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学生歌としてのデカンショ節 ②

hijiake
hijiakeさん
レギュラー

承前

ストームストームと軽蔑するなストームニ高の社交ダンス
ストームコンパと騒いでおればホームシックにかかりゃせぬ
性は善なりストームコンパ何の悪気でするものか
〇○○○○〇○○○○〇○○○○〇○○○○(ここの元歌詞が原因で下書き段階で投稿拒否された。単語毎に自動検閲してるようだ。文末にこの部分のスクショを掲載する。これはいいのか?ナンセンス)
勉強する気で故郷を出たがストームコンパで日が暮れる

今回はストームの話である。ストームとはWikipediaに「日本の旧制高等学校や大学予科、旧制専門学校、新制大学などの学生寮などにおいて学生が行う蛮行のこと。バンカラの一種」とあるように要するにバカ騒ぎである。
上掲の歌詞にストームコンパと対に書かれているようにコンパの後にストームを行うのが一般的であった。

私のいた寮でも行われていた。
入学してすぐ新入生はエッセン(食堂のことをそう呼んでいた)に集められて上級生が茶碗に酒をなみなみと注いで飲み干すまで離れない。
皆が酔っ払った頃を見計らって「これから女子大の寮までストームを駆ける」と号令が掛かる。
1kmほど離れた所に短期大学の女子寮がありそこまで走って行く。
毎年のことであるので女子大の寮生も心得たものでバケツや洗面器に水を溜め上階の窓口に集まり寮生が来るのを待ち構えている。
寮生が到着すると一斉に水を撒いてはしゃいでいる。水を掛けられた方もびしょ濡れになり奇声を上げながらはしゃいでいる。
ひとしきり騒いだ後寮に戻るのだが飲みなれない酒に酔っぱらっているから道路のあちらこちらに倒れている者がいて上級生がリヤカーを引いて収容して回る。
強烈な歓迎ストームであった。

寮の中でもストームはあった(こっちの方が多い)。
何かの会合で最後に酒盛りになった後に寮の通路や廊下を奇声を上げたり各部屋のドアや窓を叩きながら走り回る。
「〇〇委員会の諸君がストームを敢行します。寮生の皆さんよろしく」と寮内放送がある。
寮生は要所要所に待ち構えて水を掛ける。
寮内であるのでパンツ1枚や裸の者もいる。
私は寮祭実行委員会をしていたので数回程走り回った思い出がある。
若気の至りとはいえ実にくだらないことに情熱を傾けていたものである。

しかし時代は大きく変わろうとしていた。
大学紛争の波は全国に広がっていて、それに加えて私の学校では米軍との問題も起こり、もうコンパどころか授業さえ満足にできない状態に陥った。
やがて全学無期限ストに入り半年後機動隊が突入して封鎖解除するまで大学の敷地内にも入れなくなった。
その年の東京大学と東京教育大学(現筑波大学)の入学試験が中止となり騒擾は表面的には鎮静化していった。
その後コンパは復活したがデカンショ節等のほほんとした歌は影を潜めたというか完全に過去の遺物となり、コンパの締めは「インターナショナルの歌」とか「ワルシャワ労働歌」とかになっていった。

高校時代の校長が日本では革命は絶対に起こらないと言っていた。
蓋し名言である。

ふざけたっていいじゃないか 革命だもの

mineo投稿.PNG

原文である。
4首目の末句が逆鱗に触れたらしい。
                 続く


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