったのも、この7からです。イヤホンジャックも廃止されましたね。
松山さん
あと、ジェットブラックのカラーが出たんですよ。光沢がピカピカで美しい。他のカラーだけなら75点ですが、ジェットブラックがあるので5点上乗せです。でも傷つきやすくて、公式から「ケースをつけて」と言われていて。そんなの出すなよって突っ込む人もいたぐらいでしたけど。

ジェットブラックカラーのiPhone 7(左)と、7 Plus(右) Photo by Maurizio Pesce

——機能面ではどうでしたか?

松山さん
7は、ついにFeliCa【※6】が搭載されました。
※6 ソニーの非接触ICカード技術方式。かざすだけで高速データの送受信が可能。

——それによって、電子決済サービスのApple Payが使えるようになったんですよね。

松山さん
はい。それまでさんざんAndroidの人に「iPhoneは、おサイフケータイ載ってないし」と言われていて。いままでは、iPhoneの後ろにポケットみたいなのを貼り付けて、Suicaをそこに差し込んで使ってました。

——やっていた人、いましたね。

松山さん
私の回りのユーザーも、おサイフケータイに対して「FeliCaを内蔵しても、肝心な本体が壊れたらどうするんだ」って負け惜しみを言っていたくせに、採用されたらみんな万々歳で。

iPhone 8(80点)

iPhone 8

松山さん
8は、7にワイヤレス充電を追加したぐらいで影が薄かったです。搭載しているチップが新しくなって、高速化されてはいますが……。

iPhone X(85点)

iPhone X

松山さん
8と同時に出たんですが、Xはホームボタンを思い切ってなくした画期的な全面OLED(有機EL)ディスプレイモデルでした。ユーザーインターフェイスも新しくて新鮮だったので、8を買わずにXを買った人が多かったです。

なくなったホームボタン

——ホームボタンがない点では、いまのiPhoneの原型と言えますね。

松山さん
ただ、ノッチという液晶の欠けが「どうなの?」って、周りでは大騒ぎになっていて。個人的にはさほど気になりませんでしたが。

顔認証機能「Face ID」の搭載に伴い、画面上部に配置されたノッチ

——Face ID用の部品を収納するために、このノッチが採用されたと聞いたことがあります。

松山さん
アップルは新機能の作り込みが甘いことも多くて、最初はユーザーも半信半疑でした。Face IDは3Dの立体イメージを使うセキュリティー性の高いものだったんですけれども、それでも警戒されていて。

——新しい技術のツラい所ですね。

松山さん
でも、デュアルカメラ【※7】の両方に光学手ブレ補正が装備されるなど、機能的には高評価です。
※7 背面にある2つのカメラ。広角カメラと望遠カメラからなる。iPhoneで搭載されたのは7 Plusが初。

iPhone XS(85点)

ライバルのPixel 3(左)と、iPhone XS(右) Photo by Faustino Overstreet

松山さん
XSは、カメラもプロセッサ性能も、グラフィック性能も上がってるんですが、全く新しい目立つ機能はないんですよね。

——高得点ではあるけれど……。

松山さん
はい。私がライターとして記事を書く際も、新モデルの新機能を書く項目が少なくなってきました。

——書く方は困りますね。



iPhone XR(85点)

こちらは、松山さん所有のプロダクトレッドカラー のiPhone XR。

松山さん
XSと一緒に出たXRは、カメラレンズが一つしか無くて、3D Touchに非対応でしたがリーズナブルでした。光沢のある塗装もされていました。

——人目を引くキレイさですね。

松山さん
ちなみにXから、写真の背景をぼかすポートレートモードが出ました。レンズを2つ搭載した7 Plusや8 Plusでも使えるようになったんですが、XRはレンズ1つでも後ろぼけができる画期的な一台でしたね。ただ、被写体が人間のときしか使えませんでした。

——確かに、モノを撮ろうとすると「誰も検知されませんでした」と出ます。



松山さん
ゆくゆくはソフト的に改良されて、モノでも後ろぼけができるようになると思うんですよね。

iPhone 11(80点)

iPhone 11 Photo by Rberchie

——ようやく、2019年発売の11まできました。

松山さん
11は、風景を撮るのにいい超広角レンズがついたのがよかったですね。あとナイトモードが搭載されて、暗所撮影に強くなりました。

iPhone 11 Pro(80点)

iPhone 11 Pro

松山さん
11 Proは、11の超広角と広角に加え、望遠カメラも搭載されています。でも、使い始めてみると「望遠はあまり使わないな」と感じたので11と同じ点数です。現行モデルとして機能的には申し分ないです。背面のすりガラスも美しい。

iPhone SE2(90点)

iPhone SE2

——そして最後は、iPhone SE2。最高得点の90点ですね。

松山さん
iPhone 8のボディを流用して低価格を実現しながら、中のチップはiPhone 11と同じで、ほぼ同じマシンパワーですから。

——びっくりな一台ですね。

松山さん
いまiPhoneを新しくしたい人には、迷わずSE2を勧めます。カメラレンズは1コだけど、ポートレートモードは使えるし、FeliCaもあるし。なおかつ低価格なので、たぶんiPhone史上いちばん売れると思います。

