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まずは相手を信じて触れ合うこと。コンドルズ・近藤良平さんに聞く、体を使ったコミュニケーションとは

伊藤 駿

ライター:伊藤 駿

コンテンツメーカー・ノオトのライター、編集者。SF映画とポップミュージックをこよなく愛する。

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「コミュニケーション」と聞いたとき、多くの人は誰かとの会話やメール・SNSでのやりとりなど、「言葉を用いた意思疎通」をイメージするのではないでしょうか。

しかし、ボディーランゲージやアイコンタクト、相手の些細な仕草から感情を読み取ることもコミュニケーションのひとつ。他にも握手したり、肩を叩いたり、手をつないだり……言葉を使わないコミュニケーションだって、たくさんあります。ひょっとしたら言葉って、「コミュニケーション」のごく一部の側面でしかないのでは?

そんななか、「ダンスでコミュニケーション」をテーマにしたワークショップの噂を耳にしました。開催しているのは、ダンスカンパニー「コンドルズ」主宰のダンサー・近藤良平さん。なんでも「“からだ”を使ったコミュニケーション」や表現の楽しさを、いろいろな場所で教えているのだとか。

いったい「“からだ”を使ったコミュニケーション」とは、どのようなものでしょうか? 近藤さんに、ワークショップの内容や目的について話を聞きました。

近藤 良平
男性のみ・学ラン姿のダンス集団、ダンスカンパニー「コンドルズ」主催のダンサー・振付家。NHK『サラリーマンNEO』内「サラリーマン体操」、郷ひろみの楽曲『笑顔にカンパイ!』などで振り付けを担当。2016年第67回文化庁芸術選奨文部科学大臣賞、2018年第67回横浜文化賞受賞。
(プロフィール画像提供:ROCKSTAR有限会社/撮影:HARU)



こわばった体を、ダンスで緩ませていく

そもそも、近藤さんがワークショップや大学の授業で教えている「ダンスでコミュニケーション」とは、どのようなものなのでしょうか?

音楽に合わせて身振り手振りで意思疎通をしよう、というのではなく、「ダンスを通じて“心とからだ”を緩ませよう」という内容です。実は普段の生活でも、私たちの体は常に緊張してこわばっているものなんですよ。

こわばったものを“緩める”とは、どういうことなのでしょう?

例えば小学生くらいの頃は、友達に体を触られたり、逆に相手を触ったりすることにあまり抵抗がなかったと思うんです。でも思春期を迎えるとちょっと恥じらいが出てきて、他人の体を触ったり、逆に触られたりする機会もどんどん減っていきますよね。そんな、普段の生活で閉じてしまった心と体を本来の自然な状態に戻していこう、ということです。

たしかに小学生の頃は無邪気にじゃれ合っていたのに、中学生くらいから少しずつやらなくなりますね。

思春期は、とても不安定で難しい時期。誰もが他人から自分を守ろうとするから、触れ合いが減ってしまうんだと思います。そして他人と距離を置いたまま成長すると、大人になっても「自分の心を開いて、人と触れ合うこと」に対するハードルが高いままになってしまう。

職場の同僚であっても、握手をする機会ってほとんど無いですね。無意識に避けているのかもしれません。

きっと、人が多い都会だと顕著なんですよ。「他人からどう見られているか」「相手との距離感」を意識しすぎた結果、自分を守るために心を閉じて、それと一緒に体もガチガチに固まってしまうんだと思います。


心と体を開くきっかけは、「人を信じること」から

では固まった心は、どうして体を動かすことによって“緩む”のでしょうか?

それは、話すよりもやってみたほうがいいかもしれない。ちょっと立ち上がって、手を出して。

はい。握手をするんですね。

じゃあこのままで、手を自分のほうに思いっきり引っ張って。僕も引っ張るから。ハイ!

▲ がんばって引いても、びくともしない近藤さん

というのが、まず一つ。じゃあ次は、手のひらを出して、僕の手と合わせて。

2人で向かい合って、両方の手のひらをぴったり合わせる感じでしょうか?

そう。じゃあいろいろ僕が動くから、手を合わせたままそれに付いてきて。

▲ 近藤さんが手を後ろに大きく引いたので、離れないように体ごと付いて行く

▲ ぐわんぐわん動かされると、思わず笑ってしまう

いい感じ、いい感じ。

やった、ありがとうございます! ……ええと、この動きにはどういう意味があるのでしょう?

それっぽい意味はなくて、基本的にはただ楽しいだけ(笑)。「なんか楽しいな」と思えたら、まずはそれでいいんです。意味があるとしたら、今やってもらった動きはペアになった相手を信頼して、自分の身を預けないと成立しない動きなんですよ。

それはつまり、どういうことでしょう?

