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嫁に読まれる覚悟を決めたらフォロワーが10万人増えた アルファツイッタラー”5歳”さんが語るこれからのTwitter

波多野友子

ライター:波多野友子

インタビューと対談構成が好きなフリーライター/校正者。どんなジャンルの話でも興味津々で深堀りします。最近ちょっとやってみたいお仕事はラジオパーソナリティ。

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Twitterのユーザーのなかでも、とりわけ多くのフォロワーを持ち、その発言がネット界のみならず社会に影響を及ぼすこともある存在。彼らは「アルファツイッタラー」と呼ばれ、時にはインフルエンサーとしての立ち位置を求められることもあります。

今回お話をうかがった5歳さんは、13万人を超えるフォロワー(2019年3月現在)がいる、日本屈指のアルファツイッタラーであり、その一つひとつの発言に多くの人が耳を傾けるインフルエンサーです。そんな5歳さんの真骨頂と言えるのが、ちょっぴり怖い奥様との日常をつぶやいた愛妻ツイート。

13万人から注目される5歳さんのツイートは通常、当事者以外ブラックボックスであるはずの「夫婦のコミュニケーション」に、どんな影響を与えているのでしょうか? また、「1日8時間はタイムラインを見ている」という5歳さんにとって、Twitterとは一体どんな場所なのでしょう? 5歳さんのファンでもある筆者がじっくり伺いました。

嫁に読まれる覚悟を決めたら、フォロワーが10万人増えた

5歳さんがTwitterを始めたきっかけは何だったのですか?

結婚を機に、嫁による束縛がものすごいことになったんです。それまで飲み会などでわいわい会話したり、みんなを笑わせたりすることが大好きだったんだけど、飲み会に行かせてもらえなくなっちゃって。嫁以外に話し相手がいなくなったせいで、すごくストレスが溜まっちゃったんですよ。

それでTwitterに活路を見出したのですか?

そうですね。最初は確か本名でやってたのかな? 日常で起こった面白いことや好きな漫画の話のほかに、嫁への愚痴をつぶやいてたんだけど、ある日、アカウントが嫁にバレて。そこからは、「アカウントを変える」→「嫁にバレる」→「アカウントを変える」→……をイタチごっこのように繰り返しました。

アカウント名も「嫁が怖い」「怖い嫁」、そして万が一バレてもいいように「可愛い妻」へ。で、そんなことを繰り返すうちに、「もう疲れた!」って思ったんですよね。

確かに、きりがないですね……。

それで、覚悟を決めて方向性を変えたんです。アカウント名も「妻」の後で「後妻(ごさい)」、そこから言葉遊びで「5歳」にして。そこからはもう、「嫁に読まれることを前提につぶやく」方向へ完全にシフトしました。「(嫁公認アカウント)」という表記も加えて。

そう名乗るからには、嫁だけじゃなく、たくさんの人に嫁と僕の日常について知ってもらおうと思って、前よりも気合を入れて文章を考えるようになったら、フォロワー数が10万人くらい増えました。

「仲良くしろよ」 フォロワーからの無言の圧力が夫婦円満の秘訣!?

ある種壮絶な夫婦のエピソードでも、5歳さんのツイートを通すと、なんだかほっこりした日常風景に変わるのが不思議です。

どんなことでも言い方ひとつで、人をいい気分にも不愉快にもすると思うんです。夫婦関係の愚痴ツイートって、そのまま書いて伝えちゃうと、読んでいる人をちょっと嫌な気持ちにさせてしまう場合もあると思うんですよね。

なので僕の場合は、たとえ夫婦げんかについてツイートするときでも、必ずちょっとだけ笑いのエッセンスを加えるようにしています。

 

なるほど。でも現実の夫婦げんかは、やっぱり殺伐としているんですよね?

それが、案外Twitterでの「5歳」としてのキャラ設定が、実際の夫婦生活でも生きてくるんですよ。

どういうことですか?