——Androidユーザーですら、目を見張りましたから。

松山さん
純粋な私物としてiPhoneを使うならば、私も迷うことなくSE2を買います。

——松山さんがそこまで言うなら間違いないですね。採点いただき、ありがとうございました!


総括

改めて、採点結果です。最高得点はSE2の90点。革新的な取り組みの見られたXシリーズも85点と高得点。デザインに匠の技が見られた5Cも80点と意外な健闘を見せました。

——90点が最高得点でしたが、どのような機種が出たら100点に届きますか?

松山さん
私が思う100点のiPhoneは、初代SEの筐体で、ディスプレイは現行機種のようにフル画面、背面カメラは超広角と標準のダブルレンズで、光学ズームと光学手振れ補正搭載、ワイヤレス充電対応……といった感じでしょうか。イヤホンジャックはなくても、Bluetooth対応のイヤホンを使うので問題なしです。

——過去の機種を振り返ってみて、いかがでしたか?

松山さん
ハードウェアの性能とともに、ユーザーインターフェイスなども全て進化してきたと思います。ハードとソフトを一緒に作れるアップルの強みですね。

——逆に、ここはダメだったと思うところはありますか?

松山さん
画面サイズがいろいろ出たことです。1つしかないほうが作り込みもしやすいし、選ぶ側も選択肢が少ない方がラクですからね。

Apple創業者のスティーブ・ジョブズ Photo by Matthew Yohe

——ジョブズ亡きあと、進化の方向性は変わりましたか?

松山さん
デザインなどのこだわりは薄くなったと思います。ジョブズだったら、SE2みたいな、コスパに優れた製品は出なかったかも知れない。でもこれだけiPhoneが売れたのは現CEOで商売人のティム・クックのおかげだろうし。

——理想と現実のバランスは大事ですからね。最後に、今後のiPhoneはどう進化していくと思いますか?

松山さん
Siriがカタカナ英語などの弱点を改善して、さらに賢くなってくれるのではと。あとは、AR(拡張現実)がより活用しやすくなる機能が追加されると思います。アップルグラスなるメガネが開発されているともウワサされていますが、アップルなら手軽な楽しみ方を提唱してくれるかなと、期待はありますね。

——その日がいまから待ち遠しいですね!



(編集:ノオト


辰井裕紀

ライター:辰井裕紀

ローカルネタ・卓球・競馬などが得意のライター。過去に番組リサーチャーとして秘密のケンミンSHOWなどを担当。

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コメント 261

“慣れとは恐ろしいもので、6を使い始めて1カ月もすれば「この画面サイズがいいね」と周りもなっていって”

そうだね(笑)

私には3GS/4S/5C/6S/8今ここ

やはり小さいiPhoneって魅力的だったんだなぁと実感。

松山さん、仙人のような風貌ですね。

Androidユーザーなのですが、iPhone欲しくなりました

お疲れ様です。

全機種制覇、凄いですね!
私は5C→6S→SE2と使っています。

SE2が最高評価なのは、嬉しい限りです^ ^

年々機能がアップされていくのはいいけど、10万円超えた時にはびっくりしました。SE2は、その中でもお得感ありますね。家族はみんな、「次はSE2だ!」と、言ってます。
でも、私は家族みんながiPhone使いの中、ひとりでお安いandroidで頑張ってまーす!

私も現在のスマホに至るまでのスマホの歴史=アイフォンの歴史だと理解しています。
私はアンドロイド派ですが、アイフォンの新機種が登場すると必ず実機を試してきました。
私もこの評価と客観的にほぼ同意見です。
今はもうこれ以上機能面では不満もほぼないのですが、価格面でお安くなり、電池寿命が延びればいいなあと思っています。
もうひとつ言わせていただければ、日本メーカーにはもっと頑張っていただきたいです。
高い技術力があるのに、苦戦しているのが残念でなりません。
これからの躍進を期待しています。

勉強になります!

4S→6S→SE2です!
そろそろ替えたいけど本体金額高いなあと思っていたところ、SE2が出て、割とすぐに購入しました。
初めてAppleからネット購入して自分で設定出来るか不安でしたが、今って前のiPhoneと連携?出来て、全機種から内容コピー出来るんですね!
今はとても快適に使っています( ´ ▽ ` )

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