例えば、握手をしたままお互いに引っ張り合う動きは、どちらかが力を入れなかったり、逆に力を入れすぎたりすると、片方に倒れてしまいますよね。だから、お互いが相手のことを考えて力を入れないとバランスが取れないんです。手のひらを合わせる動きも、相手が自分の動きをコントロールすることになります。ですので、どちらも相手の様子を見ながら動かないといけない。

相手のことをよく見て、信頼しないとうまくいかないんですね。僕も近藤さんがしっかり手を握ってくれていたので、安心して後ろに引っ張ることができました。

僕のワークショップは1人で何かをやることはなく、必ず2人以上のチームで体を動かします。こうすれば同じチームの人を常に意識するようになるし、一人ひとりにチームメイトに対する責任が発生しますよね。こうすれば、苦手な人も少しずつ体を動かしてくれるようになります。

ワークショップでは、他にどんなことをしているのでしょうか?

例えば、目隠しをしたパートナーの手を引いて、もう1人が建物の中を連れて歩き回るとか。エスコートする側はパートナーに対して声をかけてはいけないというルールで、基本的には体に触れて意思疎通をしないといけません。しゃべってもいい状況だと、人は言葉に頼ってしまうんですよ。

目隠しをしている側は相手を全面的に信頼して自分の身を預けないといけないし、エスコートする側はパートナーの安全を守る責任があるから、がんばって意思を伝えようとする……。

アクティビティーを通して「人を信頼する」感覚がわかれば、過剰に「他人から自分を守る」必要がなくなりますよね。その結果、相手とのコミュニケーションに対するハードルを少し下げられると思っているんです。これが、ガチガチに固まっていた体が“緩む”ということ。僕のワークショップは、体を入り口にして、心も緩ませようとしているんです。

なるほど、体を動かしながら「人を信頼する」ことを身をもって体験することで、心と体の緊張がほぐれていくんですね。


恥ずかしがり屋でも、きっと誰かと触れ合いたい

でも急に「体を動かして!」と言われても、すぐにはできない人が多いのでは……と思ってしまいます。「日本人は恥ずかしがり屋」とはよく言いますし。

もちろん、それはあります。大学生向けのワークショップだとそれが本当に大変で。彼らも彼らでなかなか難しい時期なんですよ。思春期をとっくに通り過ぎている人もいれば、まだ真っ盛りの人もいる。

僕も学生の頃は恥ずかしがり屋で、いきなり「目の前の人と手を合わせて!」と言われても、すぐにはできなかったかもしれないです。

でもお互いに引っ張り合うとき、最初に握手をしたでしょ? 自分が手を差し出して、相手も同じように返してくれれば、入り口としては十分です。お互いにコミュニケーションを取る気持ちはあるということなので、手をつなげたらそのままお互いに引っ張ってもらえばいい(笑)。その後、「じゃあ今の動きを目を閉じてやってみよう」と僕のほうから働きかけると、誰でも少しずつ動き出してくれます。

恥ずかしがり屋の人も、段階を追って、少しずつ緩んでいくんですね。

でも、恥ずかしがる人の気持ちもわかるんです。僕だってそうだったし。むしろ、全く恥ずかしく思わない人がいたら、ちょっと心配になる(笑)。でも、そういう人たちが相手を信頼することを思い出して心と体が開いていくと、目がキラキラしてくるんですよね。

恥ずかしがり屋だけど、本心でははっちゃけてみたいんですかね。

たぶんそうなんですよ。もしかしたら、もっと人と触れ合ってコミュニケーションをしたいのかもしれない。相手の気持ちを信じて、まずはこっちが歩み寄ってみる、というのも大事なんだと思います。


近藤さんレクチャー、2人でチャレンジしたい動き

せっかくなので、他にもワークショップで行っている動きを教えていただきました。

その1 パートナーのゆっくりしたチョップを、全身を使って避ける

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【感想】
体を傾ける、反らすといった普通の動きでも、「パートナーの動きに合わせて」かつ「ゆっくりやってみる」ことで、やったことがない動きに。自分の体が想像以上に反ったので、驚きました。近藤さんいわく、「これができたら、あなたはもう踊っているようなもの」とのこと。


その2 全身を使って「波」を作り、パートナーと波のやりとりをする

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【感想】
パートナーが全身を動かして作った「波」をつないだ両手を通して受け取り、その動きに応じて自分も同じような大きさ・スピードで波を作る。
自分の体を動かすにあたって、パートナーの動きをきちんと見るのがポイント。簡単そうに見えても、指→手→腕→肩→胴体と、体のパーツを一つひとつ順番、かつなめらかに動かさないと「波」に見えないので、想像以上に難しい。


その3 腕を動かして、パートナーと波のやりとりをする

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【感想】
両手をつないで、ペアとの間で円を描くように波を行ったり来たりさせる動き。言ってみれば波でキャッチボールをする感覚、といったところ。先ほどよりも動かす体のパーツが限られているので、慣れていない人でも抵抗なくできそう。若干ほぐれてきた(でもまだ下半身が硬い)筆者と、とてもなめらかな近藤さんの動きの違いに注目。


