●マッチ売りの猫●

クロハナさん

マスター

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舞台はヨーロッパのどこか。
雪の降る夜の町で、猫三匹が道端でマッチを売っていた。
「マッチ…マッチは要りませんか？」
黒い鼻の猫が声を掛けるも、道行く人たちは誰も買おうとしなかった。
「クロハナさん、もういいわ。そろそろ帰りましょう」
太った白猫が壁にもたれながらでかい息を吐いた。
「駄目よ。まだ一本も売れてないのよ」
「そうよコマさん。今日もご主人に締め出されてしまうわ」
茶トラ猫の茶々丸が震えた声で追随した。
「ふんっ。どーせ売れたらダメなシナリオなんでしょ？ もうとっとと暖まりましょう。茶々丸さん、マッチよこしなさい」
「何するの！？ これがなかったら明日のパンが買えな――」
「うるさい！ 寒すぎるのよ！ やってらんないのよ！ 肉球がアカギレになっちゃうわよ！」
コマは茶々丸からマッチを根こそぎ奪うと、ジュボンッと豪快に火を点けた。
すると炎の中から一つの絵が浮かび上がった。
「これは…マイネオショップだわ」
三匹は頭巾を放り投げて絵に飛び込むと、雇い主であるご主人の頭上に突然ワープしそのままご主人をぺちゃんこにしてしまったのであった。

これ以上ありません。