🍑コマ太郎⑨🍑

クロハナさん

マスター

王国ダンジョンのURLをコピー

――
「いるいる。鬼がうじゃうじゃいるわ」
岩の陰から、茶々丸（犬）が悍ましそうに言った。ちなみに鬼は全て猫だった。
「お兄ちゃん、いるかなぁ」
ミイコ（猿）が独りごちた。
「じゃあ、アタシが鬼たちに声を掛けるから、茶々丸さんがまず吠えてお膳立てをしてちょうだい」
コマが頼むと、茶々丸は大きく息を吸った。
「ワン！ワン！ワオーン！」
コマが颯爽と岩の上に立った。
クロハナ（キジ）たちもコマに並んだ。
「コマ太郎とそのお供、参上！覚悟はいいかしら鬼ども！成敗してくれるわ！オホホホホ！」
鬼たちが揃ってコマがいる岩を見上げた。
その中にいた、ねじり鉢巻をした猫がくるりと振り返った。
「ほあぁ？――コマ！？」
その猫はコマの旦那である、ゴンだった。
「あ、ああっ？ア…アンタ！？」
コマは仰天しそのまま岩から転げ落ちた。
まんぐり返しになったコマにゴンが慌てて駆け寄った。
「大丈夫かコマ！なにやってんだオマエ」
ゴンに支えられ、コマは起き上がった。
「あービックリした。アンタ…なんでここに？」
コマに訊かれると、ゴンは目を丸くした。

（つづく）

これ以上ありません。