クロハナ防衛隊 vs デス・スター ③

クロハナさん

マスター

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「なかなか管制室までは来られないようね」
茶々丸が冷静な面持ちで言った。
『アタシの内部は迷路みたいになってるからね。敵さん、いまごろ迷子になってヒイヒイ言ってるでしょうよ。さすが教授のお饅頭。それにしても……いっぱい入って来てなんだかお腹がくすぐったいわ』
KUROHANAが黒い鼻を膨らましてほほ笑んだ。
味方の攻撃が効いていないことにイラついたのか、ゴンがデス・スターから飛び出しマイクで吠えた。
『うらあ！ コマあ！ 出てきやがれ！ オレはキサマが許せねえ！』
それを聞いたコマが、
「茶々丸さん」
「え？」
「上部ハッチを開けなさい」
そう言うと、組んでいた腕をだらんと降ろした。
「わ、分かったわ！」
ただならぬ気配を察した茶々丸がすかさずハッチ開閉のボタンを押した。
KUROHANAの脳天が開く。
宇宙服を着たコマとゴンが真空中で落ち合うやいなや不毛な夫婦喧嘩を始めたのだった。
「アンタ！ いったい何やってんのよ！ あんな物騒なモノを乗り回して！ 地球はもう大騒ぎよ！ なにが宇宙征服よ！ 今日は仕事だって言ってたじゃない！ あんなもん片付けてさっさと行きなさいよ！ ほんっとろくなことしない甲斐性なしなんだからアンタって猫は！」
コマの台詞にゴンがニヤリと笑った。
「言いてえことはそれだけかコマよ。今回は特別編だからどうしようもねえんだよ。そう、オレは黒猫軍団を率いる悪の親玉。つーわけでまずは手始めに地球を制圧させてもらう。邪魔する奴はたとえオレの嫁はんだろうが容赦はせん。これは警告だコマ。お友だちを連れていますぐどっかに行け。オレがデス・スターに戻ってから5分だけ待ってやる。従わなかった場合はオマエらの艦をデスビームで粉々にするぞ。じゃあな！ 今回ばかりはオレの勝ちだということを肝に命じるんだな！ フハハハハハッ！」
「ち、ちょっと待ちなさいよアンタ！」
コマの制止を聞かず、ゴンはデス・スターに帰って行った。

「まったくゴンさんたら。で、どうするのコマさん？」
茶々丸が訊いた。
「戦うしかないでしょ。地球の命運がかかってるんだから。でもその前に艦内の敵を一掃しましょう。内側から壊されたら元も子もないわ」
コマと茶々丸は管制室を出ると、KUROHANA艦内を急いで駆けて行った。

（つづく）

これ以上ありません。