マイネ王国　『失われた古代文明の謎』

mr.matsuさん

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マイネ王国の南端、忘れられた谷に、封じられた扉があった。

若き学士は、王家の古文書を密かに読み解き、そこへ辿り着いた。

「影の門……間違いない」

苔むした石壁には、見慣れぬ幾何学模様が刻まれていた。王国の文様ではない。
扉は静かに開き、ひんやりとした地下の風が吹きつける。

松明を手に、古の階段を降りていった。そこは石造りの迷宮――だが、奥へ進むにつれ、石ではない素材の通路が現れた。滑らかで、金属とも木とも違う。

最深部にあったのは、一室の広間。中央には黒い箱状の装置が鎮座していた。
その前には平らな板と、無数の小さな四角い突起のある盤が繋がれている。

「……これが、“古代の知識機械”……」

触れた瞬間、黒い板が淡く光り、見知らぬ文字列が一瞬だけ浮かび、すぐに消えた。

言葉はわからない。それでも直感があった。これは“思考を記す装置”だ。

部屋の隅、崩れた棚の下から、一枚の紙のようなものが転がり落ちた。
布でも羊皮紙でもない。不思議な手触りの素材に、ただ13桁の数字が記されていた。


---1687767550029---

「……暗号か？ いや、鍵……？」

読み解く術はなかったが、その数字には奇妙な存在感があった。

次の瞬間、部屋の天井から、かすかな唸り音が響いた。何かが目覚める気配。

急ぎメモを懐に収め、闇の奥を振り返った。

この地下には、今もなお、古代の“何か”が生きている。

彼の探求は、まだ始まったばかりだった。

これ以上ありません。