体を動かす中で、自分の新しい一面が出てくる

シンプルでも普段は絶対にやらないような動きですね。簡単そうに見えますが、思ったように体が動かなくてびっくりしました。

誰もが、自分の体は自分自身で使いこなせていると思い込んでいるんですよ。でも改めて体を動かすと、想像以上に体が硬かったり、反応が鈍かったりすることにショックを受ける人もたくさんいます。その目が覚めた瞬間を見るのが、僕はすごく面白いんですよね。

それに、やっぱり踊ったり体を動かしたりすることって根源的な楽しさがありますよね。先ほどやった手を合わせる動きも、皆でやったら面白いかもしれません。

以前、社会人向けにこのワークショップをやったことがあるんですよ。大企業の重役のようなお堅い役職の人もいたのですが、そんな人でも分け隔てなくチームを組んで体を動かすことで、少しずつ心が開かれていく。ワークショップを通じて、参加者同士が仲良くなることもあるみたいですよ。大学で行うワークショップでは「この場を通じてカップルが誕生することが目標です」といつも言っています(笑)。

それは素敵ですね! いつも同じ教室にいるのに会話したことがない学生同士が、講義を通じて新しい関係を育んでいく。

恥ずかしがり屋だったはずの人が、授業の中で少しずつ変わっていく様子を見ることができるんです。誰かとペアになって体を動かすことで、その人の意外な一面が引き出されることもあります。今まで無口だった奴が急に頼れる存在になって、「お前、案外良いやつじゃん!」と周りから見直されるかも……。そんなことがあったら、本当に面白いですよね。


まとめ

「体を使ったコミュニケーションとは何か?」という疑問から始まった今回のインタビュー。近藤さんから教えてもらったのは、「コミュニケーションは、まず相手を信頼して自分を預けることから」「信頼関係のなかで、緊張していた心と体が緩んでくる」といった、とてもシンプルなことでした。

今回教えてもらった2人でやるアクティビティーも、機会があったら誰かと一緒にトライしてみてはいかがでしょうか? いつも顔を合わせているあの人の、全く知らない一面を見ることができるかもしれませんよ!


取材協力:ROCKSTAR有限会社(ダンスカンパニー コンドルズ)

(編集:ノオト



伊藤 駿

ライター:伊藤 駿

コンテンツメーカー・ノオトのライター、編集者。SF映画とポップミュージックをこよなく愛する。

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コメント 16

コミュニケーションの大切さを感じました。

おっ、コンドルズの近藤さんだ〜(o^^o)
たまにテレビでもお見かけしますし、舞台を観に行ったことあります。

近藤さんだー(^o^)

『ひともじえほん』福音館書店
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=1723

これ好きです♡

近藤さんはサラリーマンNEOのサラリーマン体操で見かけましたが、シュールで好きですꉂ(ˊᗜˋ*)

今回は体を使ったコミュニケーションですが、色んな角度からコミュニケーションを特集されているインタビュー、いつも楽しみにしています。

人は食べたい、寝たいほどではないにしても、人と触れ合いたい欲求があるのでしょうね。

人と触れ合うことは、コミニュケーションに限らず健康状態にも少なからず影響しそうだと思いました。

ワンちゃんやネコちゃんとの暮らしは、人と触れ合いたい欲求をおぎなっているのかも知れません。

この欲求が満たされない、そしてこの欲求を満たそうとするとき、どのような精神状態、健康状態なのだろう……

いろいろと考えるきっかけとなりました。
ありがとうございます。

コンドルズ好き^o^

私がちがち…

めちゃくちゃ良い記事だったと思います。
普段仕事などで忙しく、なかなかこういったことを真剣に
考えることが無かったので、大切な何かを思い出させてくれたような、
とても暖かい内容でした。

全く読む価値なかったよ😃

いい加減にスタッフブログにくだらないインタビューやおもしろネタのカテゴリーはなくして下さい。そんなに知らせたいことならプライベートでマイネ王アカウント作って掲示板にURL貼り付けてくれればイイです。
こんなくだらない記事のライターにギャラが支払われているのか問い合わせしたらきちんとした答えはしてもらえないし。

つまらんけど、変顔が出ないだけマシだと思ってしまう

コミュニケーションっていろいろな方法があるんですね。
心が固まっている時って身体も確かに固まってるなぁと思いました。

楽しいアプローチの仕方を教えてもらえてよかったです。私も誰かとやってみよう。

触れ合いが大切って事ですがな!

身体を使ったコミュニケーション、面白いですね!
ワークショップ、体験してみたいです♡

確かに年を取ると人との触れ合い避けてしまいますね。
自分も出来たら良いと思いました。😊

近藤さんだ! ワークショップ出たことあるなぁ……
見ず知らずの人といきなりペアを組むのは大変だったけど、楽しかった記憶しかない…またやりたくなってきた…

あれ、そういえば人に触れた記憶が・・・。
この記事をみて気が付いた。

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