"喫茶もふもふダンジョン" ㉑

クロハナさん

マスター

王国ダンジョンのURLをコピー

コマはゴンに向き直ると、「ねえ、言い方おかしいかもしれないけど、ここはクロハナさんの優しさに免じてお互い様って事にしない？ アタシも極力お金の無駄遣いはしないようにするからさ。アンタのパチンコも水に流すってことで、ね？」と前足を縦に振った。
ゴンは硬い体のまま暫く考えていたが、そのうち風船がしぼむように、サビた顔に柔らかい笑みを浮かばせた。どうやらコマの提案に妥協したようだ。そして互いに口の周りやオシリの辺りを匂い合うと、コマとゴンは寄り添うようにその場に座った。クロハナと茶々丸は心の中で二匹を祝福した。するとゴンが、クロハナを見て接近すると、こんなことを言ったのだった。
「いろいろ気を遣わせて済まなかったな。ーー鼻饅頭」
「は…はなまんじゅう！？」
クロハナは目を特大に開いて、ゴンの放った言葉をリピートした。ゴンはニコニコしながら、クロハナの鼻をちょん、と触った。
「ちょっ…ちょっとどうゆうことコマさん！？」
クロハナは思わずコマに訊いてしまった。さすがのコマも動揺を隠し切れないのか「ちっ、ちょっと。クロハナさんに謝りなさいよアンタ！」とゴンを叱責した。
（続く）

これ以上ありません。