最近あるメディアで、僕が嫁のためにご飯をつくってレシピを紹介する料理コラムの連載をしているんです。その締め切りが迫るなか、収拾のつかないような夫婦げんかをしてしまって……。

うわ、それは厳しいですね!

「嫁とは大げんか中だけど、今夜料理をつくらなければ原稿が間に合わない」という緊迫した状況でスーパーに行って、カゴを持ってウロウロするんですが、頭の中が真っ白なんですよね。とてもコラムを書くような気分になれない。

でも、コラムのためにはなんとしてでも仲直りしなきゃいけないんですよ。だって、「愛妻家キャラ」として依頼されている連載なんですから。アレコレ考えているうちに、ふと、きりたんぽが置いてあるのを見つけて、「これだ!」って。

きりたんぽ(笑)。

きりたんぽとキムチ、チーズを買って帰って、鍋を作ったんです。すでにベッドに入っていた嫁を起こして、「これ食べて仲直りしよう」って言いました。嫁もまんざらじゃない様子で起きてきて、一緒に食べてくれて。ようやく長いケンカに終止符が打たれ、原稿も無事納品できたんです。

愛妻家ツイッタラーとしての肩書きが後押しして、仲直りすることができたんですね。

誰かから仲良くすることを強制されているわけじゃないですけど……。いや、やっぱりどこかで半強制的に「お前ら、仲良くしろよ」と圧力がかかっているのかもしれません(笑)。

あと、嫁とケンカをしている時って、何かのパワーが働いているのか、フォロワーが減るんですよ。数百人単位で減っていく。別にケンカを匂わせるようなツイートをしているわけでもないのに、「フォロワーさん、何か感じ取っているのかな」と、いつも不思議に思います。

タイムラインからは「膝までの深さ、かつ、太平洋の広さ」で情報を収集する

それはすごいですね……。5歳さん、もはやTwitterが体の一部みたいになっちゃっているんじゃないですか?

なっていると思います。体の60パーセントくらいはTwitterでできてるんじゃないかな? でも僕、いわゆる「ツイ廃」(ツイッター廃人)ではないと思うんですよね。

そうなんですか? なんだか常にタイムラインにいるイメージがありますけど……。

1日8時間くらいは見てます。半分は仕事というか……。僕がTwitterで主に何を見ているかというと、「世間のトレンド」なんですよ。クリエイターやマーケターみたいな目線と言ったらいいのかな。現在5000人くらいフォローしているんですけど、それだけの人をフォローしていると、世の中のだいたいのことはわかるんです。

情報源として活用しているということですか?

そうそう。僕の情報源は、書店とTwitterなんです。書店って、一周すればだいたいトレンドがわかるじゃないですか。僕はタイムラインを書店みたいにしたいと思っているんですよ。例えば、スポーツ・アニメ・映画・音楽。それから、最近注目しているバレエ。タイムラインをチェックしていれば、どんなジャンルのトレンドも広く知ることができる。

5,000人のツイートを、すべてチェックしているんですか……?

してますよ。僕、動体視力がすごいので。「ツイッターだけでどこまで深く知識を得られるの?」っていう疑問もあると思うけど、僕は「膝までの深さで、太平洋の広さ」の知識量を目指すべきだと思っている。

もちろん深めていくことは素晴らしいけど、あらゆるジャンルのことを膝くらいの知識で知っていれば、どんな人とも会話が楽しめるんですよ。

確かに!

