😺クーラー室温大合戦😺

クロハナさん

マスター

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"猫カフェノラボス"
クロハナが働いている職場である。
クロハナは休憩室で茶トラ猫の茶々丸とぽっちゃり白猫のコマと世間話をしていた。
ふいにコマが前足で首元を扇ぐ。
「あ〜めっちゃ暑いわね。クーラーの温度下げましょ。ちょっとミイコさん、そこのリモコン取ってよ」
三毛猫のミイコがリモコンを探すと仏頂面でコマに手渡した。
「もっと愛想良くしなさいよあんた。カンジ悪いわね」
「お客さんにイライラしてるのよ。いちいちつっかからないで。ていうかリモコンぐらい自分でとってよ」
ミイコが振り向きざまにキレる。
ミイコは近頃 客の当たりが悪いようで、実にけっこうなストレスを抱えていたのであった。
コマは八つ当たりするようにリモコンを20℃まで下げた。
しばらくして、
「ねえコマさん、クーラー寒いわよ。もう少し上げてくれない？」
「アタシも寒い。まるで冬みたい」
クロハナと茶々丸が言った。
「いいのよこれくらいで。アタシ肉厚があるからあんたたちより暑がりなのよ。我慢しなさい」
コマはアクビをするとボアクッションにもたれた。
「上げなさいよ……」
ぼそっと誰かが呟く。
「何？誰か何か言った？」
とコマ。
「クーラー上げてよ！寒すぎるのよ！常識考えてよ！イライラするわ！」
ミイコが毛を膨らまして吠えた。
コマの唇が歪む。
「ミイコさぁん。あんた誰に口利いてんのさ？」
コマが蛇のような動きで起き上がると、ミイコも白目を剥いて身を構えた。
「ち、ちょっとやめなさいよふたりとも！」
クロハナが止めた。それと同時に周りの猫たちが部屋の隅っこに逃げた。
「フギャー！」
ミイコがコマに飛び付きリモコンを奪うとクーラーを28℃まで上げた。
コマも負けじとリモコンを奪い再び20℃に下げた。
28℃、20℃、27℃、22℃、26℃、24℃――。
その時。
クーラーがバンッと爆発した。
「あーっ！アタシのクーラーが！」
コマが頭を押さえて叫んだ。
「皆のでしょ！どうするのよ壊しちゃって！」
茶々丸が咎めたが、コマは仰け反りながらど派手に泣き叫んだ。
「クーラー！アタシのクーラー！おとーさあーん！」
「はあ？」
「フリーザーーーーーーーー！！ふはははは……」
コマはそのまま仰向けでボアクッションに倒れた。
（おわり）

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