例えば、すべてのスポーツにおいて「今一番有名な選手は誰か」って聞かれれば、だいたいわかる。そうすると、どんな人とでも仲良くなれるし、仲良くなった人からもっと知識を得ることができる。結果的に、すごく楽しい人生が送れるんです。

Twitterを通して、いつまでも誰かを喜ばせ続けたい

ここまで体系的にTwitterを語れる人もなかなかいないと思います。

僕、いろんなことに興味があるんですよ。とにかくいつも何かしら考えてる。タイムラインのトレンドを見ながら、「これとあれを掛け合わせたら、どんな面白いことが起きるのかな」とか、「嫁にこんなことを言ってみたら、どんな反応が返ってくるかな」とか。

そういう日々の好奇心と思考の積み重ねが、13万フォロワーの「5歳」というアカウントを作り上げたんですね。もし5歳さんからTwitterを奪ったらどうなってしまうんでしょう……。

何も残らないって?(笑) まあ、身を裂かれるような思いでしょうね。ただ、僕がTwitterをする上でベースにあるのはやっぱり「人を喜ばせたい」という気持ちだから、きっと別の手段を探すと思う。もしかしたら、居酒屋を経営するかもしれないですね。

5歳さんの経営する居酒屋、繁盛しそうですね。ちゃんとお客さん一人ひとりとコミュニケーションをとって、みんなを楽しませてくれそう。

そう。Twitterで大事なことって、居酒屋と同じなんですよ。フォロワー数うんぬんじゃなくて、「どれだけ親近感を持ってもらえるか」「どれだけ友達になりたいと感じてもらえるか」だと思います。

5歳さんのツイートを見ていると、すごくマメにフォロワーさんとやり取りをしていますもんね。

全員には答えられないかもしれないけど、話しかけてくれる人に対しては、できるだけ返事をしたいんですよ。ツイートを見て、「わかる!」と言ってくれるんだから、「そうだよね!」って答えるのは普通でしょ。

アイドルも同じじゃないですか? 「どれだけファンとコミュニケーションをとって、喜ばせることができるか」を考えている人がトップになれる。僕はもしかしたら、Twitter界のアイドルを目指しているのかもしれないな(笑)。


最近では、毎日のように炎上事件が起こり、誰かが怒ったり傷ついたり、ネガティブなイメージも拭えないTwitterの世界。そんな混沌としたタイムラインのなかで、5歳さんのツイートから伝わってくるのは、奥様、そしてフォロワーに対する「ブレない優しさと愛情」です。

「Twitterは決してフォロワー数を競うゲームじゃない。フォロワー数はあくまでどれだけ人を喜ばせられるかの指標」と、5歳さんは語ります。そして、ツイートする上で一番大切なのは「誰のことも傷つけないように気を配ること」だとも。

SNSが人を疲れさせる時代、5歳さんのツイートが多くの人をほっこりと幸せな気分にさせてくれるのも、きっとこんな信念がベースにあるからなのでしょう。たかがTwitter、されどTwitter——。改めてそんなことを実感させられる、実りの多い取材となりました。

(編集:ノオト


波多野友子

ライター:波多野友子

インタビューと対談構成が好きなフリーライター/校正者。どんなジャンルの話でも興味津々で深堀りします。最近ちょっとやってみたいお仕事はラジオパーソナリティ。

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コメント 9

「アルファ」で「ツイッタラー」とか二重にこそばゆいわあw(個人の感想です)

Twitter詳しくないけどスゴイですね

アルファツイッタラーでインフルエンサー
ぼそっとつぶやいたことが13万人に読まれるとか想像つかない

マイネ王にもアルファ国民とかインフル国民が現れるかも\(^o^)/

なるほど、「膝までの深さで、太平洋の広さ」ですか、凄いですね。
うちのTwitterアカウントだと「日本海溝の深さで、水たまりの広さ」な
感じなので真逆だなと思いました。

…そこまで深くはないかもしれませんが(^^ゞ

マイネ王だけで充分です٩(^‿^)۶

ツイッターやっていないので、コメントのしようがない。

皆さん、ご同様なんだ。
みんな嫁さんが怖いんだと分かって、少し安心しました(^o^)/

嫁なんて存在しないから怖くない

この人はマゾですね。間違いなく。
怖いパートナーに巡り会えて良かったです。

Twitterやってないからわかりませんがな!

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